モルディブMaldives国民議会選(一院制、定数93)の暫定結果が2024年4月22日未明に公表され、親中派のムイズ大統領が率いる政党Pro-China President Muizzu's partyが地滑り的勝利を収めた。それによると、ムイズ氏(Mohamed Muizzu):右上 の政党「人民代表大会The People's National Congress 」は93議席中70議席を獲得したという。
親インド派とされるソーリフ(Ibrahim Mohamed Solih)前大統領:右下、の与党・モルディブ民主党は改選前、65議席を保持していたが、わずか15議席にとどまる見通し。写真はインドのモディ首相と
インドと中国は何十年もの間、東西を結ぶ航路上に位置するモルディブで影響力を争ってきた。左は、2024年2月の記事による中国の海洋調査船が行った調査ルートとモルディブの位置。このような中国の行動にインドは、モルディブに中国が潜水艦基地を計画しているのではと警戒している 英文記事。
昨年の大統領選で勝利したムイズ氏は親中派の立場をとり、国内に駐留するインド軍に撤退を命じるなどしてインドと中国の対立を先鋭化させた。
多くの地元メディアが親中派の大勝を予想していなかったようだ。ムイズ氏はSNSなどに「厳しい選挙戦になる」と投稿していた。ムイズ氏は昨年11月、駐留インド軍に撤退を要請。これを受け、インド政府は今年2月、軍事要員を民間の技術スタッフに置き換えると発表した。参照記事 英文記事
、、、、じわじわと南シナ海、南太平洋、インド洋、アラビア海へと海洋覇権maritime supremacyを拡大している中国への警戒が強まっている。欧州、日本にとって重要な貿易路であり、何かあれば、一方的に海上封鎖されかねない危険を含んでいる。あと数年で、中国の艦隊は完成する。米インド太平洋軍は、中国が2025年までには4空母を建艦すると見る。英防衛関連の情報筋は2030年までに空母5隻を抱えると予測している。過去ブログ:2022年7月2030年までに空母5隻体制の中国軍拡が招く国際不信と孤立:
当然だが、中国海軍が教科書にしているのは太平洋戦争で、最近ではウクライナ戦争だろう。しかし今は植民地時代ではない。過去に列強に蹂躙されたコンプレックスがあるにしろ、張子の虎にここまで国費をつぎ込めば、世界から警戒されて当然だ。それを根拠にさらに軍備を拡張すると言う、負のスパイラルをいつまで続けるのか?同じ疑問は中国国内にもあると言うが、、、。結果的に現状では、軍事上だけでなく、経済圏上も中国の孤立が加速しているのだ。大国主義から抜けれない、プーチン・ロシアと同じ被害妄想に突き進むのか?
右上図は、バイデン大統領が2020年5月の訪日に合わせて設立を表明したIPEF:Indo-Pacific Economic Framework(新経済圏構想「インド太平洋経済枠組み」参照記事)一方中国は、第一列島線、第二列島線、そしてハワイにかけて第三列島線を独断で引いている。この「列島線」という考え方は、中国の大国主義:great powerism的な発想から生まれている。すでに周知のとおり、第一列島線内(十段線内)は自国海域と国際法無視の主張を軍事力を背景に周辺国へ押し付けている。こんな拡張主義は許されないと言うのが自由主義国家群の主張だ。過去ブログ:2023年10月カナダ哨戒機に中国軍機が異常接近 釣魚島領空:10月中国海警局の船がフィリピン 巡視船の航行妨害 1mまで接近:9月フィリピン、南シナ海で中国の違法障害物撤去、ベトナムは親米へ:9月中露首脳欠席でG20インドで開催:9月言う事としている事が噛み合わない中国に信頼は無い:
、、、この中国の独善を認めたかのような日本政府の安易な日中経済関係改善は将来に遺恨を残し、少なくてもアジアでの日本の威信を失いかねないのではないか?やっと二階が去った今、間違っても習近平を国賓で呼ぼうなどと言わないでもらいたい。過去ブログ:2023年2月専制主義中国に対し日本で有志国の結束を訴えた英トラス前首相:
素っ頓狂とっつぁん家でも坊ちゃんがしれーっと復帰。