
世界保健機関(WHO)は2025年10月29日、スーダン西部の北ダルフール州エルファーシル(Al-Fashir, Al Fāshir, El Fāsher)の病院で、患者と付添人合わせて460人以上が銃殺されたとの報告に、「衝撃を受け、深く憤っている」と表明した。エルファーシルは26日、約1年半に及んだ包囲の末に陥落し、今回虐殺を実行したと思われる準軍事組織「即応支援部隊(RSF: Rapid
Support Forces)本来政府管理下の民兵組織「ジャンジャウィード:Janjaweed」の兵士で構成されていたといわれ、現在はスーダン国軍と交戦している)によるダルフール地域:Darfur, western Sudan:左図緑色 の支配を決定づけるものとなり、民族的動機による暴力への懸念が高まっている。
RSFは、長年ダルフールの分離独立を求め、イスラム教徒(アラブ人)を主体とする為、イスラム過激組織とも分類される。別記事では、RSFは最近三日間で、約1500人を殺害したとの証言が報告されている。記録映像:スーダンで何が起きている?:WHOは医療機関への攻撃を記録・検証するものの、責任の所在を特定することはないが、WHOのテドロス・アダノム・ゲブレイェスス事務局長は、エルファーシルの産院で460人以上が殺害されたとの報告に「衝撃を受け、深く憤っている」とし、「医療へのあらゆる攻撃は、即時かつ無条件に停止されなければならない」と述べて停戦を呼びかけるとともに、患者や医療従事者、医療施設の保護を求めた。
WHOによると、この産院は市内で唯一部分的に機能していた病院で、病院では26日に「ここ一月で4度目の攻撃」を受けて看護師11人が死亡し、医療従事者3人が負傷。さらに28日には医師4人、看護師1人、薬剤師1人の計6人が拉致された。WHOは、この新たな悲劇は「エルファーシルで急速に悪化する危機の中で起きており、暴力の激化、飢餓と疾病の蔓延により、子どもを含む民間人が命を落とし、もともと脆弱だった医療体制が崩壊しつつある」と警告している。参照記事 過去ブログ:2024年8月スーダン・ダルフールで数十万人が餓死寸前:5月アフリカ東部の“アフリカの角”各国で状況悪化::2019年7月やはり始まった、スーダンでの民主化デモへの実弾発砲:6月常に殺戮がつきまとうスーダン情勢 100人以上が殺害される:
RSFはこの1年間、ダルフールの中で唯一支配下にないエルファーシルへの攻撃を続けてきた。エルファーシルは首都ハルツームの南西800キロに位置し、ダルフールにおける軍政の最後の主要拠点になっていた。RSFは24年5月からエルファーシルを包囲し、RSFは今夏に樹立した新政府「スーダン建国同盟指導評議会(TASIS)」の拠点をエルファーシルと主張している。参照記事


先が見えないという意味では南スーダンも同じ。周辺国もか・・・国の統治には興味がなく、一族郎党の繁栄のみ。