45ac5138旧石器時代の打製石器道具は「モード1:Mode 1」と「モード2:Mode 2 」に分類される。モード1は打撃によって石片をはがすシンプルなものが中心で、モード2は、それにくわえて石器の形状を整えるための加工技術が施されているものだ。
モード1の道具は、初めて発見されたタンザニア、オルドゥヴァイ渓谷の名にちなんで「オルドワン」と名づけられた。この道具は表面に簡単に加工が施されたシンプルな丸石の道具で、旧石器時代の200万~170万年前に使われていたことがわかっている。対照的にモード2の道具は同じ旧石器時代のものでも、少なくともふたつ以上の面に同じ加工が施されていて、モード1よりも全体的に洗練されている。およそ150万年前にはモード1と併用されていた証拠が見つかっている。いずれの道具もホモ・サピエンスが登場する前の時代につくられたものだ。

54899455-10572957-image-a-18_1646304084008Retouched-Tool-Patterns-in-the-CJW-Assemblage-1536x977中国科学院脊椎動物古生物学・古人類学研究所(IVPP)のペイ・シューウェン教授と、スペイン国立研究委員会(ISIC)歴史研究所のイグナシオ・デ・ラ・トレ教授率いる共同チームは今回、この発中国のニヘワン盆地でモード2の石器道具を発見した。
モード2の道具を使っていたヒト族の先祖は、およそ80万年前に東アジアに到達したとこれまで考えられていた。しかし、今回の発見によって110万年前にはモード2の道具を作っており、彼らは30万年も早くから存在していたことがうかがえる。
これにより、ヒト族が地球上でどのように広まっていったのか、これまでの理解を書き換える可能性が出てきた。 最初にやってきた彼らは、単独の孤立した入植者ではなかった。
遺跡から見つかった証拠によると、組織化された剥離技術や標準的な製作工程を使って、斧など道具の刃を作っていたことがうかがえ、モード2の道具を製作する産業全体が確立されていたことがわかる。製作途中で失敗した道具が捨てられた可能性もある。 彼らは熟練した道具職人で、学んだ技術を駆使して効果的な道具を大量に製造、再生産した。過去ブログ:2月120万年前の人類の先祖は黒曜石を加工 エチオピア
これまで考えられていたよりもずっと早くに東アジアで高度な道具を作っていたという事実は、この地域での先史時代に関する私たちの理解全体を再評価する必要があることを意味する。参照記事 英文記事 f8c0a10e、、、、人類の起源がアフリカと言うのが定説の中、アジア起源説も以前から存在するが、化石の少なさで確証はされていない。現存しているヒト科の生物はアフリカ起源のホモサピエンス(新人)から進化した現代人だけとされ、考古学の分類では、現代人の祖先、現生人類:ホモサピエンス の前に旧人(原始人類、時代は旧石器時代)と呼ばれる人類の祖先がいる。
0a64e58a有名なのは20万年から2万数千年~3~4万年ほど前まで欧州、中央アジアに存在したネアンデルタール人Neanderthals、デニソワ人;Denisovan だが、そのはるか以前に、別な系統がアジアに存在した可能性や、少なくても、技術や文化的な物が、アジア圏で先に誕生した可能性は十分にあるだろう。すでに、アジアで163万前の原人の存在は確認されている。 参考映像記事:定説を覆す!謎多き初期人類はデニソワ人なのか?日本人とデニソワ人: 過去ブログ:2023年10月人類誕生から古代日本 保存映像記事:8月最新のDNA研究で「稲作が大陸から伝わった」は間違い?⁉:5月人類のアジアから北米への移動がDNAから立証:2月120万年前の人類の先祖は黒曜石を加工 エチオピア:2022年10月ノーベル生理学・医学賞のスバンテ・ペーボ博士と日本人の起源:6月東アジアの原人ホモエレクトゥス出現は163万年前:5月ラオスでデニソワ人の大臼歯発見か?:2015年10月現生人類は欧州より早く中国大陸で出現したのか?:2012年3月「赤鹿人」は新たな人類の祖先か?デニソワ人との関係は?中国

nappi11 at 00:00│Comments(0) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

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