トランプ大統領といえば、エリート層への反発を巧みに利用し、ブルーカラー(ブルーワーカー)層の不満や不安を代弁することで支持を拡大してきた。その米国で今、ホワイトカラーの大量解雇時代が始まりつつある。AIによって多くの仕事が置き換えられると予測される中、人間の手でしか行えないブルーカラー職、しかもエントリーレベルと、高度専門職の隙間を埋める「技術職」の人気が高まりつつある。全米最大の職業訓練校で、アリゾナ州フェニックスに拠点を置くUTI(Universal Technical Institute)の地域責任者、トレーシー・ローレンツさんに話を聞いた。
UTIは多くの高校卒業者や転職希望者に実際的かつ専門的な職業知識を身につけさせることを目的に、1965年に設立された。現在は全米10州に15のキャンパスを展開しており、2026年にはさらに2校、27年にも1校を新たに開設する予定だ。
UTIのような学校が必要とされる背景には、米国が抱える「スキルギャップ」の存在がある。高卒で就職するエントリーレベルの単純労働者、大学や院卒の高度な技術と知識を持つ労働者層との間を埋める「技能労働者」の不足が深刻で、その経済規模は3兆ドル(約460兆円)ともいわれている。
これまでUTIを卒業した学生は26万人以上に上る。そのうち、5人中4人までが希望の職種に就職し、高待遇を得ている。経済の先行きが不透明な中で、今後5~10年くらいはこうした高校卒業者が選ぶ新たな選択肢として技能労働を目指す人が増えると考えられる。
UTIの学費は決して安くはない。プログラムによって差があるが、例えば自動車関連だと最大で年間5万ドル程度になり、これは米国の私立大学の学費に匹敵する。しかしUTIのプログラムは政府による学生ローンの対象校であり、そのほかにも様々な奨学金が用意されている。
さらに大学が一般的に4年であるのに対し、UTIは早ければ1年程度で社会に出るのに十分な技能と知識を身につけることができる。早く社会に出て収入を得ることで、その後の生涯所得や人生設計の幅も広がる。大学を卒業し、多額の学生ローンを抱えながら社会に出て、思うような仕事に就けないリスクを考えると、より多くの高校卒業者にとって魅力的な進学先になる(編集部注・全米学生ローンの残高は、約1兆8000億ドル〈約280兆円〉に上る)。
転職希望者もしかりで、近年はホワイトカラーから技能職への転職を考える人が増えつつある。またUTIでは退役軍人が民間で働くための橋渡しとなるプログラムも持っており、軍の基地内にも実習設備を持つ全米で唯一の学校となっている。よく、「コミュニティーカレッジ(公立の2年制大学で、職業訓練のカリキュラムも持つ)との違いとは何か」と質問されるが、コミュニティーカレッジが一般的な知識の授業にとどまるのに対し、UTIではきめ細やかなキャリアプランや実践的な学習、就職サポートなどを行っている。船舶関連ではヤマハなどの日本企業もパートナーとして実際のエンジンなどを提供してくれている。HVAC(Heating, Ventilation, and Air Conditioning=暖房・換気・空調)の修理、保守、設置ではダイキンも重要なパートナーだ。
一つ付け加えたいこととして、最近は女性が技能職に進出する割合が急速に増えているという点だ。これまで工場などの現場での技能職は男性中心だったが、例えば溶接技術や自動車技術を学ぶ女子学生が増えている。溶接は造船や工場など幅広い職場で今後も需要がある職業であり、オートメーションが進む中でも、人の手が必要とされる分野だ。
UTIでは全米の高校を回ってリクルートを行っており、技能を身につけることの重要性についての理解が広がりつつある。ホワイトカラーからブルーカラー職に転職して給与アップしたというケースも多く、AIやロボティクスによって奪われない仕事への注目は今後も高まるだろう。参照記事 より抜粋
、、、日本では技術系カレッジとして高専があるが、筆者の持論は、公立でUTIのような単科大学、専門校が増えるべきだと思っている。技術系には、就職しても下積み期間が必要になる場合が多く、できるだけ早く人材を企業に届けるべきだと思っている。コンピュータだけ見れば、語学を含め16歳くらいから文科系として専門に学べる場所があってもいいのではないだろうか?また教育界は、社会には、早く働きたい、働かなければならない人も多くいると認識すべきだ。少子化対策のひとつは、10代の早期社会参入と、彼らに貯蓄できる生活を早めに与えることだ。公立で伝統工芸やすし職人、大工専門校があってもよく、誰でもをホワイトカラーに送り込むのを優先する高校の進学教育はおかしいと思う。教育はもっと、個性的で、型破りな人間を作っていくべきだ。画一的な人間の集まりでは、社会は変革しない。 職業選択で、随分遠回りした筆者の経験から、、。

