2023年9月1日：米紙ニューヨーク・タイムズは最近、米当局の話として、ウクライナ側の戦死者が7万人、負傷者は12万人に上っていると報じた。ウクライナ軍の兵士は50万人強なので、驚異的な人数だ。民間人の死者については、国連が9177人だとしている。写真：オクサナOksana さんは夫パヴロPavloさんの墓のそばで涙を流していた。オクサナさんは、パヴロさんが戦死したら自身が戦場に行くと約束していたという。オクサナさんはこの2カ月、バフムート郊外で、偵察ドローン部隊の一員として戦闘に参加している。
アメリカ国防総省から流出した推定データでは、ウクライナの死者は2023年4月時点で1万7500人とかなり少なかった。それが一気に7万人以上に跳ね上がったのは、南部での反転攻勢が一因と考えられる。反攻の初期は、ウクライナの歩兵にとって特に厳しかった。過去ブログ：2023年6月ロシア軍塹壕に突入のウクライナ兵の接近戦映像と戦況：6月ウクライナが東部で攻勢開始か？と勝つべき理由：、、、、ウクライナ軍の南部での攻勢では、ロシア軍が2重、3重に張り巡らした線上の塹壕で待ち構える中、各地で正面攻撃をしなければならなかった。その塹壕の前には地雷原が広がり、戦車を防ぐ「竜の歯」が置かれていた。過去ブログ：2023年5月ロシアの守備、衛星画像で明らかに:　

ある旅団司令官は「バフムートよりひどい」と言った。ウクライナは現在戦術を変更し、ロシア軍の守備の突破を目指し始めた6月は、訓練を受けたばかりの若い兵士らに多くの犠牲が出た。連日、何十人も死んでいると、当時ドネツク州ウェリカ・ノヴォシルカ村の周辺で戦っていた上級軍曹は話していた。
全体的には、ロシアの犠牲者のほうがはるかに多い。アメリカの最新の推定では、約12万人が死亡している。しかしロシアは軍も人口も、ウクライナよりはるかに規模が大きい。痛みを引き受けるロシアの能力は無限大にみえると、前線のウクライナ兵たちは言う。参照記事　英文記事　戦況に関しＮＡＴＯは8月31日、ウクライナ軍は予想以上の戦果を挙げ、各地でロシア軍を排除していると述べている。参照記事

8月30日、スペイン・トレドでの欧州連合（ＥＵ）加盟国国防相非公式会合の開始前に、オランダのオロングレン国防相が、ルーマニアとオランダは、ウクライナの防空強化のために、戦闘機Ｆ１６の操縦士を訓練し、またＦ１６へのサービスを提供する拠点をルーマニアに設置する意向を確認する書簡に署名を行ったと述べた。
また、欧州連合（ＥＵ）のボレル外務・安全保障政策上級代表は30日、ＥＵは対ウクライナ訓練ミッション（ＥＵＭＡＭ）の一環で行われているウクライナ軍人の訓練につき、目標の３万人の数に期限前に到達しそうであり、目標数値を上げて、年内４万人とする可能性を検討していると発言した。参照記事　参照記事　
ゼレンスキー氏は、死傷者の多さと戦争の長期化や全土的戦後復興を見据え、今後150万人の人員確保の必要に触れ、退役軍人の活用等への法改正を提言した。参照記事