
政府の目指す再生可能エネルギーの普及は遅れ気味で、産業界からは「(脱原発による)発電容量の減少で電力価格が上がり、独経済の競争力が損なわれている」(経済専門家)と不満が出ている。
7~9月期には昨年以後で、四半期ベースとして3度目のマイナス成長を記録した独経済。不調の要因は物価高や金利上昇、輸出低迷など複合的だ。さらに日米と比べて割高な電力価格が、中長期的な産業の空洞化につながらないか危惧されている。
右図の10ヶ国の家庭用の電気料金データの推移を見ると、欧州諸国を中心に、2022年に急激に電気料金が上昇していることがわかる。具体的には、デンマークやイタリア、スペイン、英国である。なお、ドイツについては急激な上昇とはなっていないが、これは24ヶ月間の固定料金を選択している世帯が多く、市場価格が反映されるまでにタイムラグがあることに起因している模様である。そのため、今後、急激な上昇を示す可能性がある。図の参照元
ドイツ経済研究所(IW)のミハエル・ヒューター所長は「原発を止め、再エネ拡大を怠った政治に責任がある」と苦言を呈する。IFO経済研究所などが9月後半に経済学者ら205人を対象に行った調査でも、58%が脱原発に否定的だった。もっとも、割高な価格の原因が脱原発にあるのかは判然としない。このところの電力高騰はロシアに依存していた天然ガスの供給が滞ったことが主因だった。不景気から抜け出せないいらだちが、賛否の割れる脱原発に向かっている側面もある。
ショルツ首相は「原発の話はドイツでは無駄骨だ」と切り捨てるが、連立与党も一枚岩ではない。産業界に近い自由民主党(FDP)のクリスティアン・デュール院内総務は核融合や次世代原発を挙げて「私たちはオープンだ」と主張。景気が上向くまで当面は脱原発がやり玉に挙げられそうだ。参照記事 参照記事


後出しジャンケンで勝手にルール作って電力会社批判してもねえ・・・。