Guerrero,Mexico)で、市長が就任から1週間もたたないうちに殺害された。同国では政治家を狙った暴力犯罪が後を絶たない。
アレハンドロ・アルコスAlejandro Arcos氏は2024年10月1日にチルパンシンゴ市長に就任し、6日に殺害された。遺体は切断され、頭部が放置されたピックアップトラックのルーフ上に置いてあった。その数日前には、チルパンシンゴ市議会の書記だったフランシスコ・タピア Francisco Tapia氏が射殺されている。ニュース映像:就任したばかりの市長、頭部切断状態の遺体で見つかる:
10月1日に就任したメキシコのクラウディア・シェインバウムClaudia Sheinbaum新大統領:右は7日、アルコス市長の殺害を「不幸な」出来事と位置付け、メキシコの治安問題への対応については8日の治安閣議で詳しく説明するとした。
チルパンシンゴ市は長い間、ゲレロ州の地域犯罪組織「ロス・アルディジョス:Los Ardillos」と対立するカルテル・ギャング「ロス ロハス: Los Rojos 以前は隣のミチョアカン州Michoacánで活動していたが現在の拠点は不明」による血生臭い縄張り争いの舞台となってきた。この抗争の結果、何百件もの凄惨な殺人事件が発生した。前任の市長はカルテルのリーダーとされる男とレストランで会合を開いているところをビデオに撮られ、除名処分となった。
観光名所のアカプルコがあるゲレロ州は凶悪犯罪が多発する地域としても知られる。ただ、メキシコの治安の悪さは同州にとどまらず、6月2日に実施された大統領選挙と総選挙では、選挙期間中に少なくとも34人の候補者が犯罪組織によって暗殺された。過去ブログ:2020年2月5歳の子もライフルを手に地域自警団に参加 メキシコ:
女性初の大統領となるシェインバウム氏が選出された数時間後の2024年6月3日には、西部ミチョアカン州コティハ Cotija, Michoacan stateの女性町長だったヨランダ・サンチェス・フィゲロアYolanda Sanchez Figueroa氏が射殺された。英文記事 参照記事
同地のコンサルタント会社によると、警察や地元経済界とつながりを持つ市長は犯罪を見逃すこともできるため、犯罪組織に狙われやすい。選挙では犯罪組織が政治家を自分たちに協力させる目的で、陣営に資金を提供したり候補者を脅したりして暴力的に介入することもある。参照記事 過去ブログ:2024年6月「歴史上最も暴力的な選挙」の末、メキシコに女性大統領誕生:2022年10月メキシコの町役場が麻薬組織の襲撃を受け、町長ら18人死亡:2021年4月メキシコ・ミチョアカン州でCJNGが対立組織23人を殺害、斬首:2020年6月メキシコ市の公安庁長官が麻薬組織の襲撃で重症:2016年7月メキシコで最も危険なゲレロ州:1月新市長 着任1日で暗殺 メキシコ:2012年6月メキシコ人の最大関心事、麻薬組織犯罪と死刑制度:2011年1月銃社会米国と豊臣秀吉:
*「ロス・アルディジョス:Los Ardillos」は、ゲレロ州の地域犯罪組織で、Guerreros Unidosと同盟。敵対する「ロス ロハス: Los Rojos」は、Gulf Cartel、Sinaloa Carteと同盟し、Los Metros、Los Zetas、Jalisco New Generation Cartel(CJNG)、Beltrán-Leyva Cartel、La Familia Michoacana、Los Ardillos、Guerreros Unidos(Carteles Unidos?)、と対立している。参照記事 参照記事 過去ブログ:2024年2月メキシコ麻薬カルテル勢力分布図2024 年2月~: