イスラエル軍が2024年11月28日、パレスチナ・ガザ地区全域への空爆を強化し、この24時間で少なくとも42人が死亡、100人以上が負傷し、行方不明者の捜索が続いているとガザ当局が明らかにした。
イスラエルとレバノンの過激派ヒズボラHezbollahの停戦(60日間)は27日の現地時間午前4時に発効。イスラエル軍は28日、ヒズボラが停戦協定ceasefire agreement に違反したため、攻撃したと主張した。死傷者の情報はない。過去ブログ:2024年11月ガザ地区への攻撃が続く中、レバノンで60日の一時停戦発効:、、、、イスラエル軍は今も、レバノン領南部の地域(上図の赤い地域)で、ヒズボラのイスラエル領への越境攻撃を阻止するとの目的で軍事活動を継続している。ニュース映像
この地域(UNIFIL ZONE:BufferZone:緩衝地帯、非武装地帯)には、各国から派遣された国際連合レバノン暫定駐留軍 UNIFIL(国連平和維持軍:UN peacekeepers)が駐留し、其の役割は、イスラエルの防衛線(Blue Line 国連認定暫定国境)の後ろ(北側)にとどまり、地域住民の保護及び人道的支援の提供に限られ、南レバノンからのイスラエル軍部隊の撤退の監視、国際紛争の防止、同地域におけるレバノン政府の権威回復を補助するなどが在る。現在イスラエル地上軍は、その地域にヒズボラが隠れて活動しているとして、同地域にまで踏み込んでいる。
レバノン、イスラエル両政府が受け入れた停戦合意では、イスラエルはレバノン南部に展開する自軍の全部隊を撤退させなければならない。レバノン南部を流れるリタニ川Litani Riverの南のUNIFIL ZONEに展開できる軍はレバノン軍と国連レバノン暫定駐留軍(UNIFIL)のみとなっている。
イスラエル軍はすでに2カ月近くに渡ってガザ北部を包囲し、ハマスの武器庫や施設を空爆。多くの住宅や難民キャンプが瓦礫の山となり、各地で行方不明者の捜索が続いている。
カタールの衛星テレビ局アルジャジーラによると、イスラエル軍の戦車部隊は28日、ガザ北部と南部で多くの建物を砲撃したという。ガザ北部ベイトラヒヤBeit Lahiyaのカマル・アドワン病院付近と民家への2回の空爆では少なくとも6人が死亡。南部ハンユニスではバイクが空爆に巻き込まれ、4人が死亡した。さらにKhan Younisハンユニスの避難民を収容する難民キャンプでも大きな爆発があり、少なくとも5人が死亡したと伝えられている。
中部ヌセイラトNuseiratの難民キャンプはイスラエル軍機の標的となり、多層ビルが崩壊。モスク近くの道路にも爆弾が投下された。アルジャジーラによると、この空爆で少なくとも11人が死亡したという。ヌセイラトのキャンプ北部には戦車が接近、数十世帯が逃げ場を失い、救急車も戦車の砲撃が続いているため、到着できない状態であるとのこと。
イスラエルがガザ地区への攻撃をエスカレートさせる中、国連は28日、200万人以上の避難民がガザ地区に閉じ込められ、危機的な状況に追いやられていると警告した。国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)は声明で、「食料が圧倒的に不足し、有史以来最悪の大飢饉が目の前に迫っている」と嘆いた。ガザ紛争におけるパレスチナ側の死者は28日午後の時点で4万4330人、負傷者は10万4933人となっている。参照記事 英文記事 参照記事