ロシア西部のウクライナ国境近くのある集落にウ軍のドローンが墜落し、火災が発生したと地元当局が2024年7月7日、明らかにし、現場はボロネジ州Voronezh region郊外ポドゴレンスキー地区 Podgorensky districtの集落だった。ドローンの破片が倉庫に落下し、爆発を伴う火災が発生した。
SNSに投稿された動画には倉庫のように見える建物から黒煙が立ち上る様子が映っていたが、AP通信はウクライナ軍当局者の話しとして、「ロシア国境近くに展開するウクライナ保安局(SBU)の部隊がボロネジの弾薬庫を攻撃、破壊した」と報じた。それによると、この倉庫は地対地ミサイル、地対空ミサイル、戦車と大砲の砲弾、銃器のカートリッジなどを保管し、ウクライナ領内で活動するロシア兵にそれらを供給していたという。英文記事
この当局者は南部クラスノダール地方Krasnodar regionで前日に発生した石油備蓄基地の火災にもSBUが関与していると述べた。7月8日にロシア軍が行ったウクライナへ広範囲な空爆;過去ブログ:2024年7月猫と軍隊 ウクライナ 都市部に、ここ数か月で最大規模の空爆:は、この事への報復とも取れる。
ロシア国防省は7月7日午前の会見で、上記のどちらへのウクライナの攻撃に言及しなかったが、ベルゴロド地域Belgorod region上空でウクライナの無人機が防空システムによって破壊されたと述べた。この空爆は、ウクライナ軍報道官が7月4日木曜日にAP通信に対し、キエフ軍がチャシフ・ヤルChasiv
Yar(チャソフヤール)郊外の近隣地域から撤退したと語った後に行われた。ベルゴロド地域へのウクライナの攻撃は7月9日にも確認されており、施設や住宅に被害が出たとされる。英文記事
チャシフ・ヤルはウクライナのドネツク地方Donetsk regionにある戦略的に重要な町で、1か月にわたるロシアの攻撃で瓦礫と化した。現在その東部地区で激しい攻防が行われている。 過去ブログ:2024年7月ウクライナ東部の要衝チャソフヤールの東端地区をロシアが制圧:ロシア軍は何か月もの間、ウクライナの東部工業地帯での利益を削り取ろうとしており、明らかに自国の守備陣を消耗戦に集中している。7月5日金曜日に発表された共同調査の中で、ロシアの独立系報道機関メドゥーザとメディアゾナは、モスクワ軍がウクライナで毎日200人から250人の兵士を失っていると報じた。(ウクライナの発表は、その数倍の死傷者である)
軍事アナリストらは、チャシフ・ヤル氏の陥落により、重要なウクライナの補給路が危うくなり、近隣都市が危険にさらされる可能性があり、ロシアはドネツク地域全体を掌握するという宣言された目標に近づくことになるだろうと述べているが、筆者は、ウクライナ軍が攻撃態勢の立て直しを行い、反撃に出ると見ている。この地域が高台に在り、両軍にとって戦略上の重要拠点で、特に、レーダー監視、通信が脆弱なロシアにとって重要と思われる。
最近の、報復とも取れるロシアの攻撃は、ジュネーブ条約 Geneva Conventionを無視してウクライナの都市部やエネルギーインフラも標的にしている。キエフ市当局者は7月6日土曜日、最近のロシアのミサイル攻撃で主要な発電所が破壊された後、同市は発電能力の3分の2を回復したと発表した。プーチンはすでに長期化を睨んで、冬を前に施設破壊に懸命だと言われている。英文記事 映像;ウクライナ都市部へのミサイル攻撃 過去ブログ:2024年7月戦場の猫 ウクライナ 都市部には、ここ数か月で最大規模の空爆:7月捕虜になったロシア軍女性服役囚兵士と戦争の大きな節目:7月ロシア軍、ウクライナ南部市街地へのミサイル攻撃繰り返す:参考:ハーグ法とジュネーブ法の違いは何ですか?: