mapウクライナは、国産天然ガスのみを使用して現在の冬の暖房シーズンのガス需要をすべて満たしており、これは国家史上初めてのことである。現在、約100億立方メートルのガスが貯蔵されている。右は、2023年の記事からの、ウクライナの石油ガス埋蔵分布と採掘状況。
ウクライナ首相デニス・シュミハルUkrainian Prime Minister Denys Shmyhal は「私たちはウクライナの歴史上初めて自国のガスを使用してこの暖房シーズンを過ごしています」と彼は語った。首相は、ウクライナのナフトガス:国営ガス生産会社ウクルガスヴィドブヴァンニャNaftogaz:UkrGasVydobuvannyaが生産量を11%増加させ、その大部分が新たに開設されたガス64fafcc3dc28a井から来ていると強調した。同氏はまた、ウクライナは安定した電力網で冬を乗り越えていると強調した。
ウクライナのヘルマン・ハルシチェンコ・エネルギー大臣Herman Halushchenko, Minister of Energy of Ukraineは、ウクライナは早ければ2024年にも国産ガスを自国で供給できるようになるだろうと述べた。英文記事 英文記事 、、、心配していたが、戦争中と言う困難な中、開発資金を何とか世界中から調達して自国資源でのエネルギー自立の目途が立ったようだ。この図を見ると、クリミア半島も資源が豊富のようだ。
b6306b30最近中国は、計画の進んでいた、新たなシベリアの天然ガスの開発、購入に難色を示し、パイプライン等の開発はロシアが行い、ガス価格も引き下げるように注文を出したと言う。詳細は不明だが、事実ならロシアにとって予想外の事だろう。右図の中国への天然ガスのパイプライン「シベリアの力2」の商業的締結は、2023年6月時点で持ち越されたと確認されている。当時の記事では、2023年1月から4月の財政収支は3兆4000億ルーブル=日本円で6兆円を超える赤字に陥っており、ロシアの外貨収入の大半を占める石油や天然ガスへの制裁の効果だと指摘されていた。 過去ブログ:2023年6月ロシアの損失

最新の記事によれば、ロシア財務省が2024年1月11日発表した2023年の財政収支(速報値)は、3兆2400億ルーブル(365億ドル)の赤字だった。財政赤字の対国内総生産(GDP)比は1.9%と、22年に比べてやや改善したものの、政府の当初目標には届かなかった。歳入は前年比4.7%増の29兆1200億ルーブル、歳出は4%増の32兆3600億ルーブル。西側による制裁の影響で、石油・ガス関連の収入は前年比23.9%減となった半面、それ以外の収入が25%増えた。原油価格が高水準で推移したことや、ロシアが西側の制裁を巧みに回避した面もあったため、石油・ガス関連収入は8兆8200億ルーブルとなお相当な水準となっている。、、参照記事 上記は貿易面だけを見た数字で、戦費など国庫負担と外貨不足は急増しているはずで、近い将来財政運営が立ち行かなくなる可能性から、プーチン政権は2024年にかけて、停戦に向けた取り組みを本格化させざるを得ない状況に追い込まれと予測されている。参照記事 

images bhgこれまでの中露の経過:ロシア国営天然ガス独占企業ガスプロムGazpromは2023年10月19日、同国と中国を結ぶ天然ガスパイプライン「シベリアの力2」の設計に着手したと発表し、稼働中の「シベリアの力」についても、中国石油天然ガス(CNPC、ペトロチャイナ)と追加供給契約を交わし、年内に供給を開始するという。ロシアと中国は2022年初め、「シベリアの力2」を新設し、中国向けにロシア産ガスを年間100億立方メートル供給することで合意した。一方、「シベリアの力」は2019年に稼働し、30年にわたり供給する契約。2023年の供給量は220億立方メートルの見込みで、2025年までに年間380億立方メートル供給する。契約額は総額4000億ドルを超えるとされていた。参照記事
screenshot(7)2024年8月20日:中国紙が、ロシアからモンゴルを経由して中国へ向かう天然ガスパイプラインプリジェクト「シベリアの力2:Power of Siberia2」の計画がとん挫し、モンゴルも長期計画から除外したと映像記事が報じた。モスクワの要請に対し、中国は難色を示していたと言われていた。この種の計画は共同出資で通常行われるが、先行き不透明なロシア経済に対し中国が敬遠したか、或は、中国の経済低迷が要因かは述べられていないが、今のロシアと組みたい相手はいないだろう。

nappi11 at 00:01│Comments(0) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

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