ウクライナ軍は越境攻撃を続けるロシア西部クルスク州で2024年8月16日、セイム川Seim(Seym) Riverに架かる戦略的に重要な橋を破壊した。ロシア当局も、クルスク州の町グルシュコヴォglushukovo(右の8月17日公開の戦況拡大図で青の矢印)近くでのウクライナの軍事作戦で同地域の一部が寸断されたことを認めたと伝えられている。未確認だが、コレネボKorenevo付近で、ロシアの輸送部隊が壊滅し、この付近の700人のロシア兵が孤立する可能性があると言われている。、、、地図から判断して、コレネボのロシア軍は、セイム川を渡って西部へ行くのが困難になっていると思われる。 参照記事 映像記事
この付近の橋は、最前線にいるロシア軍部隊への補給に使われ、今回破壊されたことで、ロシア軍の活動が大きく妨げられる可能性がある。ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、ウクライナ部隊がクルスク州で陣地を強化していると述べた。また、自軍が掌握したロシア領土は「為替資金」だとし、ロシア軍が占領したウクライナの複数地域と交換できる可能性を示唆した。
ウクライナはロシア領土の一部を掌握したと主張する一方で、ロシア領土を占領するつもりはないと繰り返し主張している。「ウクライナはロシア領土の占領に興味などない」と、ミハイロ・ポドリャク大統領顧問は16日に述べた。ポドリャク氏は、ロシアに侵入した重要な目的の一つは、「我々の思うように」ロシア側に交渉させるためだとした。 参照記事 英文記事 英文記事 :
ウクライナの進軍が続く中、ウクライナと国境を接するロシア・ベルゴロド州の当局は、19日から5カ所の村を対象に避難を実施すると発表した。同州のヴャチェスラフ・グラドコフ知事はメッセージアプリ「テレグラム」に国境近くの小さな集落の名前を複数あげ、「8月19日から、五つの集落への立ち入りを禁止し、住民を避難させ、財産を持ち出す手助けをする」とした。
ウクライナがロシア西部の領土にさらに入り込む一方で、ロシア部隊も同様にウクライナ東部で進展をみせている。直近の進軍で、ロシア軍はウクライナ東部ポクロフスクに接近した。この街は東部の前線沿いにいるウクライナ部隊に物資を供給する主要道路上にあり、重要な兵站(へいたん)拠点となっている。ポクロフスクはロシアが支配するドネツク州の北西に位置する。同州は16日朝からウクライナ軍の攻撃を受けており、市民数人が負傷している。
ドネツク州でロシアが一方的に「編入」を宣言した自称「ドネツク人民共和国DPR」を率いる親露派デニス・プシリン氏Dennis Pushilin:右は、16日正午ごろからドネツク市が砲撃を受けているとしている。ロイター通信はドネツクの地域責任者の話として、過去24時間に市民3人が死亡し、5人が負傷したと報じた。また、プーチン大統領に命じられて建設されたクリミアのケルチ大橋kerch Bridgeを狙ったミサイルが複数飛来したが、夜の間に撃墜されたと、ロシア国防省はテレグラムで発表した。ロシアが軍事侵攻を開始して以降、ウクライナは大橋への攻撃を試み、実際に何度か爆撃に成功している。過去ブログ:2022年10月ロシアは武力、経済戦争でEUへ圧力と強まるEUの反発: