フィンランドのオルポ(Petteri Orpo)首相は2024年12月25日、バルト海の海底でフィンランドとエストニアを結ぶ電力ケーブルに障害が発生したと明らかにした。オルポ首相はX(旧ツイッター)に声明を投稿。「エストリンク2号ケーブル:Estlink-2 cableの送電が停止し、当局が調査している」と書いた。それによると、国内の電力供給に影響は出ていないという。エストニア側でも停電は発生していない。当局はバルト海の海底インフラに神経をとがらせている。
フィンランドとドイツ間、リトアニアとスウェーデン間の2本のケーブルbetween Finland and Germany, the other between Lithuania and Sweden, は先月11月、海底インターネットケーブルがバルト海の下で破壊、切断され、妨害行為(破壊工作)の恐れがあると報道された:英文記事。
フィンランドのメディアによると、外国船が関与しているかどうかは分からず、電力会社がケーブルの状況を調査しているという。停電の原因も不明。一方、英国紙は、フィンランドとエストニア間の重要な海底送電線とデータケーブルが損傷した後、フィンランド当局は26日、同国とエストニアを結ぶ送電用海底ケーブルを損傷させた疑いで、ロシアの港から出航した南太平洋のクック諸島船籍の石油タンカー「イーグルS」に対し、「重大な破壊工作」の疑いで石油タンカーを捜査していると発表した。警察は、タンカーのいかりがケーブルを損傷した可能性があるとみている。参照記事 写真はポルッカラ半島porkkala peninsula沖26日。手前はフィンランドの国境警備艇。
エストニア公共放送ERRの報告によると、Estlink-2ケーブルは、ケーブルの複雑な配置によって引き起こされた可能性のある短絡による損傷を修復するために、今年の大部分にわたって停止され、技術的なトラブルや他の電力系統の不具合で停電した可能性もある。ロシアからドイツに天然ガスを送っていたノルドストリーム Nord Stream natural gas pipelinesは2022年9月に水中で爆発・破損した。当局が妨害行為(破壊工作:sabotage)とみて捜査している。過去ブログ:2024年3月スウェーデンNATO加盟とNATOの地理的優位:、、、フィンランド、スウェーデンのNATO加盟でバルト海はNATO軍の中庭になったと言われる中、付近の警戒は厳重と思われ、簡単に破壊工作ができるとも思えないが、何をするか読めないのがロシアだ。過去ブログ:2023年10月中国の貨物船が錨で海底ガスパイプ破損?フィンランド沖:6月海底ガスパイプ破壊はウクライナ工作員?米は事前に情報得ていた?:4月北海で活動のロシア船はスパイ船と北欧4カ国調査結果:
2024年12月28日:海中ケーブル破壊はロシア影艦隊の仕業が濃厚との映像記事が出た。タンカーを装った偵察船がケーブルを破損したと言うもので、欧州連合(EU)欧州委員会は26日、ウクライナ侵攻を続けるロシアが欧米に科された制裁を逃れるために使っている「影の船団」が、バルト海での海底ケーブル損傷に関与している疑いがあるとの声明を発表していた。、、、個人的には、速度の遅いタンカーが、破壊後もその海域に居て拿捕されたと言う事に疑問は在るのだが、、、。