中東中近東アフガンパキスタン
トルコ北西部のスキーリゾートの12階建て(または11階建て)のホテルで火事があり、少なくとも76人が死亡、51人が負傷した。政府が現地2025年1月21日、明らかにした。それによると、火事はボル県のスキーリゾート地にあるホテル「グランド・カルタル:Kartal Hotel」at Kartalkaya resort in Bolu provinceで21日の午前3時過ぎに発生。正午頃に鎮火した。映像ニュース
関係者の話しとして、トルコでは学校が冬休みで家族客が多く「子供を含む犠牲者の大半が一酸化炭素中毒で命を落とした」と伝えている。出火原因は明らかになっておらず、消防と警察が調べている。
イェルリカヤ(Ali Yerlikaya)内相によると、火災当時、ホテルには234~ 238人の登録客がいたという。エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領は犠牲者と遺族に哀悼の意を表し、当局の捜査が進行中であると述べた。またエルドアン氏は火事の責任を追及するために必要な全ての措置が取られているとした。ボル県は首都アンカラとイスタンブールAnkara~ Istanbulの中間に位置する。人口は約27万人。英文記事
2025年1月23日: トルコ当局は北西部ボル県のスキーリゾートにあるホテルで21日未明に発生した火災を巡る捜査の一環として、11人を拘束した。トゥンチ法相が22日に明らかにした。
停戦合意 ceasefire agreement発表以来、イスラエル軍の砲撃によりガザ地区で数十人が死亡し、1日あたりの死者数はここ1週間で最高となった。イスラエル軍が現地2025年1月16日、停戦合意後もパレスチナ・ガザ地区への空爆を継続し、子供21人を含む少なくとも87人が死亡、200人近くが負傷し、行方不明者の捜索が続いている。ガザ当局が明らかにした。停戦は1月19日に発効。これは停戦の第1段階であり、42日間続く予定だ。イスラエルのメディアによると、ネタニヤフ内閣は17日に停戦協定の採決を行う予定だという。
反アラブ・反パレスチナを推進する超国家主義政党「ユダヤの家(英語: Bayit Yehudi,Jewish home) 」のベン・グヴィル(Itamar Ben Gvir)治安相は停戦協定が閣議決定された場合、辞任すると表明している。ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相は16日、イスラム組織ハマスがいくつかの約束を反故にしたと主張。停戦協定に関する閣議採決を先送りした。ハマスはネタニヤフ氏の主張を否定している。ガザ紛争におけるパレスチナ側の死者は16日午前の時点で4万6788人、負傷者は11万453人となっている。
交渉の仲介を務めた米国、カタールの声明や両首脳の会見によると、停戦合意は3段階で進められる。生死不明も含めてガザには約100人(左は人質98人の写真)の人質がいるとみられ、第1段階の6週間で、ハマスは女性や高齢者、負傷者ら33人の人質を解放し、イスラエルも拘束している数百人のパレスチナ人を釈放する。この間、軍事行動を停止し、イスラエル軍はガザの人口密集地から撤退する。第2段階で残りの人質の解放と全てのイスラエル軍の撤退、第3段階で残る人質の遺体の引き渡しと、ガザの再建が予定されている。参照記事 英文記事 映像と英文記事 過去ブログ:2025年1月イスラム組織ハマス、ガザ停戦と捕虜交換を承認:
2025年1月18日:イスラエル軍は現地17日、パレスチナ・ガザ地区南部の難民キャンプなどを空爆し、少なくとも29人が死亡、数十人が負傷し、大勢の瓦礫の下敷きになった。ガザ当局が明らかにした。ネタニヤフ内閣は17日にイスラム組織ハマスとの停戦協定を閣議決定。それ以降のガザ地区の扱いなどについて協議している。参照記事
、、、写真は2025年1月17日/ヨルダン、首都アンマン、ガザ停戦を歓迎する人々(ロイター通信) 個人的だが、人質が解放され、彼らが受けた扱いによってはイスラエル人の市民感情が暴走し、パレスチナ人への報復リンチなどが起きるのではと懸念している。右の停戦歓迎の写真にパレスチナ国旗が多く見えるが、現時点でも、多くのイスラエル人にとって停戦は喜ばしい事ではないのだから、、。それがイスラエル国以外であれば、ネタニヤフ氏は「軍と関係ない」と言うだろうが、、。また、イスラエル国外へ逃亡したハマス残党が、反イスラエル感情を煽る可能性もある。同じ懸念がネタニヤフ氏に在れば、「ハマスは一人残らず、、。」と、彼は思っているだろう。
2025年1月19日:ネタニヤフ政権は17日、ガザ停戦協定を閣議承認したが、ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相は18日、パレスチナ・ガザ地区でいつでも戦闘を再開する用意があり、米国の支持も得ていると主張した。停戦は1月19日の現地時間午前8時30分に発効。これは停戦の第1段階であり、42日間続く予定だ。
パレスチナ自治区・ガザ地区 the Palestinian autonomous territory of Gaza のイスラム組織ハマスが停戦と捕虜交換で合意することを調停者に伝えた。現地メディアが2025年1月15日午後に報じた。イスラエルはまだ回答していない。写真は、2025年11月15日/パレスチナ自治区、ヨルダン川西岸地区West Bank、ガザ停戦合意を歓迎する人々(AP通信)
カタールの衛星テレビ局アルジャジーラは情報筋の話しとして、「双方は間もなく停戦協定を結ぶ見通し」と伝えている。それによる、イスラエル軍は停戦の第一段階として、
▽ガザ境界の700メートル地点まで撤退する。
▽イスラエルは終身刑250人を含む約2000人のパレスチナ人受刑者を釈放する。
▽ハマスは33人のイスラエル人捕虜を解放する。
▽イスラエルはガザ地区内で負傷した人々が治療を受けるために移動することを許可する。
▽イスラエルは停戦開始から7日後にガザ南部とエジプトを結ぶラファ国境検問所を開放する。
▽イスラエル軍はガザとエジプトの境界フィラデルフィ回廊から撤退を開始し、後の段階で完全に撤退する。
仲介のカタール政府も15日午後、両陣営が「停戦」で合意したと明らかにした。カタール政府の声明の要点は以下の通り。
▽カタール、エジプト、米国による停戦合意への努力が実を結んだ。
▽カタールとエジプトは合意の履行を確実にするために努力する。
▽停戦は1月19日(日)に発効する。
▽ハマス側はパレスチナ人捕虜と引き換えに、この合意の第一段階で33人のイスラエル人捕虜を解放することに合意した。
▽停戦の第一段階は42日間続く。
米ホワイトハウスとトランプ(Donald Trump)次期大統領も声明を出し、合意を歓迎した。ガザ紛争におけるパレスチナ側の死者は15日午前の時点で4万6707人、負傷者は11万265人となっている。
シリア暫定政権 Syria’s new de facto governmentの情報機関が首都ダマスカス郊外のシーア派宗教施設a Shiite shrine in the Damascus suburb of Sayyida Zeinabでテロ攻撃を企てたとして、4人の男を逮捕した。国営シリア・アラブ通信(SANA)が2025年1月11日に報じた。4人はイスラム国(ISIS,IS)に忠誠を誓い、スンニ派の極端な解釈を支持し、異教徒infidelsとみなすシーア派教徒を殺害するため、施設襲撃を計画したとみられる。
ダマスカスでは2023年、シーア派の宗教行事アシュラthe Shiite holy day of Ashouraの前日に爆発物を仕掛けたオートバイが爆発し、少なくとも6人が死亡、数十人が負傷するテロ攻撃が発生した。英文記事
アサド(Bashar Assad)前大統領は先月、タハリール・アルシャーム機構(HTS)率いる反体制派による電光石火の攻勢に対応できず、ロシアに逃亡。これにより、アサド氏と父の故ハフェズ・アサド(ハーフィズ・アサド:Hafez Assad)元大統領が1971年から2024年12月8日まで53年間シリアを統治したアサド一族の独裁に終止符が打たれた。国務省は2022年基準、アサド一家の財産が少なくとも120億ドル(現在の換算で約1兆9000億円)に達すると推定し、英紙フィナンシャル・タイムズは、アサド政権が2018~19年だけで2億5千万ドル(約395億円)にのぼる現金をモスクワに移したことが把握されたと伝えた。このほかにも、スイスのクレディ・スイス銀行に開設した口座や、租税回避地であるカリブ海のケイマン諸島にもHSBC銀行口座を通じて莫大な金を隠したとされる。参照記事
暫定政権は周辺国や西側諸国と積極的に会談し、内戦を終結させる取り組みを推進している。アサド派と反体制派の戦いは事実上終結したが、ISISを含むイスラム過激派との戦いは終わっていない。アサド氏はロシア、イラン、レバノンのヒズボラ、イランが支援するイラクのシーア派民兵と同盟を結び、過激派を取り締まっていた。参照記事 過去ブログ:2024年12月シリア北部でトルコ支援SNAとクルド民兵SDF戦闘再開:12月シリア各地に集団墓地、数十万人埋葬とアサドの市民虐殺:12月エルドアン氏、米国へシリアのクルド人組織への支援停止求める:
米国はレバノンの国家機関を支援することでヒズボラHezbollahの影響力を抑制する政策を取ってきた。今回の決定は、これまでレバノンを支配してきた、政治結社で武装組織である親イラン組織ヒズボラがイスラエルとの紛争で弱体化したことを示している。アウン氏は就任宣誓で、「我が国の歴史における新たな局面が今日始まる」と語った。
一方、ガザのハマスHamasを支援するヒズボラは2024年9月末のイスラエル軍による空爆で首長のナスララ(Hassan Nasrallah)師を失うなど、ひどく弱体化した。イスラエルとヒズボラの停戦協定は11月27日に発効。イスラエルは60日間以内にレバノン南部から軍を撤退させ、それ以降は正規軍と国連レバノン暫定軍(UNIFIL)が警備に当たる予定だ。左図の色の濃い地域が、ヒズボラが実効支配してきたと言われ、レバノン国軍も手出しできない状態が続いていた。過去ブログ:2024年8月レバノンのヒズボラ指導部は壊滅か、、。ハマスは集団指導体制に:
イスラエル軍は2025年1月7日、パレスチナ・ガザ地区への空爆を継続し、少なくとも49人が死亡、数十人が負傷し、各地で行方不明者の捜索が続いている。ガザ当局が明らかにし、中東のメディア・アルジャジーラは当局者の話しとして、「7日未明からの空爆で49人の死亡を確認し、大勢が倒壊した建物の下敷きなっている」と報じた。イスラエルとイスラム組織ハマスによる間接交渉は前進しているように見えるが、トランプ(Donald Trump)次期米大統領は7日、トゥルース・ソーシャルに声明を投稿し、1月20日の就任式までにイスラエルの捕虜が解放されなければ、「地獄が始まる」と警告した。参照記事
パキスタン南西部バルチスタン州トゥルバット市Turbatで道路脇に仕掛けられたIED(即席爆発装置)が爆発し、1人が死亡、35人が負傷した。警察が2025年1月4日、明らかにした。それによると、負傷した35人のうち8人が重体。死傷者のほとんどが陸軍兵士とのこと。
事件時の映像で見ると、軍のバス車列を狙った自爆テロで、反政府勢力「バルチスタン解放軍(BLA:Balochistan Liberation Army)」から犯行声明がでている。「中パ経済回廊(CPEC)」は、中国主導の巨大経済圏構想「一帯一路」の一環として、中国とパキスタンで進められている大規模インフラ整備事業。中国西部の新疆ウイグル自治区カシュガルからカラコルム・ハイウエーを通り、パキスタン南西部グワダル港を結ぶ約3000キロの沿線で、道路や発電所などを整備している:参照記事。これまでの幾度も、中国人労働者がBLAの攻撃を受け死傷者も出ている。
バルチスタン州province of Baluchistanはアフガニスタンと国境を接し、四半世紀ほど前から政府と分離主義勢力による紛争が続いている。BLAなどの反乱軍は州の資源を分配するよう中央政府に要求。その後、独立を求めて反乱を起こした。バロチスタン州は長期にわたる反乱の舞台となっており、いくつかの分離主義者武装グループが活動している。シンクタンク「パキスタン平和研究所(Pakistan Institute for Peace Studies)」は先月、BLAが同国最大の武装勢力TTP(パキスタンのタリバン運動)に匹敵する規模に成長し、安全保障を脅かす大きな脅威になっていると指摘した。過去ブログ:2024年11月パキスタンの反中、分離派勢力がクエッタ駅で自爆テロ24人死亡:
アフガニスタンAfghanistanのタリバン暫定政権Talibanは2024年12月29日、女性を雇用している国内外すべてのNGOの活動を禁じると発表した。タリバンは2年前、国内で活動するNGOに対し、ヒジャブ(イスラム教のヴェール)を着用しない女性の雇用を禁じた。政府は29日夜、X(旧ツイッター)に声明を投稿し、「今回の命令に従わない場合、そのNGOはライセンスを失うことになる」と警告した。また政府はタリバンの支配下にない地域での女性の活動も禁じるとした。
2001年に崩壊した旧タリバン政権はブルカ(全身を覆うイスラム教のヴェール)の着用を義務付け、違反した女性をムチ打ちに処したり、その場で処刑することすらあった。現在のタリバン暫定政権もそれに近い制限を女性に科している。
国連安全保障理事会は今月初め、NGOによる救援活動が不可欠であるにもかかわらず、タリバンは女性が働いているという理由でそれを妨害していると非難した。国連によると、最近NGOの女性または男性スタッフが勧善懲悪省の役人に止められたと報告する人道支援団体の割合が増えていたという。
、、、カブール侵攻の主力だった原理主義、復古主義の武装組織ハッカニ・ネットワークHaqqani network(HQN)の権勢がタリバン内で強まりつつあるのか、アフガンは完全に時代に逆行し続けている。女性には就業も教育を受ける権利も無い。過去ブログ:2024年11月アフガンでケシ栽培禁止の中、 2024年は増加傾向 国連薬物犯罪事務所:10月「イスラムの価値観に反する」とタリバン暫定政権、400冊の書物を発禁処分:9月国連でアフガンの人権問題違反で法的手続き開始か?とケシ栽培:
