次世代太陽電池として注目されている「ペロブスカイト太陽電池(Perovskite Solar Cell:PSC)」について、世界最高クラスの発電効率を達成したと、京都大や英オックスフォード大などの国際研究チームが発表した。実験レベルで「ペロブスカイトタンデム太陽電池:Perovskite Tandem Solar Cell」は従来のシリコン太陽電池の能力を上回り、さらなる向上も期待できるという。論文が2024年12月24日、科学誌ネイチャーに掲載された。重い物を設置できないビルの壁面や倉庫の屋根に取り付けたり、電気自動車(EV)の車体にシールのように貼って充電しながら走らせたりする用途が期待され、量産化に向けた取り組みが進んでいる。 幅広い波長の光を効率良く利用するため、性質の異なるペロブスカイト結晶の層を複数重ねる「タンデム(多接合)型:Tandem type」という手法を採用した。化学的な解析をもとに、高品質な結晶を印刷技術で作れるよう、成分の改良も進め、実験レベルで計測された発電効率は、2層重ねた時で最大29・7%に到達し、シリコンやペロブスカイトの1層構造の性能(24~27%)を上回った。理論上は35%まで改良できるという。参照記事参照記事 過去ブログ:2021年11月ペロブスカイト型太陽電池の実用化と水素製造への応用:、、、日本は製品化で世界の先をいき、企業は量産に於いて多くの特許と実績を積み重ねている。原材料のヨウ素は国内に充分あり、課題は耐用年数だと言われていたが、、。ペロブスカイト太陽電池は、環境・エネルギー分野で久々の日本発の有望な技術シーズseeds(ノウハウ)で、中国の国策による低価格競争で負けた結晶シリコン太陽電池の教訓を生かしつつ、日本企業の主導により健全な形で産業化を成功させてほしいと期待されている。参考:都と東芝、ペロブスカイト太陽電池を室内環境で検証:東芝グループは、フィルム型ペロブスカイト太陽電池の開発で発電効率16.6%を実現し、プラスチック基板上に形成される受光部サイズ400cm2以上のフィルム型モジュールにおいて世界最高水準を達成したという。参照記事