シリア政府とクルド人自治区Kurdsの民兵組織「シリア民主軍(SDF)」は2026年1月18日、衝突を終わらせる包括的な合意(抜本的協定:sweeping integration)に達した。この合意はSDFの軍事・民政機構を中央政府の統治下に組み入れる内容であり、事実上シリア北東部の半自治状態を解消する意図を持つものである。今回の合意は、政府軍がクルド管理地域の戦略的拠点や資源豊富な地域を掌握した直後に成立したものである。合意は14項目で構成され、暫定政権のシャラア(Ahmed al-Sharaa)大統領:写真右 とSDFのアブディ(Mazloum Abdi)司令官双方が署名したとされる。
合意内容にはSDFのすべての兵力をシリア国防省および内務省に「個々の隊員」として統合することや、国境検問所、石油・ガス田、イスラム国(IS;ISIS)関連収容施設など重要なインフラの政府への引き渡しが含まれている。SDF側は一部の軍・民政担当者を政府機関に任命できる権利を保持し、北東部ハサカ県Hasakahでは合意に基づき総意で知事を選出することになっている。また、外国出身のPKK(クルド労働者党)関係者の排除も条件として盛り込まれた。
今回の合意はシリア内戦の枠組みを再編する契機となる可能性がある。
SDFは2000年代以降、米の支援を受け、シリアにおけるイスラム国(IS,ISIS)との戦いで主導的な役割を果たし、その先頭に立つのは「クルド人民防衛部隊(YPG)」で、クルド人は北東部で広範な自治を築いてきた。シリア政府との統合は両者の長年の懸案であり、これまで断続的な交渉が続けられていた。昨2025年3月には統合の大枠で合意が成立していたものの、具体的実施を巡って進展がなく、昨年末から今年にかけて衝突が再燃し、シリア政府軍はSDFが支配する主要都市や油田地帯へ進軍し、実効支配を強化していた。
米国のバラック(Tom Barrack)シリア担当特使は今回の合意を「重要な転換点」と評したものの、詳細を詰めるには依然として困難があると述べている。米国は長年SDFをIS,ISISとの戦いのパートナーとして支援してきたが、シリア政府との関係再構築に際して支持のバランスを取る難しい立場に直面している。トルコ政府は今回の合意を歓迎し、シリアの統一と安定に寄与することへの期待を表明した。
一方で、合意発効後も局地的な衝突が報じられており、平和の持続性には懸念が残る。SDFの一部指導者は米国に対してより強い介入を求める声を上げるなど、依然として緊張の火種がくすぶっている。シリア政府による中央集権化とクルド側の自治要求との間の溝が完全に埋まったわけではなく、今後の政治的・軍事的展開が注目される。参照記事 英文記事 映像記事 過去ブログ:2025年12月シリアで新たな過激派による爆破テロ続発と止まない宗派対立:左図は、シリア暫定政権成立以前2025年4月時点の勢力図 参照記事
、、、、元アルカイダ系反政府組織 Hay’at Tahrir al-Sham (HTS)出身のシリア大統領が、北部クルド人組織SDFと統合することで合意し、SDFは今後政府軍傘下に収まる流れだ。一方左翼クルド労働者党が母体の分離主義PKKは排除され、シリアに残存するイスラム国:IS掃討は継続され、すでに壊滅状態といわれている。この流れをトルコは歓迎しているが、PKK:クルド労働者党掃討は継続するのだろう。
いずれにしろ、歴史的進展が行われたのは事実で、20年近く経緯を見てきた筆者にとっても大きな朗報だが、持続できるかは疑問だ。これまでSDFに軍事支援してきたのは米軍なので、米国も了解した今回の合意は補完されるだろうが、シリアには他にも多くの部族民兵が点在し、多くの武器が野放し状態だと思われるからだ。アサド政権の残党もいるだろうし、アサド元大統領はロシアへ亡命している。 過去ブログ:2025年12月シリアでIS残党の攻撃再燃、米軍が報復攻撃開始:3月シリアの残存化学兵器と麻薬製造>クルドSDFが暫定政権に統合:3月トルコの獄中からPKK党首オジャラン氏がクルド人武装組織に対し解散を促す:
コメント
全てお前のせい、だと。救急車呼ばな。


クルド地域にいたアラブの過激派(IS含む)は引き続きゲリラ戦だろう。
まー、ネタはうなっているだろうな。