ニューヨーク(CNN) 米自動車大手フォードFordの電気自動車(EV)部門はこのほど、2024年1~3月期の赤字が13億ドル(約2000億円)に上ったことを明らかにした。1~3月期に販売したEV1万台で1台当たり13万2000ドル(約2050万円)の赤字を出している計算で、会社全体の収益を下押しする要因になっている。写真は、電気自動車「F―150ライトニング」 発表時、F-150ライトニングの希望小売価格は3万9974ドル(約435万円)から。航続距離は230マイル(約370km)で、大型バッテリーを搭載した場合は300マイル(約482km)の走行ができ、発売は2022年春の予定だった。
フォードは大半の自動車メーカーと同様、従来型のガソリン車からEVに移行する計画を発表している。ただ、EVの販売実績を個別に発表している従来型の自動車メーカーはフォードのみ。2024年4月24日に発表された決算は、フォードなどの自動車メーカーのEV事業で、収益が圧迫されていることを改めて示す兆候となる。
フォードのEV部門の内、「モデルe」部門:Model e division の1~3月期販売台数は1万台で、前年比20%減となった。売り上げは84%減の約1億ドル。フォードは落ち込みの要因を主にEV業界全体の値下げと見ている(中国製の安いEVは3万ドル以下)。これが原因でEBIT(金利・税引き前損益)は13億ドルの赤字、モデルe部門の1台当たりの数字も巨額の赤字に落ち込んだとしている。
フォードによると、赤字はEV1万台の製造・販売コストにとどまらず、次世代EVの研究開発に投じられた莫大(ばくだい)な投資も赤字額に含まれる。投資回収は何年も先になる見通しだ。これはEV部門の赤字が今期で終わらないことを意味する。フォードによると、EV部門は通年で50億ドルの赤字を出す見通し。参照記事 参考:米 フォード ハイブリッド車拡充へ:、、、尚、フォードは車載2次電池で、韓国のSKと提携している。すでにケンタッキー州での新バッテリー拠点建設計画は中止となっている。この事は、米政府が各自動車企業に、生産総量の22%をEVにしなければ罰金を科すとした方針に、米国NO,1のフォードがあからさまに背を向けた事を意味している。映像記事