
量子コンピュータ(QC:Quantum Computer)とは従来の電気回路によるデジタルコンピュータが0か1のいずれかの状態だけを持つ「ビット」により情報を扱うのに対し、「量子ビット(キュービット)により、量子状態の重ね合わせにより情報を扱う。従来のコンピュータで解くには複雑すぎる問題を、量子力学の法則を利用して短時間で解くことができる可能性を持つ。例えば、最近話題のGoogleによる量子プロセッサWillowを用いた量子コンピュータは、スパコンが10の24乗年かけて解く複雑な問題を5分ほどで解いた。量子コンピュータの弱点と言われてきたのが環境との相互作用による量子のゆらぎによりキュービット数を増やすほど不安定になりエラーが起きる、という点だが、Willowはこのエラーを減らし量子コンピュータの正確性を打ち出した点が注目されている。

このホットな量子コンピュータ市場の中で頭角を現しつつあるのがフィンランドのIQM社で、IQMは量子コンピュータを開発、販売する企業である。2018年に設立された同社は、ユハ・ヴァルティアイネン

