ロシアは2024年8月6日、ウクライナと国境を接するクルスク州 Kursk region of Russiaがウクライナ軍の越境攻撃を受けたと発表した。攻撃は翌7日も続いており、同州に非常事態が宣言された。クルスク州のアレクセイ・スミルノフ知事代行は非常事態宣言について、「この地域への敵軍の侵入がもたらす影響を排除するため」に必要なものだと説明し、先に、国境地帯からは数千人が避難し、複数の都市から医師たちが集められていると述べていた。
ロシアは、数百人のウクライナ部隊が6日朝にクルスク州の町スジャSudzha付近の国境を越えたと発表。これを受け、ウラジーミル・プーチン大統領はウクライナが「大規模な挑発行為」を開始したと非難していた。ウクライナ軍の攻撃には戦車11台と装甲戦闘車両20代以上が加わっていたと、クレムリン(ロシア大統領府)は付け加えた。
ウクライナ国会議員のオレクシイ・ホンチャレンコ氏は7日夕、ウクライナ軍がスジャの主要なガス施設を制圧したと発表した。これは、ロシアからウクライナを経由して欧州連合(EU)諸国へ天然ガスを輸送するのに必要な施設で、侵攻が開始してからも運用が続いている。同施設はロシア産ガスをEUへ運ぶ唯一の地点となっている。
ロシアのヴァレリー・ゲラシモフ参謀総長は7日午後に放送されたテレビ演説で、クルスク州への「前進」を停止させ、最大1000人のウクライナ部隊がスジャ周辺を占領する目的で同地域に入ったとし、ロシア軍がすでに100人を殺害、215人を負傷させたと述べた。また、ロシア国家親衛隊はスジャの北東約70キロに位置するクルスク原子力発電所の警備を強化したと発表し、モスクワでの安全保障会議に先立ち、プーチン氏はウクライナ軍が民間の建物や住宅を「無差別に攻撃」したと非難した。隣接するベルゴロド州では、ヴャチェスラフ・グラドコフ知事が一日中、ミサイル攻撃警報を発令。ウクライナ軍の空爆で数人が負傷したと、同知事は述べた。
ウクライナ北東部スーミ州Sumyのウォロディミル・アルテュク知事は7日、クルスク州と接する地域からの避難を命じた。ウクライナ軍のウラディスラフ・セレズニョフ大佐は、推定7万5000人のロシア部隊が国境近くに集結し続けているとし、今回の攻撃は「予防的措置」だったと、著名メディア「NEXTA」に語った。
5月にロシア軍が国境を越えてウクライナ北東部ハルキウ(ハリコフ)州Kharkivに大規模な侵入をした後、ロシアがさらに北に位置するスーミ州にも同様の攻撃を試みるのではないかとの懸念が浮上していた。ただ、ウクライナ軍はすでに手薄状態で、こうした越境攻撃を行うという考え方を疑問視する軍事アナリストもいる。参照記事 英文記事 英文記事 過去ブログ:2024年6月ロシアの言う、ウクライナ領880平方キロの支配地:
、、、ウクライナ軍は国境地帯のロシア軍は敗退し、部隊は進撃中だと述べ、ロシア側はウクライナ部隊をせん滅したと言い、状況を数日注視していたがはっきりしない。ウクライナ軍がスジャ付近に在るガスパイプラインの重要施設やロシア軍の軍事施設を掌握、破壊したのは事実のようだが、それが目的なら、犠牲の大きい地上侵攻の必要は無いだろう。個人的には、ロシアがウクライナ東部ドンバス地域のルハンスク州、ドネツク州の占領にこだわるなら、ウクライナはロシア西部クルスク州、ベルゴグラド州などをいつでも制圧できるとの威嚇にも取れると見ているが、真相は不明だ。ただ、小国が大国ロシアへ攻め込んだと言う事実は、ロシアへ「この戦争は勝てない」と言う、心理的に大きな影響を与えただろう。
侵略も正義と言われたのは、遠い昔だ。プーチンの歴史書からは、それで失敗した多くのページが抜け落ちているようだ。仕掛けた方が、大国の立場上、そうそうに退却できないのなら、早めに「正義に負けた」という、新たな1ページを、その古めかしい歴史書に加えてやるしかない。手間のかかる男だ。日本から見た場合、彼がサムライなら、とっくに腹を切っているだろう。日本の歴史書には、そういうページが残っている。そうすることで戦に決着をつけ、敗軍の将として兵士の助命を求めたのだ。切腹
下記の映像戦況報告では、クリミア半島のOktiabrske(オクチャブリスコエ:Oktyabrskoe)にある弾薬庫がウクライナの攻撃で大爆発を起こしたと報じている。近くにロシア空軍基地がある。 記録映像 2024/8/8映像戦況報告:クルスク州に15km電撃進撃!スジャのガス施設を包囲!クリミアで連鎖爆発!露軍の弾薬庫が爆発!:ウクライナの攻撃映像:
2024年8月9日: ロシアへの越境攻撃を行ったウクライナ軍が、ロシア南西部クルスク州Kursk Region(Kursk Oblast)のさらに奥深くへと侵入している。米国やウクライナの複数の当局者によると、今回の越境侵入には米当局者も驚いているという。ウクライナ軍は通常部隊と特殊作戦部隊の混成部隊で、覆面部隊や現地の協力者で構成されることが多かった従来のロシア国内での作戦とは様相が異なる。米国やウクライナの当局者によれば、その意図は様々だが、ロシア軍を混乱させて士気をくじいたり、ロシア軍の注意を東部戦線の他の場所からそらしたりする狙いがある。米当局者はウクライナが長期間のロシア領占拠を
意図しているとは考えていない。、、ロシアは8日、自国領土へのウクライナの侵入を食い止めたと主張したが、その後クルスク地方で一部の戦闘が進行中だと修正した。ロシア軍の「北」グループと連邦保安局(FSB)は「クルスク州のスジャンスキー地区 とコレネフスキー地区Sujansky and Korenevsky Districts of Kursk Oblastで引き続きウクライナ軍の部隊陣形を破壊している」という。参照記事 映像記事 映像:クルスクでのウクライナの攻撃と投降するロシア兵:【ウクライナ戦況】ウ軍、スジャを占領!ロシア人はプーチンに反対!ロシアのムスタS自走砲を破壊!: