

冷戦終結後、多くの欧州諸国が徴兵制を停止したが、近年、一部の国、特にスカンジナビア諸国やバルト三国ではロシアの脅威を主な理由として徴兵制を復活させている。入隊を拒めば罰金が科せられたり、禁錮に処されたりする国もある。
ノルウェー:左では徴兵が義務付けられており、2015年にはNATO加盟国として初めて男女を同じ条件で徴兵したが、2024年4月、野心的な長期計画を発表した。この計画では、国の防衛予算をほぼ2倍に増額し、徴兵された兵士、従業員、予備役2万人以上を軍隊に加えるとしている。
NATOの最新加盟国の一つであるフィンランドは、90万人以上の予備役を動員する能力があり、28万人の軍人が必要に応じて即座に対応できる態勢にある。一方で平時のフィンランド国防軍は文官を含めて約1万3000人しか雇用していない。
ノルウェーと、NATOの最新加盟国であるスウェーデン;左も同様のモデルを採用しており、フィンランドほどではないが両国とも相当数の予備役を維持している。ノルウェーと同じく男女平等の徴兵制を敷くスウェーデンは2024年、約7000人を招集した。スウェーデン軍によると、2025年にはその数を8000人に増やすという。
英国の保守党は総選挙で勝利した場合に兵役義務を導入するとの考えを示していた。 おそらく最も驚くべき変革は、第2次世界大戦の終結以来、軍国化を嫌悪してきたドイツで、冷戦以降初めて、欧州で紛争が勃発した場合の計画を更新。ピストリウス国防相は2024年6月、新たな志願兵制を提案し、「2024年までに戦争に備えなければならない」と訴えた。
リトアニアは2015年に「地政学的状況の変化」により兵役義務を復活させて以来、毎年18~26歳までのリトアニア人約3500~4000人が9カ月にわたり入隊している。
一方、徴兵制は一部の国では依然として不人気な話題で、NATOは1カ月以内に30万人を動員し、さらに6カ月以内に50万人を動員するという新たな目標を達成するのに苦戦している。考えられる解決策は、より機動力のある(少数でも効率的で)近代的な軍隊だ。参照記事より抜粋、一部筆者編集加筆 過去ブログ:2024年3月スウェーデンNATO加盟とNATOの地理的優位:
、、、戦争の形態が大きく変わり、防衛イコール徴兵ではないが、装備兵器、兵員の経験、スキルなど多くの見直しの必要をウクライナ戦争が表面化させた。それより重視すべきは国連などによる合同協議の在り方だが、国連は大戦後の大国主導に落ちぶれ、日本の国会並に、遺憾を表明し、勧告決議をするのが精いっぱいの、後進国の議会並である。検討や集計するにしても時間と経費が掛かり過ぎで、いっそ、外部の中立機関に頼んだ方が効率的だ。
国連の無力化、存在が希薄になったのは、ウクライナを侵略したロシアのプーチン大統領が同盟国のベラルーシに自国の核兵器を配備するなどして、欧州諸国に対する核の威嚇を始めた事だった。右図参照記事
国連機関がロシアの侵略に無気力な決議や対応に終始している内に、現実は核戦争に向き合わなければならない状況になり、2024年10月に任期満了で退任するNATOのストルテンベルグ事務総長NATO Secretary General Jens Stoltenbergは英紙テレグラフ(2024年6月17日付)とのインタビューで「、、NATOは核の同盟だ」と強調し、NATOがロシアや中国による核の脅威増大をにらんで域内諸国での核兵器の配備数を増やし、核抑止力を強化することを検討していると明かした。 参照記事 過去ブログ:2024年7月NATO32か国首脳が来年末までに約7兆円のウクライナ軍支援確認:6月中国報道官、幼稚な論理でG7に噛みつく NATOは防衛結束強化:
ストルテンベルグ事務総長NATO Secretary General Jens Stoltenbergは2024年5月、同盟国に対して、ウクライナがロシア領の軍事目的を攻撃する際の制限を解除するよう要請;写真左 する発言をしている。過去ブログ:2024年5月ロシアの狂気 、ウクライナの商業施設、市街地、住宅へのミサイル攻撃:
、、、NATOで準加盟国扱いの日本も、相当な覚悟をもってロシア、それを支援する中国への対応を考える時期に来ていると思う。訪中すれば怒られたと帰ってくる、腰抜けな議員外交など国費の無駄遣いでしかない。過去ブログ:2024年7月元側近がトランプ氏の和平案批判とロシアの凍結資産から15億ドルウクライナへ:NATO加盟諸国はそれぞれ、2024年までに、自国の対国民総生産(GDP)比で少なくとも2%を防衛費に充てると約束している。32加盟国のうち今年その目標を達成したのは23カ国。防衛費が対GDP比2.3%に達したイギリスも、そこに含まれる。ストルテンベルグ事務総長はBBCに対して、欧州はウクライナでの戦争が10年間は続くものと覚悟する必要があると話した。英文記事