米軍制服組トップのブラウン(Charles Q. Brown Jr.)統合参謀本部議長は2024年6月23日、イスラエル国防軍(IDF)がレバノンの親イラン民兵組織ヒズボラ Hezbollahを攻撃するためにレバノン領内に侵攻すれば、イランを巻き込む戦争に発展する恐れがあると警告した。ブラウン氏は訪問先のアフリカ・ボツワナで記者団の取材に応じ、「IDFがレバノンに侵攻すれば、イランを巻き込む、より広範な戦争に発展し、この地域に駐留する米軍を危険にさらすことになる」と語った。またブラウン氏は「ヒズボラがIDFの攻撃に直面すれば、イランはより強力な支援を提供するだろう」と述べた。さらに、「イランはガザ地区のハマスを超える規模の支援をヒズボラに提供できるし、IDFの動き次第ではそれが現実になると考えている」と強調した。
写真右は、レバノンの過激派組織ヒズボラの戦闘員が、2023年5月21日日曜日、レバノン南部ジェジン地区のアーラムタ村Aaramta village in the Jezzine Districtで訓練を行っている様子。また、中東のイラン支援組織の戦闘員数千人が、レバノンへの参加を申し出ている。6月、レバノン南部でイスラエル軍の空爆によりヒズボラ軍幹部が殺害されたことを受け、北部の状況はさらに悪化した。ヒズボラはイスラエル北部に数百発のロケット弾と爆発性ドローンを発射して報復した。イスラエル当局者は、ヒズボラを国境から追い出す交渉で決着がつかない場合、レバノンで軍事攻撃を行うと脅迫した。英文記事
イスラエルとヒズボラは昨2023年10月にガザ紛争が始まって以来、ほぼ毎日国境沿いで攻撃を交わしている。一部のイスラエル政府高官はヒズボラが国境地帯から撤退しなければ、レバノン領内に攻め込むと脅している。つい数日前、IDFはレバノンに対する「攻撃計画を検証、承認した」と述べていた。国境沿いでは、13の村と地域が係争地となっている:左▲。米国、カタール、ヨルダン、エジプトなどの仲介国がこの紛争の外交的解決を模索している。参照記事 過去ブログ:2024年6月レバノンの親イラン民兵組織ヒズボラ、全面戦争の用意を表明とブルーライン:
イスラエルのネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相は6月23日、米政府が同国に対する武器の輸出を控えていると主張し、ネタニヤフ氏は閣議で、「特定の武器は納入されたが、大部分はまだ届いていない」とだけとも述べた。同氏は閣議の中で、「何週間も前から米政府高官に納入を急ぐよう嘆願してきたが、うまくいかず、先週動画で現状を明らかにした」と述べ、また「この問題はまもなく解決する」と主張した。
一方バイデン(Joe Biden)大統領は先月、国際社会の懸念を受け、特定の兵器の輸出を一時的に差し止めていると明らかにしていた。しかし、米国家安全保障会議(NSC)のカービー(John Kirby)戦略広報調整官は「ネタニヤフ首相の主張に当惑している」と述べ、米国の方針と現状にズレが在るのかもしれないが、ヒズボラとの全面戦争が発生した場合、バイデン政権はイスラエルを支援する用意があると伝えたと、米政権高官が明らかにしたと確認されている。参照記事
イスラエル軍は6月22日、ガザ・ラファ北部の避難民キャンプなどに砲弾を撃ち込み、少なくとも39人が死亡、数十人が病院に搬送された。参照記事 写真右下は、イスラエルのレバノン領への空爆。英文記事 過去ブログ:2024年6月イスラエルでネタニヤフ政権に抗議する15万人のデモ:6月今後のヒズボラの攻撃に、イスラエルの防衛力は不十分の予測:6月イスラエルの戦時内閣の解散で、極右含む連立与党が紛争主導:5月パレスチナ国家承認は「テロリズムへの報酬」イスラエル:映像:空爆された南部ラファRahfaの状況と食料不足。、、、世界中で戦争の火種がくすぶっている。米国が言うまでも無く、いづれも広範な戦争に発展する可能性を秘めており、日本も少し立ち位置を誤れば、不本意な形であれ巻き込まれる可能性がある。際立った外交手腕が求められる時期に入った。
2024年6月24日:イスラエルのネタニヤフ首相は23日、パレスチナ自治区ガザ地区でのイスラム組織ハマスとの衝突について「激戦の局面は終わろうとしている」と述べ、軍の焦点がレバノン国境へ移る可能性を指摘し、ネタニヤフ氏はさらに、ハマスに拘束された人質の一部帰還に向けた「部分的な合意」の用意があるとも述べた。ただし「ハマスを壊滅させるという目標を達成する」ために、停戦後も戦争は続行すると改めて主張し、「あきらめるつもりはない」と言明した。参照記事 過去ブログ:2013年10月中東戦争の変遷 5度の戦争 百年の確執とハマス 保存記事:
コメント
まー、最後は軍に裁量があるのだろうが。弾が後ろから飛んでくるのは怖い。
ポロンと、何も考えずに口から出た言葉を、マスコミが取り上げているだけ。