最新の研究で、ペットボトルの水には、これまで考えられていた以上のプラスチック粒子が含まれていることがわかった。
・アメリカで販売の水のペットボトルには、平均で24万もの微小なプラスチックが含まれている。
・ナノプラスチックは非常に小さく、血液、細胞、臓器の中にまで入り込む。
・健康への影響を評価するには、さらなる研究が必要だが、接点を減らす方法はある。
ペットボトルに入った水1リットルには平均で24万のプラスチックが含まれ、そのうちの一部は微小なため、血液や細胞、心臓や脳などの臓器にも入りこむ可能性があることが最新の研究でわかった。米国科学アカデミー紀要に2024年1月8日に発表された内容によると、レーザーによってサンプルの化学物質を分析するツールによって、ペットボトルの水にはこれまでの研究で述べられていたよりも最大で100倍ものプラスチック粒子が含まれていることがわかったという。
マイクロプラスチックやナノプラスチックとして知られる微小サイズに砕けたプラスチックは、海、エベレストの山頂などで見つかり、近年は人間の血液からも見つかっている。マイクロプラスチックの大きさは、5ミリメートルから1マイクロメートル(100万分の1メートル)だ。ちなみに、人間の髪の毛は直径が約70マイクロメートルだ。ナノプラスチックは1マイクロメートルよりさらに小さく、1億分の1または10億分の1メートル(ナノメートル)だ。
アメリカで販売されている3つの人気ブランドのペットボトルの水について試験を行い、100ナノメートルまでの大きさの粒子について分析した。その結果、1リットルあたり11万から37万個、平均で24万個のプラスチック粒子が見つかった。その90%はナノプラスチックで、残りはマイクロプラスチックだった。現在はまだ、ナノプラスチックに関する知見に欠落があるが、ナノプラスチックはマイクロプラスチックよりも有害であることは広く受け入れられている。
プラスチック粒子によって引き起こされる可能性のある健康上のリスクは不明だが、専門家はさらなる解明を急いでおり、それまでの間はプラスチックの使用を減らすことを勧めている。これらは毒素や合成物質を体内にもたらし、血管、内分泌、生殖器官などに炎症やその他の問題を引き起こす可能性があると懸念されている。
オランダのアムステルダム大学とユトレヒト大学で水質と健康の名誉教授であるディック・ヴェターク(Dick Vethaak)氏は、人々はマイクロプラスチックとナノプラスチックに目を向け、プラスチックの使用を減らす対策をとるべきだと彼は言う。彼が勧めるプラスチック粒子との接点を減らす3つの方法は次のとおりだ。
▼使い捨てプラスチックで包装された食品や飲み物を避ける。
▼飲み物はガラス容器から飲む。
▼プラスチック容器に入ったものは温めない。プラスチックを加熱すると、大量の粒子が放出される可能性がある。
▼自宅をよく換気する。マイクロプラスチックやナノプラスチックは、空気中や埃の中に存在する可能性があるため。
この研究の著者は、ペットボトルに入っているナノプラスチックを心配するなら、水道水などの代替品を考えるべきだとしている。ただし、脱水のリスクがナノプラスチックによる影響を上回る可能性があるので、必要なときにはペットボトルの水でも飲むほうがよいという。参照記事 参照記事 英文記事 、、、汚れた空気や水が危険と言われても、現実には避けるのはほとんど不可能で、見識として知っていた方が良い位に留(とど)めるしかないだろう。幸い人類には順応性というのが在る。それで進化してきた、いや、退化してきたのか??? 影響が不明なものまで怖がって生きてられるか!と、開き直っての一服がうまい! そして次に手に取った健康茶は、ペットボトル入りだった。 参考:マイクロプラスチック、人間の血液内で発見される…その影響は今のところ「何も分かっていない」: