国連人権理事会U.N. headquarters in New York City, U.Sは先週末、イランで拡大する反政府デモに対する治安当局の「残虐な弾圧」を非難する決議を採択した。同理事会は緊急会合を開き、暴力的な鎮圧に関する調査をさらに拡大し、2022年に設立された既存の国連調査団(独立国際調査団(Fact-Finding Mission)の任務を延長する決議を可決。この調査団は、最近の抗議行動に関連する人権侵害を文書化し、将来の法的措置に備えることが求められている。この決議にはフランス、メキシコ、韓国など25カ国(フランス、韓国、メキシコ、日本、英国、ドイツ、アイスランドなど)が賛成票を投じた一方で、中国やインドなど7カ国( 中国、インド、パキスタン、キューバ、インドネシア、イラク、ベトナム)が反対、14カ国( ブラジル、南アフリカ、カタール、タイ、エジプトなど)が棄権した。
中国・インドは、特定の国を標的とした「国別決議」や調査メカニズムの設置に伝統的に反対する立場をとっていて、インドは、これまでは棄権することが多かったものの、今回は反対票を投じた。これは米国の制裁対象外となっているチャーバハール港プロジェクトDevelopment of Chabahar Portなどの(イランとの)二国間関係、および独自の外交原則に基づくと分析されている。

チャーバハール港チャーバハール港プロジェクトは、中国のパキスタン(グワダルGwadar港)を経由する中東、欧州への経済圏拡大構想「一帯一路」を警戒するインドが、イランのチャー
バハール港開発に大型投資でイランに協力し、直接インド産品をイランに陸揚げし、その後鉄道網の整備で中東、ロシアまでの経済路線を延長する計画である。これには、欧米は賛同の意向を示している。実現すれば、インドには、カスピ海、中東からの資源を陸路と海路で最短距離で得ることも可能になる。実際、チャーバハール港から内陸の対アフガニスタン国境近くの町ザーボルまでの鉄道敷設計画がインドの投資協力で進められようとしていると過去に報道されている。 参照記事
一方、一帯一路はカザフスタン、キルギスタン、ミャンマーなど行く先々で現地住民の強い反対世論に直面している。中国は2015年、パキスタンのグワダル港に162億ドル(約2兆800億円)を投じて南アジアを代表する国際港湾として開発し、43年間直接運用することでパキスタンと合意した。中国政府はこれまで、グワダル港開発を含むCPEC(中パ経済回廊)プロジェクトを一帯一路の模範事業として大々的に宣伝し、大型投資もしてきた。しかし、ある70代の漁民は「グワダル港を開発して経済回廊を建設すれば、地域も発展して仕事も増えると言ったが、結果は海と生計を失っただけというありさま」と語り、沖合で中国の大型底引き網漁船漁船が乱獲をすることで不満が爆発し、漁民は「中国人で出ていけ」と叫び、現地住民数千人が3カ月にわたり抗議デモをする騒ぎになった。中国とすれば、米中衝突で南シナ海が封鎖されても、中東産の原油や天然ガスを引き続き持ってくることができる、戦略的ルートなのだが、現実はうまく進んでいない。過去ブログ:2025年1月パキスタンの分離独立主義BLA、同国最大テロ組織に拡大:2024年11月パキスタンの反中、分離派勢力がクエッタ駅で自爆テロ24人死亡:3月パキスタンでイスラム系分離主義組織?が自爆テロ 中国人5人死亡:2021年7月パキスタンでのバス爆発で中国人技術者9人死亡、テロの可能性?: 2019年5月中国が開発するパキスタンのグワダルでホテル襲撃 2019年1月2018年11月のカラチの中国領事館襲撃にインド情報部関与? 2018年11月カラチの中国領事館が襲撃される 原因は一帯一路? パキスタン:

