2025年11月29日未明にウクライナ国防軍がノヴォロシースクNovorossiyskを再度攻撃したことを受け、カザフスタンKazakhstanは石油輸出の代替ルートを緊急に探し始めた。ロシアのメディアとカザフスタン共和国エネルギー省によると、カザフスタンの原油は現在、ロシアのノヴォロシースク港を経由している。同省は、「ノヴォロシースク港海域での異常事態:"extraordinary incident 」のため、輸出量を代替ルートに振り向ける発表を余儀なくされたと述べた。ロシア産原油も、同じ港で積み込まれていると思われ、ロシアは経済的大打撃を受けたと言われている。この攻撃の前の11月25日にウクライナは、Taganrog, Rostov regionの地上基地にいたA-60などの最重要レーザー、レーダー搭載機を無人機で破壊しており、ロシアは防空、空爆の能力をほとんど失ったと言われている。参照記事 参照記事
当局は、無人水上艦艇がカスピ海パイプライン・コンソーシアム(CPC)に属する海洋インフラを攻撃したことを確認した。この攻撃により、SPM-2 一点係留ユニットが無力化され、重大な損傷を受け、完全な修理と復元作業が完了するまで、ユニットはオフラインのままになる。声明は「悪影響を最小限に抑え、主要分野での生産水準を維持するため、同省は輸出量を代替ルートに変更する計画を緊急に発動した」と述べた。
ロシアのメディアによると、カザフスタンの3つの大規模油田(テンギズ、カシャガン、カラチャガナク:Tengiz, Kashagan, and Karachaganak )からの石油は、CPCが所有するパイプラインを通じて輸送されている:左図。
CPC施設を通じた石油輸出総額は2024年に420万トンに達していた。また。カザフスタンの天然ガスは現在、トルコを経由して輸出されている。今後原油も、アゼルバイジャン~トルコ経由で輸出される可能性もある。過去ブログ:2025年8月アゼルバイジャンとアルメニア、トランプ氏仲介で和平に合意とトルコ:
カザフスタンは、ロシアのウクライナ侵攻には否定的だが、中露が主導する経済同盟BRICSの加盟国であり、恐らくこの事で、カザフスタンはロシアの港経由でBRICS加盟国への原油輸出を認可されていたのだろうと筆者は思う。11月29日朝、ウクライナ海軍の無人機がノヴォロシースクのCPC海洋ターミナルの積み込み部隊を攻撃し、完全に無力化したことが判明した。施設は大きな被害を受け、石油の積み込みは停止されている。ウクライナヘは比較的友好的なカザフスタンの経済損失は避けられないが、ウクライナはカザフに事前通告し、ロシアの施設だけを狙ったのではと想像する。
その前日の11月28日夜、黒海のボスポラス海峡Bosporus in the Black Sea. 付近でタンカー2隻が爆発した。ロシアの影の艦隊の一部である船舶「カイロス」と「ヴィラット」Kairos and Virat, part of Russia's shadow fleetが爆発により炎上した。その後、攻撃はウクライナ保安局(SBU)が運用する海軍無人機「シーベイビー」によって行われたことが確認された。参照記事 英文記事 過去ブログ:2025年8月ウクライナ、2000キロ先の石油精油所を無人機攻撃とインド:、、、これまでウイクライナは、主にロシア内陸部の石油施設や黒海艦隊、バルト海に面するロシア施設を攻撃してきたが、地中海に抜ける経済ルートにも攻撃を強化した事で注目すべき事案で、事実上黒海での船舶の航行を管理するトルコが、今の所何の声明を出していないのが気になるところだ。黙認と言う事か?
最近のトルコ(人口の大多数がイスラム教スンニ派)はウクライナ支援を明確にし、ロシアに対しては非難する発言を繰り返すようになってきている。また、ロシアと関係するタンカー,、艦船、物資などの海峡通過に、規制を強化する態度に出ている事は注目すべき点だ。また、米国抜きの、英仏トルコという新たなウクライナ支援体制が始動し、それがロシアの大きな脅威になりつつあるとの解説もある。トルコは陸海空軍を持ち、無人機をウクライナに最初に供与した国である。 映像記事:モスクワの対トルコ港湾ルート消滅 トルコ国境封鎖で船舶が海峡に足止め:米国も驚愕 ウクライナで仏トルコ共闘、ロシアの望みを完全封殺:ロシア内のエネルギー事情は深刻で、すでにガソリンに関しては隣国べラルーシなどからの輸入で、価格も高騰し国民からの不満が高まっている。兵器関係の生産も追いつかず、保有していた戦車の約半分を消耗したと言われながらもプーチンは充分な戦車を保有していると豪語するが、観測筋の見方では、まだ約7000台の戦車があるにしても全てが旧式で、メンテナンスがされてなく、実戦で使用できるのは100台ほどだとの記事も目にした。
多額の費用をかけて定期的にメンテナンスをされていたはずだったが、その費用の多くは軍上層部の懐に収まっていたのが現実で、激怒したプーチンが多くの軍人を刑務所送りにした事実が在る。ロシアの人的損失も多く、本格的な侵攻が始まって以来、ロシア兵の死傷者は約117万1700人と言われる。西側の識者の多くは、プーチンの戦争継続は、時間の問題で行き詰るだろうと述べているのだが、、、。
ロシア軍の不足は兵器だけでは無い。ウクライナ安全保障協力センターのドミトロ・ジマイロ事務局長は、ロシアの経済問題と前線への十分な補給能力の欠如によって兵士の装備品不足が悪化していると指摘した。ウクライナ第2機械化大隊の副司令官は、この現象はここ数カ月で蔓延していると述べた。「ロシア兵でヘルメットを着用していたのは、過去20グループのうち4グループだけだった」と同氏は強調した。複数の報道によると、ロシア軍司令部は命令に従わなかった場合の罰として「防護服の無支給」を利用する可能性があり、専門家らは、一部の兵士は事実上「死ぬために」戦場に送られ、倒れた戦友から武器を回収することを強いられていると述べている。ウクライナ戦闘員らの報告によると、ロシア人は弾薬を届けるためだけに前線に送られることがあるという。映像 部隊はこれらの兵士を「ラクダ」と呼び、ほとんどが任務を完了する前に死亡する。参照記事

激戦の続いたウクライナ東部ポクロフスク地区Pokrovskは、ロシア側が大損失を出しながら数万人の兵士を投入した結果、2025年11月25日の戦況図では、4か月以上の激しい攻防の末、ロシア軍が、ほぼ全地区を制圧したようだ。地図の赤い部分がロシア軍。この図で
は、ウクライナ軍約2000人は、MYRNOHRADでロシア軍に包囲されているようだ。 参考映像 最新の記事では、ウクライナ軍は11月28日から大攻勢を仕掛け、29日にかけてポクロフスクでもロシア軍に大打撃を与え、一部では、ポクロフスクでウクライナが大勝利を挙げたとの報告もあり、11月30日時点での戦況図では左の様になっている。ウクライナ軍は、ミルノフラドMyrnohradの包囲からは脱出したようだ。参照記事 現地は初冬で悪天候が続いており、以前からこの地域で陣地を持つウクライナ軍が多少有利かもしれない。戦況映像:Costly trap for Russian units in Pokrovsk direction::

