イギリス国防省はロシアがウクライナへの軍事侵攻を開始して以降、ロシア軍の死者が20万人から25万人にのぼったとする分析を発表した。イギリス国防省は2025年3月20日、SNSに2022年2月にロシアがウクライナへの軍事侵攻を始めて以降、ロシア軍の死傷者はおよそ90万人にのぼったと投稿した。このうち死者は20万人から25万人と分析していて、第2次世界大戦以降、最大の損失だとしている。
そのうえで、「ロシアのプーチン大統領と軍の指導部は、国民やエリート層の戦争への支持に悪影響を与えず、兵士の損失を補うことができるかぎり、高い死傷率を容認するつもりでいることはほぼ確実だ」と分析し、また、プーチン政権は比較的貧しい地域出身の少数民族の命をあまり重視していないため、軍への勧誘活動はこうした地域に集中しており、首都モスクワなどの都市部のスラブ系ロシア人で軍に入る人は非常に少ないと指摘している。参照記事
、、、、、過去のスターリングラード(現ヴォルゴグラード、ボルゴグラード:Volgograd)の攻防Battle of Stalingradで有名な1941年から1945年にかけての独ソ戦 German-Soviet Warでは、ソ連兵が1,470万人、ドイツ兵が390万人の死者とも、
双方の死者合わせて4000万人(その多くが病死、餓死、凍死)とも言われるから、プーチンにとってウクライナ侵略は軽微な損害なのかもしれない。しかし、この英国防省の数字にしても控えめかもしれない。一部で、ロシアの戦死者40万人との推測もされている。
一方、2022年2月の侵略開始以降、3年間のウクライナ軍兵士は4万6000人以上死亡し、38万人が負傷、数万人の行方不明があると国連から報告されている。回収されていない遺体も多いと思われ、実際、クルスクの最近の攻防では、ウクライナ軍は相当な死傷者を出しているようだ。 参照記事 参照記事 。 過去ブログ:2024年11月1942年11月23日、独軍がスターリングラードで包囲された、とウクライナ戦争:参考:【演説全文】プーチン大統領 第2次大戦の激戦地で何を語った?:
小国にとって、1万人の戦死も大打撃であるから、戦死者で戦争を語るのはなるべく避けたいが、その悲惨さを知る的確な数値でもある。特に2025年2月24日の記事で、ウクライナの民間人の死者数はこれまでに1万2600人超に上り、このうち子供の死者は670人以上だという国連報告は、ロシアの戦争犯罪の目的が、プーチンの言う祖国防衛などでは無いことを示している。
防衛なら、国境を守ればいいだけの事で、侵攻して民間人を虐殺する道理は成り立たない。明らかにウクライナ全土の掌握が狙いだ。この事でオブザーバー(観察者や傍聴者)に徹する国連を無力だと責めても解決には至らない。しかし、加盟国は、過去の戦勝国有利な今の国連の在り方を、真摯(しんし)に協議すべきだろう。そして世界は、この戦争で、誰が、どんな間違いを犯し、犯したのか明確に知るべきだろう。
日本の役割は法の支配と多国間主義、既存の国際機関を支持し、それらが損なわれないよう、その改革を支援し密接に連携する事だと、アメリカの国際政治学者イアン・ブレマー氏は述べている。
また、この戦争では人命の損失以外にも、食料と肥料では世界最大の生産・輸出国である2つの国が戦争になることで国際的サプライチェーンに大きな混乱が発生し、食料と肥料の価格が大幅に上昇したため、途上国がより深刻な飢餓に直面するという影響も出ている。この戦争、ロシアとウクライナの地域紛争では無いのだ。一方欧州に限れば、プーチンの妄想は、弱体化しつつあったNATOを結束させる一方で、NATO各国に直接流入する何百万人もの難民を生み出すという、致命的で、当事国だけでは解決できない厄介な問題をも生み出した。これらの事を無視するトランプは、余りに身勝手と言うしかない。彼の視野の狭さとアメリカンファストでは、国際紛争の仲介など成功する訳がない。
プーチンは世界の舞台において、これまでで最悪の戦略家の1人になったとの指摘がある。思想や妄想にこだわる人間は、一見思慮深くも、精神的に強くも見えるが、時としてそのこだわりは、その人間が行ってきた事や、これか
らする事を正当化するための小道具でしかない場合もある。もちろん、それらの事が正しければ、その人は歓迎され、後日良く評価される。
当然プーチンはそうなる事を願っているだろうが、所詮人間性を欠いたスパイ上がりの戦術家であり、複雑に絡んだ難局を平和的に解決できる戦略家、政治家の器では無かった。過去の二人の妄想家と同じように、、。
そしてプーチンは妄想の実現に、ヒトラーから電撃的侵略を、スターリンから弾圧と粛清、個人崇拝の手法を学んだ、、、と言うのは筆者の妄想だが。 写真は、世界の穀倉地、ウクライナ。 参考:プーチン大統領の判断ミス? 「ロシアは“ならず者国家”に」:2025年3月スターマー英首相、「有志連合」でウクライナ和平を保証と表明:2月元ロシア首相が「トランプ政権は、すでに失敗」と将来予測:1月カラスがワシに噛みついた:1月NATO加盟国内でNATO及びウクライナに対するトランプ政権の先行きに懸念浮上:2024年12月フィンランド地元大衆紙のクリスマスの記事から翻訳と欧州の対露政策:
コメント
アフガンも手を挙げたら乗ったりして。プも、権利欲しけりゃやるよ、みたいなことを言っていた。ほとんど馬鹿にされている。ご本人は気がつかず、原発欲しいと言い出す始末。あーこりゃこりゃ。
お遊びの段階になってきた。大魔神だけで無く、その子分達もやる気が無さそう。
頭が緻密で無いのか、親分がざっくりし過ぎなのか・・・
イスの元最高裁長官が、イスは内戦に近づいている、とおっしゃったと。