新型コロナウイルスの起源について、ドイツ連邦情報局(BND:Bundesnachrichtendienst)が2020年、中国湖北省の武漢ウイルス研究所Wuhan Institute of Virology (WIV) から誤って流出した可能性が高いと分析していたと2025年3月12日、ドイツの2紙が報じた。分析結果は米中央情報局(CIA)に共有されたという。
BNDの分析は当時のメルケルMerkel独首相府に報告されたが、メルケル首相は当時「極秘扱い」とし、公表しなかったとされる。ロイター通信によると、ショルツ(Olaf Scholz)首相は12日の記者会見でこの件を質問されたが、コメントしなかった。
現地からの報道によると、BNDは、武漢ウイルス研究所がウイルスをヒトに感染しやすいように改変する「機能獲得実験」を行っていたと分析。研究所から誤って新型コロナウイルスが流出し、パンデミック(世界的大流行)につながった可能性があるとしている。BNDの分析結果がCIAに共有されたのは昨2024年秋という。
CIAは2025年1月、新型コロナの起源は「自然発生よりも研究関連である可能性が高い」と流出説を支持した一方、この評価の確信度は「低い」と留保を付け、自然界からヒトに広がった可能性も含めて分析を続けるとした。
中国外務省の郭嘉昆(かく・かこん)報道官は2月、武漢ウイルス研究所は「新型コロナウイルスの機能獲得研究を行ったことはなく、その設計にも作成にも流出にも関与していない」と強調。流出説の真実性は「極めて低い」と改めて主張した。
新型コロナ感染症は、中国の武漢市当局が19年12月に「原因不明の肺炎」として公表した事例が最初とされ、その後、世界中に感染が拡大した。参照記事 過去ブログ:2021年8月中国はWHO報告書に圧力を掛け、研究所漏出説を隠ぺい:8月地に落ちた中国の新型コロナに関する信頼性、それでも自画自賛:8月新型コロナの中国研究所発生起源を追い詰めた米国:2月新型コロナ死者50万人超え、WW2、朝鮮、ベトナム戦争死者超す:2021年7月崩れ出した中国のCOVID-19武漢市場起源説と新たな疑惑:、、、WHOがパンデミックを宣言(Pandemic:世界的流行)したのは2020年3月14日。114か国で感染が確認され、4500人が死亡した後のことだった。
WHO事務局長のテドロス(Tedros
Adhanom
Ghebreyesus)氏に至っては、中国政府を信頼し、ウイルスの感染しやすさに関する台湾の警告を無視したとして非難された。WHOのテドロス事務局長は2023年5月5日、スイス・ジュネーブで緊急委員会の会議を終えた後、「新型コロナが『国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態』(PHEIC)でないことを宣言する」と発表し、2020年1月から3年4カ月間にわたり維持してきた緊急事態を解除した。過去ブログ:2023年5月WHOが新型コロナ終息宣言の中、感染者増加の韓国: