
防衛相が、秘密情報が漏えいしたとの事実は確認していないといっているにもかかわらず、ネットメディアやSNSは、およそワシントン・ポストの記事が正しいものとして、政府の対応を非難する論調で溢れかえった。日本政府の発表よりも米国のメディアの方を信じるのは、相次ぐマイナンバーシステムの不備や年金機構の情報漏えいなど、日本政府のIT構築力のなさに多くの日本人が愛想を尽かしているからにほかならない。
米国サイバー軍は、東京(筆者注:市ヶ谷の防衛省を指す)に対し、[侵害の範囲を特定し、中国のマルウェアのネットワークからの除去を支援するサイバー捜査チーム、ハント・フォワードチームの派遣を提案した」ものの、自衛隊は自分たちのネットワークに他国の軍が入ってくることに不快感を持っていたと元軍当局者は語った、と米側記事に在るも、その後の推移は不明だ。

その根拠の一つにデータ・ダイオードの存在がある。数年前に数億円の規模で日本の電気メーカーに特注品としてデータ・ダイオードを開発させ、納品されているからだ。機密性の高いデータは、データ・ダイオードで区分けされた領域(ドメイン)に置かれているため、外部からのハッキングはできない仕組みになっている。
光ケーブルは一方向にしか信号が伝送できないため2本の光ケーブルを1組として使用している。データ・ダイオードは、この2本のうち1本を物理的に切断して、インターネットの信号を一方向にしか流れなくする装置だ。
サイバーセキュリティの世界には「絶対に破れないシステム」はないといわれているが、データ・ダイオードは物理的な構造を直接操作しない限り、絶対に破れない防御技術である。欧米はもとより、日本でも航空・交通管制システムや発電所システムなど広く普及している技術で、原子力発電所などでは設置が義務付けられている。
政府は、このような技術の民間システムへの普及はもちろんのこと、ただ恐怖を煽るだけのセキュリティベンダー(セキュリティ対策事業者)の受け売り話だけでなく、安心して使用できるセキュリティ技術があることを啓蒙すべきである。参照記事より抜粋



日中友好議連会長に4月に就任した二階氏は、8月下旬~9月上旬の間の訪中を検討し、岸田総理が8月31日、二階元幹事長に中国訪問を要請したそうだが、何の品位も無い、その程度の自称政治家に、おかしな手土産は持たせないことだ。
いま日本政府に求められているのは、中国との安易な妥協ではない。中国は、日本側が「関係正常化」という言葉に弱いことを理解しているため、事態を少しでも自らに有利な形で幕引きにすべく、甘言と揺さぶりの搦め手を用いながら、「問題解決」に向けて日本政府に妥協を迫るであろう。現在、日中間の基礎的な信頼関係は、もはや崩れているといっても過言ではない。かつての「日中友好」の幻想に基づいた時代はとうに過ぎ去り、いまやわれわれの眼前には厳しい地政学的な現実がある。参照記事
コメント
1. Posted by うっちー 2023年09月09日 07:32
中国との関係、その着地点をどこに据えるかは悩みますよね。インドの労働力、中東の石油・ガス、ブラジルやオーストラリアなどの食料・鉱物、どれも比較優位があり、そのいずれが欠けても経済成長に影響する。トルコやアジアの国々のように全方位で付き合い強国を過度に刺激しないバランス外交ができる政治家が出てきてほしい。