アウディ、ポルシェ、シュコダ、ベントレー、ランボルギーニなどのブランドを擁するドイツの自動車メーカー・VWグループはこのほど、安徽省合肥(あんきしょう ごうひ)にある生産・イノベーションセンターの研究開発力の拡大へ25億ユーロ(約4103億円)を投資すると発表した。小鵬汽車(Xiaopeng)と提携し、2026年発表予定のミドルサイズSUVも含め新たにEV2車種を生産するという。
VWの最新の計画によると、2030年までに中国でEV 30車種以上を打ち出す。いずれも中国向けに特化したEVアーキテクチャー(CMP)をベースとし、2026年からコンパクトサイズのエントリーモデルで少なくとも4車種を投入するという。
VWグループで、本社のあるドイツを除き世界最大の研究開発センターとなるVW(中国)科技有限公司(VCTC)は、技術開発の中心地となるほか、中国との合弁メーカーと中国メーカーとの橋渡し役となってスマートコネクテッドカーの開発に取り組む。写真右:天津で路線バスとして走行中のスマートコネクテッドカー(2024年2月28日提供): 参考:中国天津市 初のスマートコネクテッドカーのモデル応用路線が開通:
工場の近代化や地場企業との関係強化などで、「中国では中国のために」をスローガンに顧客の意向を取り入れた車種を投入していく構えだ。現在VWでは中国で39工場、従業員は9000人を擁し、グループのブランド車は5000万人に愛用されていると語った。地場企業との合弁事業も順調に推移してきたという。
VWは中国で長らくシェアトップを維持しているが、このところ強烈な追い上げを見せるBYDとの差が縮まっており、2023年の中国での販売台数はBYD の302万台をわずかに上回る323.6万台であった。こうした状況から、BYDが優位に立つ「A級」と呼ばれるエントリークラスのスモール系EVに力を入れている。
VWの戦略は、研究開発力を強化し、中国のハイテク企業と提携することであり、「中国スピード」で技術革新をして製品の開発期間を30%以上短縮した上、より的確に中国のニーズに応じていく。
VW中国法人のCEOであるラルフ・ブランドシュテッター氏(Ralf
Brandstätter)は、A級の市場は今でもガソリン車が中心であるが新エネ車も十分に希望が持てると述べている。VWはこのクラスで14万~17万元(約296万~360万円)の新型4車種を打ち出し、優位性を維持した上で費用対効果と利益力のバランスをとる形にしていく。参照記事 参照記事 参照記事
、、、筆者の想像するVWの狙いは、中国でのEV製造で実利と販売台数を稼ぎながら、その先に在るスマートカーや無人走行車の開発と実用化では、、、つまり、うまく中国の国策に乗っかって、売り上げと開発を加速しようと言う戦略?こう考えれば、大型投資の意味も見えてくる。過去ブログ:2022年6月人権や不透明融資絡みでドイツの国策が中国離れに方向転換: