イスラエルとイスラム教シーア派民兵組織ヒズボラは2024年11月27日の現地時間午前4時(日本時間同11時)、レバノンで60日間の一時停戦停戦ceasefireを発効した。米国とフランスが仲介し、イスラエルとレバノンの両政府が合意、イスラエル軍はこれを受け、レバノン南部に夜間外出禁止令を出した。レバノン南部にはレバノンの正規軍が入る予定だ。写真はレバノン側 映像記事
この停戦はイスラエルによるパレスチナ・ガザ地区への攻撃が続く中、発効され、カタールの衛星テレビ局アルジャジーラによると、イスラエル軍は27日にもガザ北部の複数の建物を攻撃したという。死傷者の情報はない。一方、ガザ当局によると、イスラエル軍の27日の空爆・砲撃により、ガザ市で少なくとも12人が死亡、数十人が負傷したという。イスラエル軍は2カ月近くに渡ってガザ北部を包囲し、イスラム組織ハマスの武器庫や施設を空爆。多くの住宅や難民キャンプが瓦礫の山となり、各地で行方不明者の捜索が続いている。
国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)はガザ地区が「冬の雨季」に入り、45万~50万人が洪水や雪による凍傷などのリスクに直面していると警告。紛争の即時終結を訴えている。
ガザ紛争におけるパレスチナ側の死者は27日午前の時点で4万4282人、負傷者は10万4880人となっている。レバノン侵攻におけるレバノン側の死者は27日午前の時点で3823人、負傷者は1万5859人。
国連のグテレス(Antonio Guterres)事務総長は27日、イスラエルとヒズボラの停戦を「希望の光」と評した。同氏は地元のポルトガル・リスボンを訪問した際、メディアの取材に応じ、「停戦に合意した人々が、それを完全に履行することが重要だ」と述べ、レバノン南部UNIFIL ZONE(BufferZone:緩衝地帯、非武装地帯 青い点は暫定軍基地)に駐留する国連レバノン暫定軍(UNIFIL)も停戦を監視する用意があると強調し、ガザでの即時停戦も改めて訴えた。参照記事 英文記事 参照記事 過去ブログ:2024年10月イスラエル軍がUNIFILの観測塔と境界フェンスを故意に破壊:*Blue Lineは、国連による非公式国境ライン。この南側にイスラエル軍が国境警備部隊を配置している。北側レバノン非武装地帯(UNIFILZONE)には50カ国から集まった約1万人の平和維持軍と約800人の民間職員が駐留している。
ところで、レバノン軍とヒズボラの区別がついていない記事が散見される。1日経って、イスとヒズボラが停戦、というタイトルの記事が出てきだした。レバノン軍はどこにいるのか分からない状態だった。イスに情報提供していた可能性すらある。