
戦争では苦戦していたとしても、軍需で雇用が確保されるので平時より「好景気」になりやすく、ウクライナもロシアも失業率は低い。若く健康な男性がうろうろしていると昔の憲兵みたいなのに引っ張られて徴兵になるので、公園やレストランには女子供老人しか居なくなっている。
1991年のソ連崩壊後、ロシアは大国の地位から滑り落ちてしまった。プーチンは大統領に就任後、立て続けに経済施策を敢行し衰退していたロシア経済を8年間でGDP(国内総生産)は72%増加、実質所得は2.5倍、実質賃金は3倍以上、失業と貧困は半減、対外債務の期前返済と数々の偉業を成し遂げた。国民の間にはこの第一次政権の時の強いプーチンのイメージが残っていて、侵略後の支持率上昇は、国民が必要とするのは自由や権利よりも国を団結させる強いリーダーシップを発揮する大統領である事を示した結果と思える。参照記事 その彼が今しているのは、、、
徴兵による地域差の訳:ロシアではモスクワやサンクトペテルブルクのような大都市では徴兵しないか、してもロシア国内の安全な基地に派遣して死なないようにし、地方の少数民族や貧困地帯の若者を徴兵してウクライナに派兵し、都市出身の兵士はそうした田舎兵士の補充として極東や中央アジアロシア領に配属されている。
大都市はプーチンと支配層の支持層だから動揺しないように配慮しているので、日曜の朝に棺桶が1000個大都市に運ばれて母親たちが泣き崩れることは起きない。
プーチンは都市ロシア人から不満が出ないように配慮しているので、インタビューすると意外に戦争支持が多かったり肯定的な発言をする。インタビューが「政府の罠」なのを警戒しているのもあるが、ロシアの都市生活者に戦争は他人事に近く、「少数民族が犠牲になるだけなら構わない」と考えている。
都市生活;ユーチューブを見ると都市のスーパーでは商品や賞品が豊富にあり野菜類は1キロ100円程度のことがあり、収入があれば生活水準もそう悪化していない。
その収入は、ITか非ITかで大差があり都市のプログラマーなどは月給30万円以上、機械系も戦争で需要があるので悪くない収入だ。もっとも収入が低いのは教師で都市でも5万円程度、ソ連時代からロシアでは教師など知識人が軽んじられて教師はアルバイトをしないと生活できない。
2023年になってモスクワや内陸部の都市にウクライナの自爆ドローンが飛来するようになったが、威力は一部屋に火災を起こす程度なので騒ぐだけで被害は小さい。
住宅ローン優遇金利がバブルを招いた:プーチン政府は都市住民の不満を抑えるために、多額の資金を投じて新築住宅向けに低利融資を提供してきたので需要の上昇で不動産価格が上昇した。
2023年10月までの住宅ローン組成額は前年比72%増の700億ドル(約10兆円)に達し、年間ベースの過去最高を更新し、このうち半分以上が、支援制度による融資だったが、住宅ローンの市場金利(最低金利が16%)と優遇金利(6%または8%)の差は、政府が銀行に補てんするので将来のロシア財政を圧迫する。一方政府は、多くのエネルギー企業を国営化するなどの手法で税収を確保し、資源価格や売れ行きは確保されているので財政破綻もせず、西側の様に光熱価格の高騰は起きていない。
新築住宅と中古住宅の価格差は侵攻前に10%だったが優遇措置後は40%に拡大しているので、実際には優遇措置の分だけ「高く購入させられている」事になる。ムーディーズは「住宅ローン金利の補助で節約した分が帳消しになっている」と指摘し、融資を受けた世帯収入の80%が住宅ローン返済に充てられている。年収200万の世帯で160万円返済していると言う事で、こうした異常な経済がいつまで持続するかは神のみぞ知るところ。
補償金、支援金経済:この金の出どころとして、ウクライナで死亡した兵士の遺族は、政府から500万ルーブルを受け取れるほか、地方当局や年金、保険金からさらに数百万ルーブルを支給される(1ルーブルは1.5円)。多くの遺族が義援金を不動産購入に充て「自分が豊かになったと感じている」そうで、こうした事で遺族の不満を抑えていると見られる。だがウクライナで亡くなった露軍兵士は米英軍などの分析で10万人近いので全員の遺族に1000万円配ったらそれだけで1兆円にもなるが、おそらく都市では1000万円だが貧困地帯や少数民族は安い筈だ。
補償分配で不満を抑える:時折遺族が不公平などで不満を訴えてデモを起こしているが、そうしたデモに参加すれば補償金などを減らすというのもありそうな話で、遺族補償を人心掌握に利用しているだろう。また政府は、軍への入隊やITなど特定業種への就労、極東や北極圏などへの移住促進に住宅ローン支援策と現金支給をしている。
ローン(貸付)のバラマキで資産を持たす:加えて「北極圏のマイホーム」キャンペーンでは、北部地域の住宅購入者に最大150万ルーブルを支給し、シベリアの辺地にあるトゥバという地域では住宅ローン額が2倍になった。ロシアが占領したクリミア半島でも住宅ローン合計額が倍増していて、クリミアに移住したロシア人や、元々の住民がロシアの住宅ローンを利用していると思われる。占領地のウクライナ住民がロシア化するとロシア政府の支援を受けられる訳で、ロシア軍は占領地からウクライナ人軍に徴兵してはウクライナ軍とたたかわせている。参照記事
、、、一部修正し補正しても分かりづらい部分があるが、補償金や優遇貸付を利用して人心を操作している状況が分かる。こんな状況がプーチン支持率80%を生んでいるのだろう。厳重な言論統制の中、うっかり政府批判でもすれば、もらえる恩恵も貰えなくなり、弾圧されると言うのが実情だろう。しかしロシア国民の一部は、プーチンの誤算に気が付きつつある。国が富むと言う事は、決して金銭だけでは無いはずだ。この飴と鞭(むち)の専制政治を国内でしている分にはロシア人だけの問題だが、それを国外、近隣諸国にまで拡大する事に彼の異常さが在る。


それとも、読売系には親露が多いのかな・・・