
ベーアボック氏は、米国が交渉の仲介役を担おうとしていることを肯定的に評価し、なぜなら交渉は常に重要であり肯定的だからだと発言した。しかし、同氏は、「同時に自分を騙してはいけないし、何よりロシアに資力(穀物?)を奪わせてはならない。停戦が毎回毎回、譲歩と新たな要求と結びつけられるのであれば、それは対話の状況ではない」と発言し、ウクライナへの大規模攻撃が続いていることは、プーチンが「戦場における事実を創出」しようとしていることを示していると強調した。、、、、(筆者:ベーアボック外相は、プーチンは、停戦への流れより、攻撃を優先していると言いたいのだろう。筆者は、プーチンが、とりあえず停戦に気の在るフリをするのも、単に時間稼ぎと見ている。)
ベーアボック氏は加えて、「特に、黒海とウクライナの穀物に関しては、プーチンは世界で最も貧しい人々には一切の関心を示すことがなく、他方で、世界の最も貧しい人々の問題と挑戦を繰り返しもてあそんできた」と喚起し、過去3年間、ロシアは、嘘や戦争プロパガンダは言うに問わず、偽りのナラティブ(作り話)もまたたゆまず推し進めてきたと指摘した。
また、「ロシアが言うような、穀物や肥料に対する制裁など存在しないのだ。そのような制裁は過去3年間なかった。ロシアは、世界における穀物と肥料の最大の輸出国の1つであり、それは貿易が完全に可能であることを示している」と強調した上で、国連事務総長が技術的問題の解決手段の模索の努力をしていたが、ロシアは繰り返しその提案を拒否してきたことを指摘した。その上で、「私たちは再び、追加条件なく完全停戦に同意するよう、ウクライナの人々に対する残忍な攻撃を停止するよう要請する」と発言した。(筆者:ロシアへ対する経済制裁が貧困国への穀物輸出の障害にならないように、国連が努力しても、ロシアは其れを無視して来たと取れる。侵略と言う違法行為に対し、実行した側が、その停止に条件を付ける事は不条理だと述べている。実際プーチンは、幾度かロシアへの制裁が穀物輸出の障害だと述べているが、穀物を戦争の道具にしているに他ならない。。参照記事:プーチン大統領「食糧供給の混乱はロシアへの制裁が原因」と主張 :)
しかしクレムリンは、黒海航行安全の合意は、ロシアに対する制限の一部の解除の後にのみ発効すると発表し、欧州連合(EU)のヒッパー報道官は3月26日、EUの対露制裁の解除ないし変更の主要条件の1つは、ウクライナ領からロシア軍を全軍撤退させることだと表明していた。(筆者:これでは話が噛み合わないが、ロシアが意図的に噛み合わないようにしている様に見える。実際に、2022年2月の侵略後、ロシアが一方的に黒海の港を封鎖して、アゾフ海沿岸の一部を占領したため、ウクライナは、国内にある2200万トンの穀物の輸出ができない」と、2022年5月30日の演説でゼレンスキーシが述べていた。
其の後2022年7月に締結された「黒海イニシアティブ(#穀物合意)」は、黒海経由のウクライナ産穀物の輸出に関する協定と、ロシアと国連の間で合意したロシア産食品及び肥料の輸出制限解除に関する覚書の2つから成る。しかし、これを無視して、ロシアは2023年7月20日、黒海での船舶航行制限、封鎖地域の拡大(図の黄色)の強硬策(新措置)を発動した為、実質上ウクライナは自国の港から海上輸出が出来なくなり、一部は地上輸送やルーマニア経由で海上輸出された。どんな角度からこの状況を見ても、違法な行為や要求から撤退すべきは協約を無視したロシアの方だ。)参照記事 、、、どこまでもロシアは正しいの一点張りだから、トランプも呆れ気味の様だが、相手は停戦協議中も無差別な爆弾投下を止めないキチガイだ。其の事さえ責めないトランプに、仲介に乗り出す資格は無いだろう。ドイツ外相の怒りは、米国にも向いているように思う。
ベーアボック外相は、2023年4月14日、北京で中国の秦剛(Qin Gang)外相と会談し「中国はなぜこれまで侵略国であるロシアに停戦を求めなかったのか?」と指摘し、会談後、「侵略者ロシア」に戦争の停止を求めるよう中国に要請した人物でもある。その後ドイツは、企業の中国進出に厳しい審査を行う政策転換をし、中国依存度の縮小へ舵を切った。過去ブログ:2023年7月ドイツが対中戦略と中国市場依存見直しで浮上する日本:2022年10月ドイツが示した中露との今後の付き合い方と遅きに失した反省:過去ブログ:2025年3月日中韓外相会談、「未来志向の協力確認」 いつまでも続く確認作業、、、:2023年9月日本のサイバー対策と先に対策すべき事:9月空しくなる国内友好議員連盟トップの顔ぶれ:2022年6月岸田政権のダブルスタンダード:2022年2月「全日本華僑華人中国平和統一促進会」の正体は?:
今後ドイツは、金だけ出せば良い、と言われる国になるかも・・・