ロシアが今年2024年3月以降、北朝鮮に石油を100万バレル以上供給しているとみられることが、イギリスに拠点を置く非営利研究団体「オープン・ソース・センター」の人工衛星画像の分析でわかった。オープン・ソース・センターが人工衛星画像を使って追跡した43件の輸送では、すべてにおいて、北朝鮮船籍のタンカーは追跡装置をオフにして動きを隠しながら、ロシアのヴォストチヌイ港 Russia’s Vostochny Portに到着していた。
この石油について、主な専門家らとイギリスのデイヴィッド・ラミー外相UK Foreign Secretary, David Lammyは、北朝鮮がロシアに送った武器と部隊の対価だとBBCに話した。こうした輸送は国連制裁に違反している。国連制裁は少量の場合を除き、北朝鮮に石油を売ることを禁止している。同国の経済を抑圧し、核兵器開発の進展を防ぐのが目的だ。
北朝鮮は世界で唯一、石油を一般市場で買うことを許されていない。北朝鮮が1年間に受け取ることができる精製済みの石油には国連が上限を設定しており、必要量を大きく下回る50万バレルとなっている。
北朝鮮ではほとんどの人が、日常生活を石炭に頼っている。一方で、軍の運営には石油が不可欠だ。国内各地へのミサイル発射装置や兵士の輸送、軍需工場の稼働、平壌のエリートたちの車の燃料に、ディーゼルやガソリンが使われる。北朝鮮が供給を受けられる年50万バレルという量は、現実に消費される年900万バレルに到底及ばない。そのため、上限が設定された2017年以降は、北朝鮮は不足分を補うため、犯罪ネットワークから不正に石油を買わざるを得ない状況にある。
「この着実な石油の流れは、北朝鮮が制裁を科されて以来、手にしたことのない安定をもたらしている」
北朝鮮に対する制裁の追跡を担当している国連委員会の元メンバー4人は、こうした輸送は同国とロシアの関係が深まっていることの現れだとBBCに話した。こうした状況では、海の上で船と船が石油を受け渡すという、リスクが大きく費用と時間のかかる取引が必要になるが、「しかし今や、金正恩は石油を直接手に入れており、おそらく質もいい。それに、武器や弾薬の見返りとして、ただで手に入れている可能性もある。こんなにいい話はない」と、韓国の情報機関とつながりのある国家安全保障戦略研究院の上級研究フェロー、ゴ・ミョンヒュン博士は話す。
これらをもとにした計算では、ロシアは3月以降、北朝鮮に100万バレル以上の石油を供給している。年間の上限の2倍以上で、ロシアが2023年に北朝鮮に公式に供給した量の約10倍だ。左図は、2024年の月別推定量。
これらの石油輸送は、国連安全保障理事会の常任理事国であるロシアが署名した、国連の対北朝鮮制裁への違反にとどまらない。オープン・ソース・センターが追跡した航行の半分以上で、国連が個別に制裁対象にしている船が使われていた。
それらの船は、ロシアの領海に入った時点で押収されるべきだったことになる。しかし、最初の石油輸送が確認されてから3週間後の今年3月、ロシアは国連安保理で拒否権を行使し、制裁違反を監視する国連委員会を解散させた。解散まで同委員会で活動していたアシュリー・ヘス氏は、輸送が始まっていた証拠を見たと話す。「私たちは関係する船と会社を追っていたが、止められた。おそらく50万バレルの上限をすでに突破したのを受けてのことだったと思う」
2021~2023年に同委員会を率いたエリック・ペントン=ヴォーク氏は、ロシア人の委員らが作業を検閲しようとしたと話す。また、「委員会がなくなった今、ロシアは単にルールを無視すればいい」、「ロシアが現在、これらの船が自国の港を訪れ、石油を積み入れることを奨励しているという事実は、この制裁に対して新たなレベルの侮蔑があることを示している」と話した。
現在はオープン・ソース・センターの役員を務めるペントン=ヴォーク氏は、問題はさらに根深いと考えている。「独裁的な政権が互いに協力を深め、国際社会の意向を無視して、自分たちが望むことを何でも実現しようとしている」と、、そして、これは「どんどん危険度が高まる」やり方だと話した。「例えば、北朝鮮の戦術核兵器がイランに持ち込まれるような事態は、誰も望んでいない」と述べる中、金総書記がプーチン大統領の戦争への支援を強めるにつれ、石油以外にどんな見返りがあるのかをめぐって懸念が高まっている。アメリカと韓国は、すでに北朝鮮がロシアに砲弾とロケット弾を詰めたコンテナ1万6000個を送ったとみている。ウクライナの戦場では、北朝鮮製の弾道ミサイルの残骸が回収されている。韓国が最も心配しているのは、ロシアが北朝鮮に対し、スパイ衛星や弾道ミサイルの改良技術を提供することだ。、、。参照記事 英文記事 、、、、北東アジアで軍事的影響力を維持したい中国にとっても大問題で、言う事を効かない北朝鮮に「過去の恩を忘れたのか」と言いたい心境だろうが、そんな浪速(なにわ)節はすでに通じなくなっているようだ。中国、韓国の深刻な経済不振が言われる中、北朝鮮は開国以来の好景気かもしれない。一時的とは思うが、、。2024/11/26映像戦況報告:ロシア空軍基地を粉々に!ロシアの心臓部を直撃!クルスク空軍基地壊滅!北朝鮮軍が裏切った!史上最強の対露包囲網!: