ロシア中部タタルスタン共和国Russia's Tatarstan region の当局は2024年4月2日、共和国内のエラブガYelabugaの経済特区とニジネカムスクNizhnekamskの石油精製所が自爆ドローン（無人機）攻撃を受けたと発表した。また、別なドローンが経済特区内の施設に着弾し、７～13人が負傷したと報道された。ロシア側は石油精製所を標的としたドローンは無力化したと主張しているが、火災が発生したともされる。映像　

ウクライナメディアによると、同国国防省情報総局は、ドローン攻撃が露軍の自爆ドローン製造工場などを標的とした特別作戦だったことを認めた。2023年6月５日米紙WSJ（電子版）は、ロシアが中部タタルスタン共和国エラブガで、イランが設計した自爆型無人機（ドローン）Shahed-136 Attack Drone（ロシア名：Geran ：geranium) ：上左 のライセンス製造工場建設を計画していると報じ、ウクライナの防空網を通り抜ける速度で飛べる新型エンジンを搭載した改良型無人機を製造、少なくとも６０００機を生産できる見通しだと報じていた。その工場が公開されたとの記事が最近出ていた。参照記事　

タス通信、他メディアによると、ロシアによるウクライナ侵略の開始後、ウクライナのタタルスタン共和国へのドローン攻撃は初めて。攻撃を受けた場所は前線から１２００～１３００キロ程度離れている。前線の戦況が全体的に膠着（こうちゃく）する中、ロシアとウクライナは数カ月前から、互いの後背地域にあるエネルギー施設や軍事関連施設を標的とした長距離攻撃を強化している。

ロシアのショイグ国防相Russian Defense Minister Sergei Shoigu;右は、4月2日、軍の幹部との会議で、ロシア軍が3月ウクライナのエネルギー施設に対しミサイルや無人機を使って192回の攻撃を行ったと述べていた。

また、ショイグ国防相は、一方的に併合したウクライナ南部クリミアを拠点とするロシア海軍の黒海艦隊の司令官にセルゲイ・ピンチュクSergei (Sergey) Pinchuk中将:左 が任命されたと発表した。また、ロシア海軍総司令官にアレクサンドル・モイセエフAlexander Moiseev提督：右下 が正式に就任した。これはウクライナとの戦争でのロシア海軍の失敗が原因とされており、海軍の指導部に問題があると指摘されている。

クリミア半島に停泊して居た主な艦船は現在、ウクライナの攻撃を避けてロシア領西部クラスノダール地方のノヴォロシースク’（ノヴォルシスク） Novorossiysk；港に移動した。ロシアへ繋がるクリミア大橋：Kerch Bridgeはウクライナの無人水上艇などの攻撃で幾度か損傷し、鉄路での人員輸送は間引き運転でかろうじて利用されているが、トラックでの危険物の輸送は、ロシア側が自主的に禁止しているようだ。　参照記事　参照記事　参照記事　参照記事　英文記事　参照記事　過去ブログ：2024年3月ウクライナがロシア黒海艦隊の揚陸艦2隻とインフラを攻撃：

ウクライナ軍の攻撃を可能にしているのは、一段の長距離飛行が可能なドローンの存在だ。より先進的な機能を備えたこれらの機体の一部には、既に基礎的形態の人工知能（ＡＩ）さえも組み込まれ始めている。ＡＩはドローンの操縦の支援に加え、電波的な妨害を回避するのにも役立つ。ウクライナのドローンプログラムに近い情報筋がＣＮＮに明らかにした。無人のセスナ機を使ったとの記事もある。

この情報筋によれば、電波妨害を仕掛けられながらもＡＩを駆使すれば正確な攻撃が可能になるという。個々のドローンが有するコンピューター端末には衛星データと地形に関するデータがインプットされている。飛行経路は事前に味方と共に確定しており、ドローンはその計画に従う。それにより、数メートル単位の正確さで標的を攻撃することができるという。参照記事