共産党が全てを決定し、全人民を監視下に置いて働かせるソ連の体制では、労働者のモチベーションは上がらず産業界にイノベーションも起こらない。生産性はゆっくりと劣化していき、国全体が貧しくなっていった。

FireShot Webpage Screenshot #697 - 'ロシア・プーチン氏が世界を敵1980年代の半ばになって、ソ連の指導者ゴルバチョフがようやく気づいた時には手遅れで、ソ連経済は疲弊し、アメリカとの冷戦でも白旗を揚げた。ゴルバチョフ書記長は、アフガニスタンと東欧各国に駐留していたソ連軍を撤収させ、市場経済を受け入れた。

これに不満を持つ共産党内の、共産主義の原理原則である一党独裁と統制経済を守ろうとする保守派がゴルバチョフ書記長打倒のクーデターを起こすが、ロシア大統領に選ばれたばかりのエリツィンの呼びかけに集まった数万のモスクワ市民が抵抗し、クーデターは失敗に終わった。

5d15f09885600a0cf13e6ef11991年、共産主義に絶望し、徹底した自由主義の信奉者になっていたロシア大統領エリツィンは、ウクライナ、ベラルーシとともにソヴィエト連邦からの脱退を宣言し、Cold_War_border_changesRSソ連の大部分がロシアだったので、この瞬間に共産党1党独裁のソビエト連邦体制は崩壊し、衛星国は独立し、ロシアになって領土は大きく減少した。

エリツィンは、ロシア経済を立て直すために、国際通貨基金(IMF)の緊急融資を受けてIMFの要求を丸飲みし、ロシア市場を開放したのです。

たちまち石油・天然ガスなどの豊富な地下資源が、外国資本やユダヤ系の新興財閥(オリガルヒ)に買収され、民営化され、自由競争が導入され、効率の悪い国営企業は廃業するか、民営化されていった。ロシア経済は急発展を遂げたが、自由化の恩恵を受けたのは、資源の輸出で稼いだ外国資本や新興財閥だけだった。

自由がなかったソ連時代には社会主義ゆえのよいこともあり、大学まで学費は無料、医療費も無料、全人民が公務員のようなもので失業もなく、年金も十分に支給されていた。しかしエリツィン政権は、IMFに命じられた財政再建のため、福祉予算をごっそり削減し、保険や年金の制度は事実上、崩壊した。国営企業の解体による大規模なリストラで生活が困窮した人々は、社会福祉も受けられず、特に高齢者の生活は悲惨なものとなった。

K10013985971_2302201448_0220145116_01_02壁が崩壊した時、プーチン氏はKGBの将校として当時東ドイツのドレスデンで勤務していた。ソビエト連邦が内部崩壊するのは、この2年後だ。 エリツィン政権時代に、首相として汚職の摘発やイスラム過激派の掃討作戦で辣腕を振るったプーチンは、ソ連時代の秘密警察(KGB)の出身で、ユダヤ系新興財閥のトップに収賄や脱税などの容疑をかけて逮捕し、彼らの財産を没収し、外国資本に握られていた会社を次々と国営化していきました。裁判の模様はテレビで生中継され、鉄格子に入れられた財閥のオーナーを見て、国民は溜飲を下げた。

FireShot Webpage Screenshot #696 - 'ロシア・プーチン氏が世界個人主義とグローバリズムへ大きく振れた針を引き戻したのが第2代プーチン大統領で、国営化復活で手に入れたエネルギー資源の輸出を財源とし、保険・年金制度を再建した。反対勢力に対して徹底的な弾圧を行う独裁色の強いプーチン大統領が、ロシア国民から強く支持される理由は、ロシアの地下資源を外資や新興財閥から取り戻し、国民に利益を還元してくれたからなのだ。

外資を締め出したことで、プーチンはグローバリスト、国際金融資本を敵に回すことになったが、この点で、「反グローバリズム」「米国ファースト」を掲げて当選したトランプ大統領とは、ウマがあうのだ。2016年の大統領選挙で、ロシアの情報機関がトランプ優勢になるよう世論工作をした、と民主党が主張する「ロシア・ゲート」はここにつながる。

AS20200703000298_commプーチン氏の生涯の計画は、旧ソ連国家保安委員会(KGB)が活動する国家の事実上の再現、ウクライナでの戦争の勝利、そして「ロシアを再び偉大にする」ことだ。プーチンは、2036年(83歳)までの続投を可能にする憲法改正案を提出し、国民投票の結果、賛成多数で承認された。事実上の終身大統領だ。2024年に72歳を迎えるプーチン。日本人の70歳はまだまだ元気だが、ロシア人男性の平均寿命はなんと67歳(女性は77歳)。

FireShot Webpage Screenshot #700 - 'プーチン氏に重なった「誤算」ともう先は長くないと自覚し、ナショナリズムへ傾倒しているプーチンが「最後の大仕事」として選んだのが、旧ソ連の「兄弟国」ウクライナへの軍事侵攻だった。

時代をさかのぼった彼の冷酷で国際秩序を無視した妄想は、今も続いている。ウクライナ侵略では、プーチン政権には侵攻開始から48時間で、ウォロディミル・ゼレンスキー大統領率いる親米欧政権を崩壊させる計画があったとされるが、現在に至る大きな誤算で全てが裏目に出ており、NATO体制は強化、拡大され、プーチンを追いつめているのも事実だ。今、敢えてこのまとめを記録したのは、党が国家の上に位置する中国、習近平体制にも似たような愚かさを感じるからだ。 参照記事:ロシア・プーチン氏が世界を敵に回しても成し遂げたい「最後の仕事」茂木誠(世界史講師):からの抜粋、引用と加筆、編集 参照記事 参照記事 1年前のニュース解説映像;ロシア“大失態” 70年以上の歴史に転換?北欧2国NATO加盟?;、、、規模は定かでないが、政策的にシベリアの少数部族民を最前線に送り込んだことで、シベリアで打倒プーチン、ロシアからの分離気運が高まり、一部は義勇兵としてウクライナ軍に参入している事実もあるようだ。また中露に共通する歴史の事実として、どちらも国民を農奴や奴隷として扱った時期がある。北朝鮮では、それが今も進行形だ。



nappi11 at 00:02│Comments(0) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

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