コメ券は鈴木憲和農水大臣が就任直後に打ち上げた政策である。農水省の事務方で検討された政策ではなく、同大臣独自の発案のようだ。かれの選挙区は山形県で、同県のJA農協会長はおコメ券を発行するJA全農の会長を兼ねている。同大臣はJA全農会長との親密な関係を公言している。
しかも、額面500円のコメ券では440円分のコメしか買えず、12%に相当する60円は印刷代や流通経費を含め、おコメ券を発行するJA全農や全国米穀販売事業共済協同組合(全米販)のマージンになるという。
高市政権は補正予算案で自治体が自由に使える「重点支援地方交付金」2兆円を計上し、4000億円分をおこめ券などの活用を促す特別枠とした。仮に政府がコメ券の交付に4000億円支出すると、そのうち480億円は発行元に落ちることになる。大臣とJA全農会長の間に、なにかきな臭い関係を感じないだろうか?
それだけではない。コメ券はJA全農による高いコメ価格操作を助けるものだということである。
現在、JA農協は、通常であれば玄米60キログラム当たり1万5000円だった農家への概算金を3万円から3万4000円まで引き上げている。昨年他の集荷業者が農家に高い米価を提示したためJA農協の集荷率が落ちたためというが、それにしても異常である。
これにJA農協はマージンを加えて卸売業者に3万7000円で販売している。26%の減産となった平成のコメ騒動の時ですら2万4000円程度だったことからすれば、史上最高のバブル価格である。この価格で仕入れている卸売業者は、スーパー等に安く販売すると赤字になってしまうので、小売価格も下がらない。それどころか、高止まり、微増である。
他方で、今年産のコメは前年にくらべ63万トン、約1割も増加している。通常なら生産量が増えて米価が下がるはずなのに、むしろ上昇している。なぜ、こうした事態が生じるのか? それは生産が増えても、JA農協によって供給が制限されているからである。コメ供給の大半を占めるJA農協が市場への供給を少なくすれば、高い米価を維持できる。その結果、JA農協の在庫は増える。逆に言うと、JA農協は在庫量を増やすことによって、市場での供給量を制限しているのだ。、、、、コメの値段が上がったのなら、関税の削減による輸入の増加、減反の緩和・廃止による国産米の生産増加などによる価格引き下げで対応すべきである。それをJA農協の利益のために高い米価を維持して、コメ券の発給で消費者を騙そうとした。
今一人年間50キログラムを消費し、4万3000円のコメ代金を払っている消費者にとって、3000円のコメ券は焼け石に水としか言いようがない。昨年コメが不足していないと言い張った農水省のさらなる不手際である。国民全体や消費者を考慮しないで、既得権益だけを考えて行ってきた農政のツケが来ている。それでも農水省は責任を取ろうとしない。被害を受けるのは国民・消費者である。参照記事 より抜粋


安く生産できる大規模農家は、今、ウハウハとか。そろそろ確定申告がやってくる。大規模農家は、決して現状の高値を喜んでいないそうだが・・・ちなみに、高コストでしか作れない小規模農家は圧倒的に人数が多く、票をたくさん持っている。