

PKK:左派クルド労働者党 の創設メンバーであるアブドラ・オジャラン(Abdullah Ocalan)受刑者は先週、武装解除と組織の解散を求める声明を発表。PKKはこれを受け、一方的に停戦を宣言した。一方、米政府の支援を受けるシリア北部クルド人自治区の民兵組織「シリア民主軍(SDF:Syrian Democratic Forces)」はオカラン氏の停戦要請について、「他のクルド組織には適用されない」としている。
SDFは米の支援を受け、シリアにおけるイスラム国(ISIS)との戦いで主導的な役割を果たし、その先頭に立つのは「クルド人民防衛部隊(YPG)」で、トルコ政府はこれをテロ組織に指定しているPKKの同盟組織とみなしている。しかしトルコ政府は、トルコ、シリア、イラクを問わず、PKKと結びついていると全てのクルド組織は解散しなければならないと述べている。上右図は、クルド人分布、この黄色の地域をクルド人はクルディスタンKurdistanともいう。過去ブログ:2025年3月トルコの獄中からPKK党首オジャラン氏がクルド人武装組織に対し解散を促す:
シリア北西部ラタキア県Latakia近郊でアサド派の武装集団がパトロール隊に待ち伏せ攻撃を仕掛け、少なくとも13人を殺害、民間人にも多数の死傷者が出たと、地元当局が3月6日、明らかにした。
英NGOシリア人権監視団は少なくとも16人の警察官が死亡し、それによると、アサド(Bashar Assad)前大統領を支持する勢力はパトロール隊の車列に待ち伏せ攻撃を仕掛け、民間人も巻き込まれたとみられる。
アサド氏は2024年12月、タハリール・アルシャーム機構(HTS)率いる反体制派に敗れ、ロシアに亡命。50年にわたるアサド一族の独裁に終止符が打たれた。シリア人権監視団はアラウィー派Alawiteの武装集団による犯行と指摘しているが、詳細は不明だ。参照記事 参照記事 過去ブログ:2024年12月シリア戦況図、最近のまとめと続く戦闘、報復:、、、2011年以降、市民弾圧、虐殺を繰り返してきたアサド元大統領の私兵、民兵組織シャビハShabiha(Shabbiha:Assad’s Paramilitaries)、シリア軍残党、アラウィー派( Alawite sect: Nusayri) がシリア新政権に追い詰められてのテロと想像できる。このままではシリアは、これまでと同じく、各地で武力衝突を繰り返し、旧アサド政権のテロも頻発するのでは、、。幸い今のロシア、イランには、それを支援する余裕は無いようだが、、。
シリア暫定政権のシェイバニ(Asaad al-Shaibani)外相は3月5日、アサド前政権が残した化学兵器Assad's chemical weapons legacyを速やかに除去すると誓い、同氏はオランダ・ハーグの化学兵器禁止機関(OPCW)の会合で演説:右、国際社会に支援を訴えた。シリアの外相が同機関を訪問したのは初めて。
2013年に数百人が死亡したサリン事件後、アサド政権下のシリアは米露の取り決めによりOPCWに加盟。1300トンの化学兵器と前駆体を廃棄した。しかし、アサド政権はその後の内戦で化学兵器を使用。国連とOPCWの合同プログラム、OPCWの調査、国連の戦争犯罪調査団の3つの調査によって、神経ガスであるサリンと塩素樽爆弾の使用が確認された。OPCWは一連の化学兵器、有毒ガス a toxic gas使用で数千人が死傷したと結論付けている。、、参照記事 英文記事 過去ブログ:2019年6月北朝鮮が絡んだシリアの原子炉を2007年9月、イスラエルが破壊 :6月EUが北朝鮮への制裁継続を強調と過去のシリアの原子炉:5月大量破壊兵器転用可能な戦略物資、韓国からの違法輸出が急増:
アサド政権には過去に、表向きは原子炉開発を装って、核兵器開発を企んだ疑惑も在り、その時関係した国として北朝鮮、韓国が浮上した。現在、亡命したアサドがロシアに居て、巨額な資金を持っているとされるのが不気味である。ロシアには、暗殺の指南役プーチンが居るからだ。写真は、2025年1月からシリア暫定大統領の反政府組織HTS選出 アハマド・シャラア:Syrian
transitional President Ahmad Al-Sharaa氏(42)
しかし、アサドの資金とは別に、ハマス、ヒズボラの資金源が麻薬密輸なのも知られた事実で、そのオピノイド系合成麻薬フェンタニルfentanylがシリアで大量生産されてレバノンに流れ、世界に拡散していた事実から、資金に窮した反政府組織が麻薬製造に着手する可能性も捨てきれないだろう。 過去ブログ:2025年2月トランプ氏、カナダ向け輸入関税25%実施で貿易戦争か?:2月シリアで続く爆弾テロと暗雲立ち込める世界情勢:1月シリアで今も続くISテロの脅威:2024年12月余りにも多くの勢力が激突するシリアの行方は、、:12月アサドは身内や側近にも伏せてシリアから逃亡と暫定政府:11月カナダで大量の合成麻薬、銃器など押収:
2025年3月8日:ラタキア近郊のアサド(Bashar Assad)前大統領を支持するアラウィー派勢力Bashar al-Assad's Alawite sect, in Latakia,は6日、警察の車列に待ち伏せ攻撃を仕掛け多数が死傷したが、暫定政府を支持する勢力はこれに反発し、ラタキア県Latakiaのいくつかの集落を襲撃。地元当局が現地7日、シリア北西部ラタキア県で暫定政権を支持する民兵とアサド派の武装勢力が衝突し、200人以上が死亡したと報じた。
