2025年2月21に掲載のNHK‣WEB特集「プーチン大統領の思考を知る男が語る“トランプ交渉の危うさ”」より、長文記事の為、抜粋、編集して以下に記録する。それでも長文だが、、。( )内、写真は、筆者が補てんした。 ※インタビューは2月15日に行なわれた。ミハイル・カシヤノフMikhail Kasyanov氏はロシア財務省出身の官僚で、2000年5月にプーチン大統領によって首相に起用され、市場経済改革に取り組んだが、政策をめぐる対立などから2004年2月に解任され、その後は民主化を訴える野党勢力のひとりとして強権化するプーチン政権を厳しく批判してきた。ロシアによるウクライナ侵攻のあとは外国のスパイを意味する「外国の代理人」に指定され、現在はロシア国外に活動の拠点を移し、独自の情報源に基づく分析をしながら言論活動を続けている。(暗殺を避ける為か、どこの国に居るかは記載がない)
“トランプ大統領はプーチンを理解していない”:トランプ大統領はプーチン大統領との間で「非常によい関係を保ってきた」と強調するが、カシヤノフ氏はプーチン大統領のねらいは単にウクライナでの停戦にとどまらず、トランプ大統領が目指す交渉は困難なものになるとの見方を示した。「トランプ大統領は、プーチンとゼレンスキー大統領を交渉のテーブルにつかせ、合意させなければならないと考えています。プーチンの考えはそれとはまったく違います。彼はゼレンスキー大統領と交渉のテーブルについて話し合うつもりはありません。彼はトランプ大統領との交渉のテーブルにつき、世界の運命を決定づけたいと思っています。彼はそのような特別な敬意が払われることを求めています」
「、、、ソビエト時代そうだったように、2つの大国が世界の運命を決めることを彼は望んでいるのです。ウクライナ問題があれば中東問題もあり、核軍縮や核兵器管理など様々な戦略的テーマについて話し合いを続けること。プーチンが求めているのはそういうことで、あらゆる国際的な問題やヨーロッパにおける安全保障の新たな枠組みについて協議したいと思っているのです。ここヨーロッパはプーチンの勢力圏、アメリカやそのほかの地域はトランプ大統領の勢力圏というふうに」「一方、トランプ大統領が望んでいるのはただひとつ、戦闘を止めることだけです。このように(両者は)目指すところが違います。ですからプーチンは直ちに集中的な交渉に乗り出すつもりはありません。私は今後数か月のうちに何らかの合意に達することができるとは思いません」
“すでに交渉のカードを手放してしまった”トランプ政権:プーチン大統領は去年(2024年)6月、ロシアが一方的に併合を宣言したウクライナ東部や南部の4州からのウクライナ軍の撤退や、ウクライナが自国の安全保障のために求めるNATO加盟を断念することを挙げたが、ウクライナは強く反発した。しかしトランプ大統領は、ロ
シアがウクライナのNATO加盟に反対していることで「現実的ではない」とし、一方的に併合した領土の回復についても「可能性は低いように思われる」と述べていた。カシヤノフ氏はこのトランプ政権の出方について、すでに失敗していると指摘した。「トランプ大統領は交渉前から2枚の切り札を彼に与え、ウクライナの領土保全とNATOに加盟しないことについて言及し、(ウクライナ抜きで)首脳会談を(サウジアラビアの首都)リヤドで行うと決め、プーチンが彼(トランプ大統領)をモスクワに招待し、トランプ大統領は彼をアメリカに招待した。これがプーチンが望んでいることなのです。プーチンは(トランプ氏が自分の要求に賛同した事で、2国間でこれ以上)何を譲歩する必要があるでしょうか(後は具体的工程だけだ)」
「彼(プーチン)は戦闘を行なっており、その戦闘を止めてほしいと頼まれている。、、(止める為の条件に)彼ら西側諸国はそれは無理だと言い、これに対し彼(プーチン)は『ならばしかたない、支配地域はロシアがもらえることになった(トランプの同意を得た)し、ウクライナは決してNATOに加盟しないとの約束も取りつけた、(軍は撤退しないが)さて制裁を解除してもらいましょうか。ぜひそうしてください』と言うでしょう」
「しかもトランプ大統領は(ロシアを)G7に戻すとまで言っています。あらゆる交渉が(プーチン大統領にとって)最も有利な立場から始まることになるのです。いまの時点で交渉材料は見当たりません。西側諸国やウクライナはプーチンに何を提示することができるでしょうか。なぜ彼は戦闘を止めなければならないのでしょうか。戦争は続きます。消耗戦です」揺らぐ欧米の結束 ほくそ笑むプーチン大統領:トランプ大統領はアメリカの軍事力に依存するヨーロッパ各国に対し不満を示し、さらに貿易でもアメリカは長年にわたり不当な扱いを受けてきたとし、関税を課す構えを見せています。欧米の結束が揺らぐいまの状況こそ、プーチン大統領が待ち望んでいたものだとカシヤノフ氏は指摘します。
「もちろん彼(プーチン)は常にこうなることを夢見てきました。ヨーロッパを揺さぶるために各国のさまざまな極右や極左の政治勢力を支援し、裏で資金を提供してきました。
、、、いま状況は、当然ながらプーチンが夢見てきたように大西洋をまたぐ結束を崩し、EU内の結束を崩すもののようにみえます」「彼(プーチン)はいま気持ちが高揚していますから、すべては計画どおり、自分の思いどおりにいっていると考えています。状況はそのように進展しています。プーチンの受け止めは非常にシンプルで、西側諸国は弱い、ということです。彼らを出し抜くことができるだろうと」
プーチン政権は盤石? 年末までに状況に変化も:プーチン政権は国防費を去年と比べて25%増額し、日本円で20兆円あまりを投じています。そのカネが軍事産業で働く人や兵士に支払われて社会に循環し、ロシアの経済は加熱しています。今後も戦争を継続するだけのゆとりがあるように見えますが、カシヤノフ氏はロシア経済は欧米の制裁の影響によって不確実さを増し、プーチン大統領が停戦に向けて真剣に交渉しなければならない状況が生まれる可能性があると指摘します。
「2025年2月、3月時点の現在、プーチンは強い。彼には多かれ少なかれバランスの取れた予算があり、そこから軍事費を増やして、強力とまではいかなくとも順調な攻勢を追加動員なしで、つまり国内で社会を動揺させることなしに行うことができています。彼には契約兵たちに報酬を支払い、新たな契約兵を雇うのに十分な資金があります。毎月のように支払額が上がっています。兵器の生産はフル稼働しています。様々な兵器で使う弾薬の生産もフル稼働しています」「、、しかしプーチンはいずれにせよ年末までには合意したいと考えるようになるでしょう。経済状況が悪化するからです。いまの経済成長が未来にもたらすものは何もありません。もたらしているのはきょう生産されあすには破壊される戦車や砲弾です。そしていま、こうした要因(軍需産業への集中投資)による経済成長はもはや続かないという状況になりつつあります。もはや機能しないのです。
2025年の成長率(GDP経済成長率:日本は2024年2.5%、実質成長率0.3%で低迷)が0.5%にしかならないだろうとの予測も出ています。一方でインフレは上昇しています。つまりロシアは高いインフレ率と景気停滞が同時に起こる時期に差しかかっているので、、非常に困難な期間になります」 参考記事「そうなれば、プーチンは公にそれを認めることはありませんが、当然ながら交渉を望むようになるでしょう。ただウクライナは年末まで持ちこたえなければなりません。そのためにはアメリカの支援が止まってはいけません。少なくともウクライナが生き残れるだけの規模は必要です。ウクライナが勝つためとは言いません。生き残るためです。ですから少なくともアメリカやヨーロッパ各国がいまウクライナに対して行っている支援のレベルは維持しなくてはなりません」
“プーチンのロシア”に向き合う欧米:カシヤノフ氏が指摘したのは、ロシアと対じする欧米の覚悟でした。左から仏マクロン大統領・独ショルツ首相・英スターマー首相・EUフォンデアライエン委員長・NATOルッテ事務総長
「、、、停戦合意がどんなものになろうと、プーチンは再びウクライナを攻撃するでしょう。プーチンはもちろん(旧ソビエトの)モルドバも飲み込みます。そしてそのあとで再び彼はすべてを許されるでしょう。完全に野放しの状態になります。NATO加盟国のどこかに何らかの攻撃を仕掛け、集団的安全保障の反応としてNATOがどう出てくるかを見るのです。ですからプーチンのロシアの攻撃性や脅威は減少することなくそのまま残るでしょうし、さらに強まる可能性さえあるということは明らかなのです」 英文記事:Former Russian PM Kasyanov says Trump does not understand Putin's goal‣元ロシアの首相カシャノフは、トランプがプーチンの目標を理解していないと述べる:コメント
2. Posted by 甲東 2025年02月23日 11:16
プが、また次の国を狙っていると。旧来の反体制派ですね。垢抜けた反体制派は出て来ないだろうか・・・


あと1年続くとするときついなー。
ある真面目な政治学者が次の様に言っている。
“(大魔神は)自分から紛争に首を突っ込み、新しいことをやろうとして無理筋の提案をし、それが上手く行かないと苛立つ。まあ、とりあえず気が済むまで苛立っていてくれ。”