ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は現地2024年11月11日、ロシア西部クルスク州Kurskへの侵攻作戦で、現在約5万人のロシア兵を抑え込んでいると述べ、米有力紙は同日、クルスク州にいるロシア側の兵士には北朝鮮兵も含まれていると報じた。
ゼレンスキー氏は国民向け演説で、クルスク州に展開しているウクライナ部隊を視察したオレクサンドル・シルスキー総司令官から説明を受けたとしたうえで、「私たちの部隊は(中略)占領軍の兵士5万人を抑え込んでいる。それらの兵士は、私たちのクルスク作戦によって、私たちの領土におけるロシア軍の他の攻撃に移ることができないでいる」と述べた。総司令官は、もしクルスク州にウクライナ軍が展開していなければ、ウクライナ東部ドネツク州Donetskの同軍陣地に「ロシアの優秀な突撃部隊から数万人が押し寄せていただろう」と述べている。ドネツク州は、10年前にウクライナ・ドンバス地方Donbasで紛争が勃発して以来、重要な戦場となっている。
そのドネツク州では、戦闘が激化し、ウクライナが支配するクラホフ町Kurakhove近くのダムの破損をめぐり、ウクライナとロシアは11日、互いを非難した。ロシア軍は、ウクライナ軍の主要補給拠点の重要都市ポクロフスクpokrovskに向け、数カ月にわたってゆっくり前進している。
一方、クルスク州での作戦によって、ウクライナに対するロシアの攻撃力が低下しているとの見方は、西側の友好国の一部は懐疑的だ。だがゼレンスキー氏は以前から、越境攻撃の目標はこれだとしてきた。米シンクタンク戦争研究所(ISW)によると、ウクライナが8月上旬に衝撃的な侵攻を開始したとき、クルスク州にロシアが配置していた兵士は1万1000人ほどだった。米紙ニューヨーク・タイムズによれば、ロシアはその後、ウクライナから兵士を撤退させることなく、クルスク州で兵力を増強させたという。そのため、ロシアはいくつかの前線で同時に攻勢に出ることが可能になっているという。
北朝鮮兵も多数クルスク入りか:ニューヨーク・タイムズはまた、ロシアによる反撃が目前に迫るなか、クルスク州には北朝鮮の兵士らも送り込まれ、アメリカとウクライナの当局者の話をもとに、クルスク州での反撃の準備をしているロシアと北朝鮮の兵士を計約5万人とした。北朝鮮兵については、ウクライナもアメリカも、1万人以上がロシアに送られたとしているが、当のロシアは、クルスク州に北朝鮮兵がいるともいないとも言っていない。一方、北朝鮮では、最高指導者の金正恩(キム・ジョンウン)総書記がロシアとの相互防衛条約(包括的戦略パートナーシップ条約)を批准する法令に署名したという発表が在り、北朝鮮の朝鮮中央通信(KCNA)が12日、報じた。。この条約は、6月にロシアであった両国の首脳会談の際に双方が署名していた。:写真右 参照記事
ロシアにとって北朝鮮は、ソヴィエト連邦時代から緊密な友好国。両国の関係は、2022年2月のウクライナ侵攻でロシアが国際社会で孤立して以来、親密さを増している。アメリカは、北朝鮮が弾道ミサイルや発射台を含む膨大な量の軍事機材をロシアに提供していると、繰り返し非難している。
北大西洋条約機構(NATO)のマルク・ルッテ事務総長Mark Rutte, the new secretary general of Nato(オランダ前首相):左 は最近、国際制裁下にある北朝鮮が、ロシアから軍事技術やその他の支援を受けていると示唆している。英語記事:Zelensky says Russia has 50,000 troops in Kursk
、、北朝鮮とロシア間の相互防衛条約批准の意味は大きく、半島有事の際は、韓国に対するロシアの軍事的脅威が現実化することを意味し、韓国はそれを無視できない状況になった。更に、北朝鮮のミサイル、核兵器開発がロシアからの技術提供で加速、近代化する可能性がある。同時にこの事は、日本の防衛についても大きな懸念材料となると想像できる。まだ多くの日本人は、ウクライナ戦争を他国の出来事と見ているようだが、、、。過去ブログ:2024年10月NATOルッテ総長 北の露への派兵中止求める 国連安保理は無力?:
2024年11月13日:ウクライナ空軍は12日、ロシア軍が発射したドローン110機のうち46機を撃墜し、60機を電子戦で無力化したと明らかにした。それによると、少なくとも2機のドローンがベラルーシ領内に墜落したとみられる。ウクライナ軍によるロシア西部クルスク州への越境攻撃は間もなく開戦から100日を迎える。数十キロにわたる前線で激しい戦闘が続いているものとみられるが、戦況はほとんど明らかになっていない。参照記事