イギリスのNGOシリア人権監視団は7日、この戦闘が始まって以来、200人以上が殺害されたと明らかにした。それによると、暫定政府軍(治安軍):左 の報復攻撃で一般市民約140人が殺害されたという。暫定政府側の死者数は50人、アサド側は45人が死亡したとされる。シリア人権監視団によると、暫定政府派は6日と7日にラタキア県の少なくとも3集落を襲撃。男性69人を殺害したという。女性に被害はなかったとされるが、詳細は不明だ。右下は、50年に及んだアサド政権崩壊直前の勢力図で、内戦が再燃する可能性がある。過去ブログ:2024年12月エルドアン大統領、反政府軍はダマスカスを目指す>ダマスカス陥落:
シャラア(Ahmed al-Sharaa、通称ジャウラニ)暫定大統領は7日のビデオ声明で、前政権に属する勢力に武器を引き渡すよう呼びかけ、暫定政府に忠誠を誓う勢力には市民への攻撃を避けるよう求めた。ラタキア県近郊にはロシア軍のフメイミン(フメイミム)Khmeimin空軍基地がある。英文記事:Clashes in Syria between government forces and Assad loyalists kill more than 200:英文記事 、、、現在のシリアは、暫定政権下と言えば聞こえはいいが、実際には暫定政府軍が好き勝手にしているようで、虐殺行為、略奪など頻発しているようだ。極悪なアサド政権からの反動と言えばそれまでだが、、。 記事:Syrian security forces execute 125 civilians in battle against Assad loyalists:映像(閲覧注意):New massacre happened in Syria, Syrian rebels against assad soldiers:
2025年3月9日:シリア北西部ラタキア県とその周辺で暫定政権を支持する民兵とアサド派の武装勢力による戦闘が激化し、最近2日間で1000人以上が死亡した。イギリスのNGOシリア人権監視団が8日、明らかにした。犠牲者の内訳は一般市民745人、暫定政府派の民兵と治安部隊が125人、アサド派の武装勢力が145人。参照記事
以下映像は、暫定政府側がラタキアで撮ったもの 夜間の戦闘 平定後のラタキア 市内映像 市民?虐殺 アサド政権兵士の犯行との説明も在る アサド派兵士?を処刑
2025年3月11日:シリア暫定政府は10日、北西部ラタキア県とその周辺における軍事作戦を終了したと発表した。ラタキア県では暫定政府を支持する民兵とアサド派の武装勢力による戦闘が激化し、この1週間で1300人以上が死亡したとされる。シリア内戦の犠牲者は50万~60万人と推定されている。被害の全容は明らかになっておらず、調査が進む目途も立っていない。シリア人権監視団によると、ラタキア県とその周辺地域では電気と水道が使用できない状態。食料品店や学校も軒並み閉鎖されているという。参照記事 写真はラタキアの暫定政府治安軍
2025年3月12日:トルコのエルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領は11日、シリア暫定政府がクルド人自治区の民兵組織「シリア民主軍(SDF)」を国家機関に統合することで合意に達したことを歓迎した。同氏は記者会見で、「この合意が完全に履行されれば、シリアの安全と安定に大きく貢献するだろう」と語った。
SDFは米の支援を受け、シリアにおけるイスラム国(ISIS)との戦いで主導的な役割を果たしてきた。その先頭に立つのは「クルド人民防衛部隊(YPG)」で、トルコ政府はこれをテロ組織に指定している「クルド労働者党(PKK)」の同盟組織とみなしている。SDFは2015年以来、シリア北部のクルド人自治区を支配し、今回の合意では、SDFが管理する領土、空港、石油・ガス田などを中央政府の管理下に置くことを定めている。現時点で、SDFが支配する地域の憲法上の地位、自治権が保持されるかどうかは不明だ。一方、シリア暫定政府は10日、北西部ラタキア県とその周辺における軍事作戦を終了したと発表した。ラタキア県では暫定政府を支持する民兵とアサド派の武装勢力による戦闘が激化し、この1週間で1300人以上が死亡したとされる。参照記事
、、、オスマン帝国時代から続くトルコ人とクルド人の紛争は1984年に本格化し、数万人が死亡したと考えられている。トルコとすれば、PKK復活の脅威が去ったとの判断か?過去ブログ:2025年3月トルコの獄中からPKK党首オジャラン氏がクルド人武装組織に対し解散を促す:シリアからの映像では、暫定政府治安軍は、少数派のアラウィー派(シーア派に分類)、キリスト教住民屋、アサド政権支持者に対し殺害や残虐行為を繰り返しているようだ。個人の信条や生き方に入り込んで、自分たちと違えば異教徒だとして殺してしまうイスラム教徒は、命の大切さすら分からないのか?
コメント
長いな-。内憂外患(ネタ)・・・クルドは、自治権が明確に謳われていないので、もうブー垂れているとか。しばらく我慢せんかい。5年後に選挙、正式憲法制定あり。