パキスタン南西部バルチスタン州トゥルバット市Turbatで道路脇に仕掛けられたIED(即席爆発装置)が爆発し、1人が死亡、35人が負傷した。警察が2025年1月4日、明らかにした。それによると、負傷した35人のうち8人が重体。死傷者のほとんどが陸軍兵士とのこと。
事件時の映像で見ると、軍のバス車列を狙った自爆テロで、反政府勢力「バルチスタン解放軍(BLA:Balochistan Liberation Army)」から犯行声明がでている。「中パ経済回廊(CPEC)」は、中国主導の巨大経済圏構想「一帯一路」の一環として、中国とパキスタンで進められている大規模インフラ整備事業。中国西部の新疆ウイグル自治区カシュガルからカラコルム・ハイウエーを通り、パキスタン南西部グワダル港を結ぶ約3000キロの沿線で、道路や発電所などを整備している:参照記事。これまでの幾度も、中国人労働者がBLAの攻撃を受け死傷者も出ている。
バルチスタン州province of Baluchistanはアフガニスタンと国境を接し、四半世紀ほど前から政府と分離主義勢力による紛争が続いている。BLAなどの反乱軍は州の資源を分配するよう中央政府に要求。その後、独立を求めて反乱を起こした。バロチスタン州は長期にわたる反乱の舞台となっており、いくつかの分離主義者武装グループが活動している。シンクタンク「パキスタン平和研究所(Pakistan Institute for Peace Studies)」は先月、BLAが同国最大の武装勢力TTP(パキスタンのタリバン運動)に匹敵する規模に成長し、安全保障を脅かす大きな脅威になっていると指摘した。過去ブログ:2024年11月パキスタンの反中、分離派勢力がクエッタ駅で自爆テロ24人死亡: