ウクライナの裁判所は2025年11月6日、ウクライナ兵の捕虜を殺害した罪に問われたロシア兵の被告に終身刑を言い渡した。ウクライナの捕虜殺害で刑が宣告されたのは初めてとされる。
ドミトリー・クラショフDmitry Kurashov被告(27):右は、2024年に、投降したウクライナのベテラン兵ヴィタリイ・ホドニウク氏(41)Vitalii Hodniuk, a veteran 41-year-old Ukrainian soldier を射殺した罪で有罪とされた。Dmitry Kurashov has been sentenced to life in jail
数カ月にわたった裁判では、2024年1月6日の朝にクラショフ被告の部隊が、ウクライナ南部ザポリッジャ州 region of Zaporizhzhiaの同国軍陣地を襲撃した経緯が明らかにされた。検察は被告について、ホドニウク氏が武器を持たずに塹壕(ざんごう)からはい出て投降したにもかかわらず、至近距離から自動小銃AK-47で数発撃ち、戦争法に違反したと主張した。
被告がいたロシア部隊はのちに、ウクライナ軍に制圧され、捕虜とされた被告は当初、有罪を認めたが、その後に撤回。ホドニウク氏を射殺したのはロシアの衛生兵(のちに死亡)だと主張した。しかし、被告と同じ部隊にいて後に捕らえられたロシア兵3人が、これを否定する証言をした。被告自身は裁判で証言しなかった。裁判を取材した記者らによると、被告の弁護士は、被告が「心から悔いて」おり、上官の命令に従っただけだと信じていると述べた。
被告は今年、BBCの取材に応じ、その時には、ロシアの辺境の刑務所で窃盗の罪で服役していたが、早期釈放と引き換えに、ロシア軍の突撃部隊ストームV:Storm V assault unit に参加したと話していた。ロシア軍関係者は囚人らに対し、軍に入隊してウクライナに行けば刑期は免除されると言っていたという。
ウクライナ国防省情報総局(HUR)は2025年5月、ロシアが2022年にウクライナへの全面侵攻を開始して以来、戦場でのロシア兵による捕虜の処刑を150件以上記録していると発表し、ロシア軍による捕虜の処刑は広い地域で行われているとし、「方針となっていることは明らかだ」とBBCに話した。ウクライナ軍もロシア兵捕虜を処刑したと非難されているが、その件数ははるかに少ない。参照記事 また、当ブログでは、過去に、この種の裁判を記録している。 過去ブログ:2022年5月ロシアの戦争犯罪の一つがウクライナで裁かれた:
2023年9月から開始されたロシア軍の「ストームV」部隊は受刑者で構成され、受刑者兵士には条件付き早期釈放が認められ、通常の契約兵士と同等の給与(about 200,000 rubles ($2,240) a month :月額約20万ルーブル= 約35万4,416円)が支給されるとなったが、装備も訓練も不足で任務は過酷で生還率が低く、自殺部隊と呼ばれたとの記事もあり、軍はこの部隊に充分な兵器も与えず、敵位置を知るために敢えて最前線に送り込んだと言われている。 参照記事

