2024年10月7日、韓国メディア・韓国経済TVは「グローバル競争が激化している半導体、二次電池、ディスプレー産業で、他国は自国企業に膨大な補助金を出しているが、韓国にはなく、国家的支援が急がれる」と報じた。韓国経済人協会はこのほど、韓国とライバル国の先端産業支援政策を比較する報告書を発表した。政府支援が不十分なために、日米中に技術力で追撃を許していると指摘している。、、「韓国から半導体を取ったら何が残る?」などのコメントが寄せられている。韓国の輸出が不振な最大の原因は、主力品目の半導体の輸出減少だ。参照記事 参照記事 2024年に入り貿易収支は上昇傾向に転じたが、輸出入全体では低いレベルにあり、サムスンは赤字を続け、韓国の10月01~10日の貿易収支は-21億ドル、対中国-3.7億ドルだった。参照記事 参照記事
韓国の事はさておき、特許情報を分析すると、世界のビジネスの未来が見えてくる。先端半導体の量産に用いられ、台湾積体電路製造(TSMC)が2027年末の操業開始を目指す熊本第2工場にも導入すると見られる「極端紫外線(EUV)リソグラフィー技術」は、次世代技術開発や半導体業界の動向にとって重要な特許で、ラピダスの北海道千歳市の新工場における先端半導体量産計画にも導入されると見られている。参照記事
先端半導体は、AIのサーバーやスマートフォン、パソコンのメモリなどに使われる小型のチップ。高密度の論理回路をシリコンウエハー上に書き込む必要があり、EUV露光装置を使うのだが、現在オランダの半導体製造装置大手ASMLホールディングだけがこの技術を持っており、各半導体メーカーに独占販売する状況が続いている。だが現在、必要なEUV光を作るためには、1000キロワットという大量の電力消費が必要で、冷却水の量も膨大となる。精密機械や半導体を作る大手グローバル企業からは「工場での電気代が高すぎる」など不満の声が上がっている。
そんな中、「EUVリソグラフィー(極端紫外線露光装置)」の大幅な省エネやコスト削減を図る技術を、沖縄科学技術大学院大学(OIST)の新竹積教授(物理工学)が開発した。装置で使用する反射鏡を従来の10枚から4枚に減らし、消費電力を10分の1に抑えた。実用化できれば1社独占の技術に一石を投じ、先端半導体製造分野で日本勢が巻き返す可能性も秘めているという。
国内では半導体検査装置で小電力のEUV光源が用いられているケースはあるが、露光装置では(国産は)まだ使われていない。新竹教授は「国産化できると思う。日本の半導体メーカーが再び黄金期を迎えられればいい」と展望を語る。今後は研究と並行して産学連携で光学機器メーカーや半導体メーカーに実用化の協力を仰ぎ、これまで日本が得意としていた半導体製造技術の巻き返しを図りたいという。社会実装できれば、世界中の半導体メーカーに販売でき、現在の一社独占市場を切り崩すことができると考えている。EUV露光装置の市場は2024年の1兆3000億円から、6年後の2030年には2兆5000億円に成長する見込み。今回の成果は今年2024年4月に開かれた国際会議「フォトマスクジャパン2024」で発表され、本技術は、OISTが特許出願済みで、今後、実証実験を経て産業界で実用化されることが見込まれている。参照記事 参考:エネルギー効率を飛躍的に高める革新的なEUVリソグラフィー先端半導体製造技術を発表 沖縄科学技術大学院大学 :
英国の「質の高い論文ランキング」で東京大学を超える世界9位を獲得、世界トップクラスの研究者/学生を引きつけてやまないのが、沖縄県・恩納村(おんなそんむら)にある私立の沖縄科学技術大学院大学(OIST)だ。沖縄科学技術大学院大学(OIST)は5年一貫制の博士課程を置く大学院大学で、教員と学生の半数以上を外国人とし、教育と研究は全て英語で行われる。OISTは学生が研究に専念できるよう、学費が無料のうえ、生活費として年額約240万円をリサーチ・アシスタントシップとしてすべての学生に支給している。
コメント
“EUV露光装置の実用化にあたり、日本企業は多くの技術や部材の内製にこだわっていました。一方、ASMLは、装置の要素技術や部材の内製にはこだわらず、評価された要素技術や部材を活用した開発や運用に徹したことが一因として考えられます。また、日本企業は特定の得意先との連携にこだわった閉鎖的な開発を続けていましたが、ASMLは様々な顧客や関連企業と連携して多様なアイディアを収集できる体制を構築しました。クローズドな体制の日本に対し、オープンなASMLのほうが多くの支援先から知識と技術を蓄積できたことが勝敗を分けたと考えられます。”
日本らしいなー、と思う。ガラパゴス。案外、EUVを構成する重要部品は日本企業製だったりして。昔、露光装置の一部をTOTOが作っていた。
製造装置を作るメーカーの売り上げは、昔から浮き沈みが大きいのは常識。インテル、TSMC、サムスン等々の半導体、液晶パネルメーカーが新規に工場を作らない限り、ドカーンと受注することは無いのだから。
また誰か、世界の超大金持ち達が株で遊んでいるのかな。ユダヤもたくさんいるのだろうなー。