スイス・ジュネーブに本部を置く監視団体「国内避難民モニタリングセンター」は2024年5月13日、紛争や自然災害などにより、自国内で避難生活を余儀なくされている世界の国内避難民が7590万人に達し、過去最多を更新したと明らかにした。それによると、国内避難民の数は過去5年間で1.5倍に、過去10年間でおよそ2倍に急増したという。難民(他国に逃れた避難民)は対象外である。昨年移動を余儀なくされた国内避難民は推定4690万人。洪水などの自然災害ではほとんどの場合、故郷に戻ることができる。写真:スーダン、西部ダルフール地方の集落(Ashraf shazly/AFP通信/Getty Images)
昨年家を離れて国連やNGOの避難所に身を寄せている人の数は昨年末時点で推定7590万人。その半数がイスラム過激派の暴力に直面するサハラ砂漠以南のサヘル地域Sahel regionで報告されている。同センターを運営するノルウェー難民評議会(NRC)は声明で、「暴力、紛争、迫害による国内避難民がこれほど急増したことはいまだかつてなかった」と深刻な懸念を表明した。その90%近くが紛争や暴力によるもの。10%が自然災害の影響によるものである。内戦下にあるアフリカ北東部・スーダンの国内避難民数は900万人超。同センターが16年前に統計を取り始めて以来、単一国家としては最も多くなった。参照記事
イタリア北東部トリエステTriesteの収容所に昨年到着した同伴者のいない子供の移民の数が22年の2倍以上に急増した。国際人道支援団体「国際救済委員会(IRC)」が5月16日、明らかにした。それによると、バルカン半島Balkan Peninsulaの移民ルートを通じて昨年トリエステに入った同伴者のいない子供は約3000人となり、2022年比で112%増となった。
その数はトリエステに入った全移民の20%近くを占める。IRCイタリア支部は移民に医療、食料、その他支援を提供している。
イタリア政府は移民対策を強化しており、南部の地中海で成果を上げている。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、今年2024年1月1日~4月15日の間にイタリアに到着した移民の数は昨年同期比で半分以下に減少したという。北アフリカのチュニジアTunisiaとイタリア南部ランペドゥーサ島Lampedusaは150kmほどしか離れておらず、移民のホットスポットになっている。参照記事 過去ブログ:2024年3月在留中国人が最も多い国トップ16、1位は意外?:2月米国への中国人密入国者激増:2023年12月EU、移民対策で大筋合意と社会不安 国内避難民も急増:11月中国政府に愛想を尽かした国民がメキシコ経由で米国へ密入国:9月地中海の難民が記録的急増とウクライナ人避難民:7月チュニジアとEU、移民に関する協定を締結:6月急増する欧州への移民とギリシャ沖で移民船沈没79人死亡:5月プーチン、国民の脱出防止に「魅力的」な国を命令:、、、最近では災害や経済、戦争が原因の移民の他に、ロシアからの徴兵拒否や中国からの共産党離れなどの移民や移住も増え、それを斡旋ビジネスにする組織も増えている。ロシア経済開発省は2023年9月、労働力(18歳から65歳までの国民)が60万人減少すると推計した。」との分析を報じている。