b61eeb98イスラム国の戦闘員(Getty-Images)-1536x864米国は2025年12月19日、シリア国内の過激派組織「イスラム国(ISIS,IS)」の残党remnantsに対して大規模な報復攻撃を実施した。複数の米当局者が明らかにした。

今回の攻撃は先週12月13日シリア中部パルミラPalmy郊外でISIS関連とみられる襲撃により米兵2人と民間人通訳1人が死亡し、兵士3人が負傷した事件を受けたもので、米軍はISISの拠点やインフラ、武器施設など70を超える標的を空爆したとしている。米軍はISISとの戦闘を2014年の開始以来継続しているが、同組織は領土を失った後も散発的な攻撃を続けていた。右図は、シリア暫定政権誕生前の勢力分布図。

map-hawkeye-strike-20251219-image01米中央軍(CENTCOM)はこの作戦を「オペレーション・ホークアイ・ストライク(Operation Hawkeye Strike)」と名付けた。F15戦闘機やA10攻撃機、アパッチ攻撃ヘリ、高機動ロケット砲システム(ハイマース)などを投入して広範な攻撃を行ったとされる。攻撃にはヨルダンの戦闘機も参加したという。映像:US launches retaliatory strikes on ISIS targets in Syria

シリア外務省は攻撃後の声明で、ISISを領内から一掃する決意を改めて示したと述べた。ISISは、相当前に拠点の在ったイラク‣モスルMosulから撤退しており、現在武装したISISの多くはシリアに集中していると思われる。

そのシリアは昨2024年末のアサド政権崩壊以来、暫定政権が統治している。政府は米国主導の有志連合とISIS排除に関して協力関係を維持し、FireShot Capture 513 - Rebel leader A__先月にはアフメド・アル・シャラア(Ahmed al-Sharaa:アルカイダAl-Qaeda系反政府組織HTSから選出され2025年1月からシリア暫定大統領)大統領がホワイトハウスを訪問するなど、外交面でも関係強化が進んでいた。米軍file-20251112-56-digayvはシリアに約1000人の部隊を展開し、ISISの再興を防ぐための対テロ作戦を継続している。参照記事 参照記事 過去ブログ:2025年1月シリアで今も続くISテロの脅威:2024年12月シリア戦況図、最近のまとめと続く戦闘、報復 アサド(Bashar Assad)前大統領は2024年12月、タハリール・アルシャーム機構(HTS)率いる反体制派による電光石火の攻勢に対応できず、ロシアに逃亡。その際、多額な資産を持ち出したと言われている。

77d044d8シリア新政権の問題は多く、アル・シャラアの権限は北東部では及ばず、そこはクルド人によるクルド人民兵SDFが支配している。また、南部の一部では、もう一つの少数派ドゥルーズ派がイスラエル支援下の別の独立国家を望んでいる。さらに沿岸部では、アサド一族が属するアラウィ派が、3月に受けた虐殺の再発を恐れている。

アル・シャラアは、イラクでアルカイダのために長いこと戦った経歴の持ち主で、イラクで米軍に投獄された後、後に「イスラム国(IS)」となる組織の幹部司令官だった。その後、シリアで自分の権力基盤を築く過程で、アル・シャラアはISやアルカイダの両方と決別し、HTS:タハリール・アルシャーム機構としてその両方と戦った。シリアでは、スンニ派が多数をしめる。しかし、少数だがシーア派クルドもいればドゥルーズもいるし、キリスト教徒もいる。その多くが、アル・シャラアがかつてイスラム聖戦主義者だったことを、なかなか忘れられずにいる。参照記事



nappi11 at 00:01│Comments(0) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

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