米政府の支援を受けるクルド人自治区の民兵組織「シリア民主軍(SDF)」は2024年12月24日、シリア北部のトルコ国境付近の領土を奪還するため、トルコが支援するシリア国民軍(SNA)に対する反攻を開始したと明らかにした。
SDFは米の支援を受け、シリアにおけるイスラム国(ISIS)との戦いで主導的な役割を果たしてきた。その先頭に立つのはクルド人民防衛部隊(YPG)で、トルコはこれをテロ組織に指定しているクルド労働者党(PKK)の同盟組織とみなしている。
今月初めに旧アサド政権が崩壊して以来、両陣営はトルコ国境付近の要衝マンビジとその周辺で衝突してきた。SNAは先週、SDFからマンビジ(Manbij;マンビジュ)を奪取。その後、米国の仲介により停戦協定が発効した。SDFはこの協定が期限切れを迎えたとして、SNAへの反撃を開始。現地メディアによると、協定発効後も各地で散発的な戦闘が確認されていたという。参照記事 過去ブログ:2024年12月エルドアン氏、米国へシリアのクルド人組織への支援停止求める:、、、下の図は過去2019年のブログから、シリア内の主なガス田、油田、パイプラインの分布状況。まだ資源の多くは長い紛争で未開発と言われている。その右図はマンビジの位置の拡大で、シリア北部の東西を結ぶM4ハイウェイが通る交通の要衝にあり、当時はシリア政府軍もトルコ支援民兵の南下に抵抗していた。 過去ブログ:2019年10月トルコの攻撃に対するクルド側の動きとイラン、米国の対応:
2024年12月26日:オスマン帝国時代から続くトルコ人とクルド人の紛争は1980年代に本格化し、数万人が死亡したと考えられている。米政府の支援を受けるクルド人自治区の民兵組織「シリア民主軍(SDF)」は今週、シリア北部のトルコ国境付近の領土を奪還するため、トルコ政府が支援する「シリア国民軍(SNA)」に対する反攻を開始した。
トルコのエルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領は25日、シリアのクルド人自治区で活動するクルド系組織に武器を捨てるよう命じ、応じない場合は「滅ぼす」と警告した。
エルドアン氏は首都アンカラの国会で演説。「シリアのテロリストは武器を捨てるか、滅ぶか、選択することになる」またエルドアン氏は「クルド系組織を根絶やしにする」と強調した。と語った。参照記事 、、、こんなギャングまがいの発言にエルドアンの狂気が垣間見える。其の根はイスラエルのネタニヤフ、ロシアのプーチンと同じく、共存、協議より民族主義、敵視政策を優先し、武力行使を当然としている。21世紀はそんな時代になるのかもしれない。理想主義は侵略を見過ごしたウクライナ戦争で吹き飛んだ、、、。東西冷戦の雪どけに合わせ、まるで世界中で、マンモスや恐竜が生き返ったかのようだ。今世界は余りにも多くの紛争を抱えている。かろうじてまだ地域紛争では在るが、、。参考記事
イスラエル軍が2024年12月22日、パレスチナ・ガザ南部ハンユニスkhan Younisの避難民キャンプを空爆し、少なくとも7人が死亡、数十人が負傷し、多くのテントが焼失した。ガザ当局が明らかにした。イスラエル軍は以前、このキャンプを安全なエリアに指定し、避難を促していた。
また、イスラエル軍は3カ月近くに渡ってガザ北部を包囲し、イスラム組織ハマスの武器庫や施設を空爆。多くの住宅や難民キャンプが瓦礫の山となった。アルジャジーラによると、23日午前、北部ベイトラヒヤBeit Lahiyaのカマル・アドワン病院の建屋にイスラエル軍の砲弾が直撃し、患者など少なくとも20人が負傷したという。
イスラエルのネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相は23日、ガザでの停戦と捕虜解放に向けた協議に進展があったと明らかにしたが、イスラエル軍は同日、ガザ地区南部ハンユニスや北部ベイトラヒヤなどへの攻撃を続けた。ガザ当局によると、イスラエル軍による直近24時間の攻撃で少なくとも50人が死亡、100人以上が負傷し、各地で行方不明者の捜索が続いているという。
ガザ紛争におけるパレスチナ側の死者は23日午後の時点で4万5317人、負傷者は10万7713人となっている。国連はガザ地区で身動きが取れなくなっている200万人以上の市民が厳しい冬に直面していると警告している。参照記事 参照記事 過去ブログ:2024年11月停戦協定も効力無く、イスラエルのレバノン、ガザ地区への空爆続く:、、、クリスマスイブ、今年も我が家の周りの野性たち、キジのオス2羽とメス1羽、キツネ1匹、野ネズミ1匹に、25日はいつもより多めの餌をあげる。なぜか今年は、毎年来ていた30羽のスズメの集団が全く来ない。24日は朝から晴れていたが雪は止まず、20~30cmは積もったようだ。数日続いた寒波は過ぎたのか、24日の夜はー3度で、雪が止んだ夜11時雪かきをした。
2024年12月25日:イスラエル軍が24日、ガザ地区北部ジャバリアjabaliaの避難所や民家を攻撃し、少なくとも6人が死亡、多数の負傷者が出た。それによると、ドローンと戦車部隊の攻撃により複数の建物が全壊し、多くの市民が瓦礫の下敷きになったとみられる。ガザ当局によると、イスラエル軍による過去24時間の空爆・砲撃により、全域で少なくとも21人が死亡、51人が負傷し、多数の行方不明者が出ているという。写真は10月のジャバリア 参照記事
トルコのエルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領は2024年12月20日、シリアの旧アサド政権が崩壊したことを受け、同盟国に対し、シリアのクルド人組織への支援を停止するよう改めて求めた。
エルドアン氏は記者団に対し、「部外者がYPG(クルド人民防衛部隊)を支援する理由はもはやない」と語った。YPGは米政府の支援を受け、シリアにおけるイスラム国(ISIS)との戦いで主導的な役割を果たしてきたクルド人自治区の民兵組織「シリア民主軍(SDF)」の主力部隊である。トルコ政府はYPGをテロ組織に指定している「クルド労働者党(PKK)」の同盟組織とみなし、PKKは長い間トルコ政府と戦い、米国とEUもこれをテロ組織に指定している。下の左図は、領土を持たない最大の民族と言われるクルド人分布。
エルドアン氏はYPGの戦闘員をISISと比較し、「どちらのグループにも未来はない」と述べた。「これからの時代、いかなるテロ組織の存在も容認されず、YPG、ISIS、PKKのようなテロ組織は短期間で粉砕されるだろう...」米政府は現在も約2000人の兵士をシリアに駐留させ、SDFらと共に警戒任務に当たっている。クルド同盟は2014~17年にかけて、米軍の航空支援を受けてISISを一掃する作戦で大きな役割を果たし、現在もその戦闘員を収容所に勾留している。
トルコは長年、NATOの同盟国である米国に対し、SDFへの支援を停止するよう求め、シリア北部のクルド基地に対し、SAA支援も含め何度も越境攻撃を仕掛けてきた。過去ブログ:2024年12月シリア戦況図、最近のまとめと続く戦闘、報復:12月トランプ氏、トルコを「シリア独裁政権の崩壊後押し」と持ち上げる:2023年10月トルコの首都アンカラでPKK関連組織が自爆テロ>報復空爆:2015年7月トルコ、クルド、1920年から今までの流れ:1月コバーネのYPJの活躍とPKK問題 シリア イラク:2007年12月クルド労働者党(PKK)、闘争の23年間 11月平和が遠のいたイラク情勢とクルド人
国連シリア担当特使は2024年12月17日、反体制派による旧アサド政権の崩壊にもかかわらず、シリア内戦はまだ終わっていないと警告した。国連のシリア和平協議を仲介するペデルセン(Geir Pedersen)特使はニューヨークの国連安保理で、同国北部におけるトルコの支援を受ける勢力とクルド系戦闘員との戦闘に言及。「停戦が仲介されるまでのこの2週間、大きな戦闘が起きた」と警告した。
トルコは長年に渡って、旧アサド政権軍(SAA)と敵対する反体制派のひとつであるシリア国民軍(SNA)を支援してきた。SNAはアサド(Bashar Assad)前大統領のロシア逃亡後、米政府の支援を受けるクルド人自治区の民兵組織「シリア民主軍(SDF)」と戦闘を繰り広げた。SDFは米の支援を受け、シリアにおけるイスラム国(IS,ISIS)との戦いで主導的な役割を果たしてきたが、その先頭に立つのはクルド人民防衛部隊(YPG)で、トルコはこれをテロ組織にしている左派クルド労働者党(PKK)の同盟組織とみなしている。SNAは先週、SDFから北部の都市マンビジュManbijを奪取。その後、米国の仲介により停戦協定が発効した。SNA部隊はマンビジュから東に向かったとされる。ユーフラテス川東岸へ追い出すつもりだったのだろう。ペデルセン氏の演説後、米国務省報道官は「シリア北部の停戦が今週末まで延長された」と明らかにした。
アサド氏は先週、タハリール・アルシャーム機構(HTS)率いる反体制派による電光石火の攻勢に対応できず、ロシアに逃亡。これにより、50年にわたるアサド一族の独裁に終止符が打たれた。野党と反体制派が率いる暫定政府は数百の部族や武装勢力が活動するシリアを一つにまとめるという困難なミッションに挑むことになる。数万人規模と言われるHTSは、シリア政府軍の武器弾薬を奪取し、充分な装備を持っているようだ。 参照記事 映像:最近の暫定政権軍とシリア What Syria’s new army might look like:
、、、クルド人自治区でSDF訓練の名目で駐留する米軍は900人規模と確認している。米側から、撤退させるとの発言は出ていない。トルコを交えて日夜協議中で、トルコ、米、クルドYPG,SDF,暫定政権HTS、ヨルダン、イラク、イスラエル、ロシアなどが絡む中で、目先の目標はISのせん滅だろうか?イスラエルはすでに、監視区域を含むゴラン高原全域を占領している。シリアではスンニ派ムスリム(イスラム教徒)が人口の大多数を占めており、残りはイスラム教アラウィ派(シーア派の一派)、ドゥルーズ派、イスマイル派、そしてキリスト教徒に分かれ、国、部族、宗教が複雑に絡んでいる。
シリア旧政権軍SAA、旧政権支持のアラウィー派Alawiteが逃げ込んだシリア西部ラタキアLatakia地域には、暫定政権HTSが治安部隊として乗り込んだとの記事が在り、恐らくアサド政権の重鎮、軍関係者、2011年以降、市民弾圧、虐殺を繰り返してきたアサド元大統領の私兵、民兵組織シャビハShabiha(Shabbiha:Assad’s Paramilitaries):右 に関与した者の洗い出しが行われているのではと想像する。市民からは、復興より報復が先だとの声も出ている。映像:刑務所の監視カメラに残っていた処刑の様子:救出された85歳の老婦人:捕まったアサド政権関係者:
タルトゥースTartus港に借地権をもつロシア(2017年から49年間無料で補給基地で使用)は艦隊を避難させ、空軍基地フメイミンKmeiminからも一部は撤退していると報道されたが、恐らくHTSによる兵器、装備の略奪を警戒しているのだろう。シリア政府軍が持っていたロシア製対空ミサイルも、HTSが手に入れたと言われている。参照記事 映像:イスラエルの空爆でタルトゥースで大爆発: 過去ブログ:2024年12月シリア各地に集団墓地、数十万人埋葬とアサドの市民虐殺:12月エルドアン大統領、反政府軍はダマスカスを目指す>ダマスカス陥落:2012年1月大統領の私兵シャビハの市民狩りの実態 シリア 2011年12月裏で進行する米、Natoの反政府支援 シリア 緊張高まる中近東 シリア孤立>内戦か?
自らの政権の崩壊を受けアサド氏がシリアを後にした2024年12月8日以降も、数多くのシリア人家族たちは自分たちの愛する人々に何が起きたのか依然として答えを得られずにいる。これらの人々はアサド政権の秘密警察によって拘束された。
米非営利団体シリア緊急タスクフォース(SETF)代表によると、首都ダマスカス東郊にある集団墓地では「アサド政権による拷問で死亡した」数十万人の遺体が埋葬された可能性があるという。数年にわたり集団墓地の調査に取り組んできた代表は、アサド氏の失脚を受けてようやく遺体が埋葬されている疑いのある現場を訪れることが出来たと述べ、集団墓地とみられる場所は、ダマスカスから約45キロ離れたクタイファ Qutayfahにある。現地には深さ6~7メートル、幅3~4メートル、長さ50~150メートルの溝が掘られている。現地で墓掘り作業に従事していた人々に話を聞いたところ「2012年から18年までの間、1台当たり150人以上の遺体を積んだトレーラー4台が、2週間に一度の頻度で来ていた」という。合計で数十万人の遺体が運び込まれた計算だ。記録映像:Syrian Mass Graves:
遺体は埋葬しやすいように、ブルドーザーを使って押しつぶすよう情報当局者らが命じていたという。
12月16日には、シリア南部ダルアー県のイズラー Izraa in Daraa governorate, southern Syria北郊にある集団墓地から20人以上の遺体が見つかったとの報道も浮上した。
仏AFP通信の映像には現場を掘り返し、土の中から遺骨を拾い上げる作業員の姿が映っている。国際行方不明者委員会(ICMP)によると、シリアでは約15万人が行方不明となっている。大半はアサド政権や関係機関により拉致、拘束された人々だとされる。CNNはこの数字を独自に検証できていない。SETF代表のムスタファ氏は、シリア各地に少なくとも8カ所の集団墓地が存在するとの認識を表明。各国の専門家にも、実際にシリアを訪れ、遺体の掘り起こしや身元確認を支援するよう強く呼び掛けている。参照記事 、、、アサド政権の残虐性は有名で、父親ハーフィズ・アサド(Hafez Assad)の政権を引き継いだバシャール‣アサドは、シャビハ(シャビア):Shabiha と呼ばれる私兵集団、民兵を使って、反政府的市民を連行し拷問、処刑を繰り返していた。延べにすれば数十万人の市民虐殺があったと言われている。過去ブログ:2012年1月大統領の私兵シャビハの市民狩りの実態 シリア 2011年12月裏で進行する米、Natoの反政府支援 シリア 緊張高まる中近東 シリア孤立>内戦か?
米国のトランプ(Donald Trump)次期大統領は2024年12月16日、NATOの同盟国であるトルコがシリアの旧アサド政権崩壊を後押ししたという考えを示し、旧アサド政権の崩壊を「トルコによる非友好的な乗っ取り」と評した。アサド(Bashar Assad)前大統領は先週、タハリール・アルシャーム機構(HTS)率いる反体制派による電光石火の攻勢に対応できず、ロシアに逃亡。これにより、50年にわたるアサド一族の独裁に終止符が打たれた。
トランプ氏は会見の中で何度もトルコを称賛した。「トルコは非常に賢いと思う。トルコは多くの人命を失うことなくシリアを占領した。私はアサドが虐殺者であると断言する。あいつはとんでもない奴だ...」トルコは長年に渡って、旧アサド政権と敵対する反体制派のひとつであるシリア国民軍(SNA)を支援してきた。SNAは北西部に拠点を置き、HTSとは全く異なる組織で、「自由シリア軍 :Free Syrian Army(FSA)」と表記される場合もある。過去ブログ:2024年12月シリアでロシア軍がイスラム系反政府組織や病院を空爆:写真は、2024年12月13日/トルコ、イスタンブール、シリアの新体制移行を祝う人々(AP通信)旗は、SNA/FSAの物。シリア国旗は二つ星。
米政府も内戦が勃発して以来、過激派IS(ISIS)残存兵掃討を理由に、クルド人自治区の民兵組織「シリア民主軍(SDF)」に支援を提供してきた。SDFは米政府の支援を受け、シリアにおけるイスラム国IS(ISIS)との戦いで主導的な役割を果たしてきた。シリア北東部には現在、約900人の米兵が駐留している。
トランプ氏は前政権時代、この撤退を求めていたが、同盟国の反対を受け、撤退を見送っていた。記者から「撤退を求める方針に変わりはないか?」という質問を受け流し、「トルコがシリアを良い方向に導くだろう」と主張した。またトランプ氏はシリアの未来に「興味がない」と述べ、「誰も知らないし、私はかかわらない」と述べた。参照記事 参照記事 に加筆
、、、ウクライナ戦争で仲介しようと言うトランプ氏にとっては、今はロシアを刺激しない方針か?米国が出来なかったアサド政権崩壊で、トルコを持ち上げるのはバイデン政権への当て付けか?もっとも、今後のシリアのがどうなるかは誰もまだ読める状態では無いだろう。トランプは一番最初に逃げを打ったが、イスラエル、イラン、ロシアの意向がはっきりしない。反政府側は、シリア政府軍への報復で湧き上がる国民のバイアス(bias:偏(かたよ)りや偏見、先入観)をどう治め、隠された国庫財源を奪還するのに当分は忙しいだろう。
その経過で、内部分裂や部族対立の可能性も十分にあるだろうし、逃げたシリア政府軍の一部はイラク領内に居る。イランは経済回復の見通しが無く、国民は貧困にあえぎ、電力不足で停電が続き、余裕はないだろう。イラクは米軍と組んでIS掃討を続けており、他国の事まで手が回らないだろう。
右図のピンク色、クルド人の分布も無視できない。領土を持たないクルド人が、シリア内に領土を求める可能性、資源獲得の対立もあるだろう。問題点が余りにも多く、いづれも複雑だ。参考:シリア内原油。ガス分布:
上の左にシリアの天然ガスや原油採掘場所の分布図を載せたが、近年のウクライナ紛争で欧州各国の天然ガス不足は深刻であり、トルコは、ペルシャ湾の天然ガス大国カタールからのガスを、シリア経由のパイプで自国に引き込み、欧州への安定したガス供給を狙っているとも言われている。過去に実現間際だったプロジェクトだが、シリアに過激派が侵攻し中止になったままだ。カタール政府とトルコ政府は政治と経済の両面で結び付きがある。これを考え合わせると、カタールのガスがトルコに渡る場合、それはすなわちカタールが欧州への販路を得るとともに、トルコが安定した新たな供給先と市場を見出す事になる。シリアの復興に於いて、資源供給、輸出は重要なポイントとなる。シリアは、資源国に囲まれているのだ。
2018年のカタール政府によるガス輸出計画は、イラン=カタール共同の北パールス(ノースフィールド)・ガス田を始点にイラク領内およびシリアのアレッポAleppoを経由してトルコまでパイプラインを渡し、そこから欧州へガスを輸送する、というものだった。ところが当時のアサド氏は、イラン・ロシアへの依存を深めることからこのカタールの提案を蹴ってしまった。参照記事
イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、反政府勢力の戦闘員(ヒズボラHezbollah)の手に武器が渡らないように爆撃作戦を許可したと述べた。イスラエル地上軍も占領下のゴラン高原 Golan Heights(1967年よりイスラエルが実効支配)の奥深くまで移動し、実質的に占領を拡大し、すでに、これまで非武装緩衝地帯:国連監視区域(Demilitarized buffer zone:Zone under UN observation;左図濃い茶色)だった場所をイスラエル軍が占領、10日にはダマスカスから20~25km南西にあるカタナーQatana近郊までイスラエル軍が侵攻したと報道された。国連は、これはイスラエルとシリアの間の1974年の軍事離脱協定への違反であると主張している。これまで、1974年の停戦協定で「非武装緩衝地帯」が設けられ、そこに駐留する「国連兵力引き離し監視隊」を間に挟む形で、イスラエル軍とシリア軍が直接対峙しない状態が続いていた。イスラエルは一時的と言うが、火事場泥棒的行為とも言われている。右は、ゴラン高原の緩衝地帯に陣取るイスラエル軍
一方で、シリアのHTS主流の反政府組織の兵士らからは、イスラエルに侵攻し、ガザ地区を解放するとの声が出ている。パレスチナ人が、同じイスラム教スンニ派であり、同胞を救うと言う感情からだろうが、政治的には、それが新たな紛争を生むのは容易に想像できる。 英文記事 英文記事 参照記事 過去ブログ:2024年12月新政権発足の際のカギはトルコとHTSのレバント解放 イスラエル侵攻:12月エルドアン大統領、反政府軍はダマスカスを目指す>ダマスカス陥落:11月続くイスラエルの空爆に、ヒズボラは徹底抗戦;
、、、、今見えている事を並べただけでも混乱状態のシリアで、今後新たな紛争が起きるだろうと想像されるが、他にも、シリア内に残存する過激派ISの動向や、北部の米国が支援するクルド人勢力SDFの今後の出方など、多くの未知数の懸念材料が在る。
一説には、アサド政権の弱体化は原油収入の減少が原因とも言われ、大きな油田を保有するクルド人支配地域と新政権との間で領土問題の起きる可能性もあるだろう。
また、シリアの混乱が、ヨルダン、イラク、イラン、レバノン、トルコを更に不安定化させるだろうとの憶測も出ている。また、市民虐殺の首謀者アサドの亡命を受け入れたロシアの対応が、今後世界から非難されるだろう。 2025年はさらに混乱の年になるのだろうか?参考映像記事:72種類の拷問 10万人が“行方不明” シリア「絶滅収容所」の生存者を独自取材:アサド政権崩壊でシリアの刑務所の実態が明らかに…:ジャウラニ氏率いるシリアの"懸念" アサド政権崩壊で変わる「世界地図」:刑務所での捜索:
、、、刑務所では、2011年から2021年にかけて、104000人以上が殺害、または死亡したと言われている。政権崩壊でいろんな事実が浮上しているが、アサド政権が資金稼ぎに大量のフェンタニル系の麻薬薬物を製造していた事実も浮上している:映像 映像記事 映像記事。製造所はシリア国内に多く点在し、アサド政権がこれで国家財政を補てんしていたのは以前から言われており、それがレバノンのヒズボラを経由して、麻薬組織の巣窟であるレバノンから世界中へ密輸されたのだろう。アサドを保護したプーチンは当然知っているだろう。ハマス、ヒズボラの資金源が麻薬密輸なのも知られた事実だ。 映像記事:『中東情勢まとめ』 シリアの首都ダマスカスで大規模な爆発/イスラエル軍の一部、レバノン南部から初めて撤退:
現地2024年12月11日、アフガニスタン・カブールの官庁施設で自爆テロがあり、タリバン暫定政権のハリル・ハッカニ(Afghanistan's minister for refugees Khalil Haqqani)難民相を含む3人が死亡(6人死亡の記事も在る)した。爆発は省内で発生し、ハッカニ氏と警護官少なくとも2人が死亡したという。伝えられるところによると、襲撃者は身体障害者の訪問者に自分自身を偽装し、ハッカニが祈りに出席するために彼のオフィスを出たとき、爆発装置を爆発させたと伝えられている。ニュース映像
ハッカニ氏は、カブール侵攻の主力だった武装組織ハッカニ・ネットワークHaqqani network(HQN)の幹部の1人で、同組織の指導者であるシラジュディン・ハッカニ(Sirajuddin Haqqani)内相の叔父に当たる。ハッカニ氏はタリバンより原理主義、強硬な武闘派であり、2021年の米軍撤退以降、大きな影響力を持つ政府高官のひとりであった。報道官はX(旧ツイッター)に声明を投稿。「ハッカニ氏の死は大きな損失であり、彼は生涯をイスラム教の擁護に費やし、疲れを知らない聖戦士である」と書いた。
犯行声明を出した組織は確認されていない。ハッカニ氏はタリバンが3年前に政権を奪取して以来、爆弾テロで死亡した最初の政府高官で、アフガンではこの政変以来、イスラム国(IS,ISIS)系組織のひとつであるIS-K(Islamic State-Khorasan‣イスラム国ホラサン)によるテロ攻撃が相次いでいる。IS-Kはシーア派教徒や少数民族だけでなく、タリバンも標的にしている。参照記事 英文記事 英文記事
ISは2014年にイラクとシリアの大部分を支配、カリフ制国家の樹立を宣言したが、2017年にイラクで敗北。2019年3月にシリア東部の最後の拠点を失った。カリフ制国家は2019年に壊滅したものの、IS系組織の残党はこの数年、イラク、シリア、アフガンでも活動を活発化させ、多数の死傷者が出ている。過去ブログ:2024年9月イラク、アフガンで今も存在するISの脅威 :2021年9月タリバンのカブール制圧は前政権の予定外の行動が速めた: