
2026年9月6日の報道では、米国による経済・軍事的な圧力が強まる中、イランが世界の原油輸送の要衝であるホルムズ海峡を利用して米国や国際社会に圧力をかける力が弱まりつつある。トランプ政権は原油輸出を封じる制裁や海上封鎖を強化しており、イラン経済は深刻な打撃を受けている。写真:Vessels near the Strait of Hormuz, as seen from Musandam, Oman, August 31, 2026.:と、中東原油輸出の要衝
ホルムズ海峡はペルシャ湾岸の産油国から世界市場へ原油や液化天然ガスを運ぶ要衝で、イランにとっては長年、戦略的な圧力手段となってきた。海峡の通航を妨害すれば世界のエネルギー供給に影響を与え、原油価格を押し上げることができる。しかし現在は、米国の軍事的な監視や封鎖、制裁によって、イラン側がこのカードを自由に使うことが難しくなっている。
特に深刻なのが原油輸出の低迷である。米国はイランの主要な輸出拠点や制裁回避を支える金融ネットワークを狙い、経済的な締め付けを強めている。イランでは外貨へのアクセスが制限され、重要な輸入品の不足も生じるなど、国内経済への圧力が増している。米国は経済的苦境を通じてイラン指導部に譲歩を迫り、交渉へ引き戻すことを狙っている。
一方、イランが圧力に屈した訳でなく、イラン指導部、とりわけ革命防衛隊(IRGC)は、経済的な苦境に耐えながら対米強硬姿勢を維持し、ホルムズ海峡をめぐる緊張そのものを交渉材料として利用し続けるようだ。実際、米国とイランの軍事的な衝突が今も在り、米軍は9月5日にもイランの原油タンカー3隻を攻撃した。
ただ、長期的な経済消耗はイランにも大きな負担となる。海峡をめぐる対立は世界のエネルギー市場にも影響が及ぶ一方、イラン自身も原油収入と外貨を失う。双方が譲歩を避ける中、ホルムズ海峡の通航や輸送に関する妥協案を模索する動きも出ている。
今回の情勢はホルムズ海峡という地理的な「切り札」だけでは、経済力と軍事力を組み合わせた米国の圧力に対抗するのは難しくなっている。今後はイランの経済的苦境がどこまで深刻化するのか、そして米国の圧力が最終的に停戦や外交交渉につながるのかが焦点となる。参照記事
2026年9月9日:米中央軍U.S. Central Command (CENTCOM) forcesは現地8日、イランが過去2日間で2度にわたり米軍艦を標的にしたことへの報復として、米軍が同日、イランのタンカー5隻を攻撃したと発表した。攻撃前に、乗組員には退去を通告したとある。
中央軍は、イランのイスラム革命防衛隊(IRGC)とつながりがあり、オマーン湾 Gulf of Omanに停泊していたイランの石油タンカー4隻と、イラン湾岸の主要油田カーグ島Kharg Island付近のタンカー1隻を標的としたと付け加えた。
イランは報復として、ヨルダンJordanにある米軍基地にミサイルを発射した。これについてヨルダンは、イランのミサイル20発のうち18発を自国の防空システムで撃墜したと発表した。ヨルダン軍の報道官によると、残りの2発は無人地帯に落下した。イラン側は報復として、9日にも米国船舶を攻撃したと主張している。 英文記事 参照記事

