電磁力により弾丸を高速で発射し、マッハ5を超す極超音速兵器をも迎撃する「レールガン(超電磁砲):Railgun」開発を巡り、防衛装備庁が米海軍に要員を派遣していることが2024年5月21日、分かった。レールガンを研究していた米国のノウハウを吸収し、早期実用化につなげる狙いがある。複数の政府関係者が明らかにした。
装備庁は2016年度にレールガンの開発に着手。政府は2022年度当初予算案に65億円を計上した。2024年には海上自衛隊の艦艇を使って世界初となる洋上での射撃試験を行い、「可能な限り早期」の実用化を目指している。 記録映像
レールガンは火薬を用いる従来の火砲より低コストで、射程内でロックオンされた側の迎撃は難しい。戦略環境を一変させる「ゲームチェンジャー」として自衛隊が期待を寄せる新たな装備品の一つだ。車両や艦
艇に搭載し、対地・対艦攻撃やミサイル迎撃などでの活用を想定しているが、命中精度の向上や装置の小型化などの面で依然として課題がある。
装備庁は2023年11月から研究職の技官1人を米海軍の研究機関に派遣。レールガン研究に携わった関係者の話を聞いたり、設備を視察したりしているという。任期は今年6月までで、帰任した後に別の要員の派遣を検討する。米海軍は2021年、戦略環境の変化や予算上の都合のため、10年以上にわたり取り組んできたレールガン開発を事実上断念。装備庁幹部は「研究に投入した資金や試作品の量も多く、学べるものがたくさんある」と話している。2024年度予算案には238億円を計上。今後は、高初速化や連射機能の追加などの改良を図る予定だ。参照記事 参照記事 参照記事 過去ブログ:2022年6月中国3隻目の空母進水: 参考:2024年3月4隻目の空母建造明言、中国海軍高官「技術に障害なし」: