FireShot Webpage Screenshot #970 - 'フィンランド「右翼政権」FireShot Webpage Screenshot #969 - 'フィンランド「右翼政権」誕生最近、欧州で右翼や極右政治が台頭しているといわれるが、フィンランドでも2023年6月末に、最も右翼寄りとされる連立内閣が成立した。4党の連立内閣を最も右翼にしているのは、フィンランド人党 Finns Party(PS: Perussuomalaiset)である。
内閣成立後すぐ、フィンランド人党の4人の大臣の過去の人種差別的な言動が次々に報じられ、衝撃を与えた。
内閣発足10日にして辞任に追い込まれた経済大臣、続いて後継者になった経済大臣、党首の財務大臣、また内務大臣の過去の発言が明かされて問題視され、連日議論が続いている。最も大きな問題になったのはレイシズム racismである。
pic_5_5867801_k8203827_1200新たに経済大臣になったヴィッレ・リュードマンWille Rydman(37歳)も、当時交際していた女性への携帯メールへのメッセージで、「ソマリア人のように広がって増える」「雑草のように広がる」「砂漠の猿に吐き気がする」などと書かいたとして問題になった。ソマリア人は東アフリカ・ソマリアからの難民や移民で、その受け入れは1990年代に始まった。現在、フィンランドには2世も含めて約23000人が在住している。リュードマンの辞任を求める声もあったが、現在まで辞任はしていない。
imagesんbh2人の経済大臣をめぐる騒動に加え、フィンランド人党党首で新内閣の財務大臣に就任したリーッカ・プッラRiikka Purraも論争の対象になった。プッラ氏は46歳の女性だが、15年前の2008年、あるブログに人種差別的な投稿をしていたことが問題化された。現在財務大臣のプッラ氏は2004年に政治学で修士を取得。2016年にフィンランド人党のプランナー、2019年に国会議員、2021年に党首、今年は財務大臣とキャリアを進めた。2児の母でもある。才能ややる気があると、キャリアをスピーディに開いていけるのは分野を問わずフィンランドの特徴だが、それが女性にも可能な社会である。
 
-1x-1.png2023年6月末に公表された「政府の計画」では、国の借金を減らすための政府支出の大幅な削減、住居手当や失業手当など社会保障の削減、会社の解雇権の強化、ストライキ権の制限などが挙げられている。高所得者層の優遇、低・中所得層の締め付け、自己責任の増大などを伴うもので、様々な労働組合や職業同盟がすでに反対や批判の声を上げている。この計画は、新自由主義やサッチャリズム:Thatcherismを持ち込み「北欧型福祉国家」を変容させていこうとするものでもある。  7月の世論調査によると、回答者の半数以上がこの内閣は4年は持たないと考えている。フィンランドでは、6月から8月の3ヶ月近くが夏休みだ。9月からの国会の進展がどうなるか、、、。前回選挙では、野党は政府の財政政策を批判し、国民連合は支出削減を、フィンランド人党は緊縮財政を提唱し、結果、右派フィンランド人党が第2党に躍り出た。 参照記事 過去ブログ:2023年4月NATOが対露援助の中国を痛烈批判とフィンランドの加盟:4月フィンランド総選挙 野党保守派僅差で勝利
951d7261、、、福祉国家で幸福度が高い北欧フィンランドで右派が台頭と言われても、筆者のフィンランドでの生活経験から別に驚かない。当時から徴兵制が在り、学校での国旗掲揚では国歌も歌った。学友と話せば当時のソ連をけなすジョークが飛び交い、意外と民族主義的な考えを述べる学友が多かった。ソ連と勇敢に戦った歴史がよくTVで流れていた。EUに加盟し、それまでの様な独自の国防意識が薄まり、移民が増えれば、右派的言論が強まるのは当然で、右に行き過ぎれば、また少し中道へ戻るのを繰り返すのでは、、。
d902277d右派寄りになるのも、侵略を開始したプーチンの専制国家と1300kmの国境で隣り合わせでは止むを得ない現象と見ている。写真上の右は国会で、img_9adfe422b1c992fe5e0dbee7d880a4c8489024一時その近くに住んでいて、米国の大統領が来ている時、深夜の帰宅途中に職務質問された記憶がある。通常は何の警備も無く、そこが国会だとも知らず、平和な国だなと思った記憶がある。人種主義については、無いとはいえないが、日常特に感じる事は無かった。50年前の話だが、今も住んでいる友人との話でも話題にはならなかった。
前大戦で枢軸国側だったフィンランドは、終戦後多額の賠償金を払い、南東部のカレリア地方(紫色)を連合国側だったソ連に割譲して今に至っているが、仮にロシアがウクライナ戦争で敗戦すれば、過去の割譲地域が浮上し、この事は日本の北方4島の返還にも影響するかもしれない。参考:フィンランドがロシアを心底恐れる理由

nappi11 at 00:02│Comments(4) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

コメント

1. Posted by 甲東   2023年08月30日 05:29
EUは、一人当たりGDPをベースに加盟地域を3つに区分し、低い地域ほど各種補助金が多くもらえるようにしている(あくまでも人口比の話しだが)。先進、移行、後進地域の3つ。
少し驚いたことに、フィンは移行となっている。スウェは先進。頑張ろう。
区分図を見ていると、神聖ローマ帝国が東欧を支えているという感じ。皇帝が生きていたらニンマリでしょうね。弱小国ウにちょい邪魔されたが。
2. Posted by 甲東   2023年08月30日 07:19
神聖ローマ帝国ならロシア帝国に名前負けしない。むしろ、上をいく。
まず、経済的に取り込み、1次産業国とし、二進も三進も行かなくする・・・なんちゃって。
3. Posted by 甲東   2023年08月30日 18:55
しかし、今の状況でウやトルコを取り込む余裕は無いと感じる。早くポーランドが西欧並みになってくれないと。今の倍のGDP。
ポは東部が弱い(ワルシャワ周辺は除く)。現政権の法と正義の基盤。西部は長くドイツが支配していたためか、インフラがかなり揃っていた。東部は全てが弱い。
4. Posted by 甲東   2023年08月31日 07:11
GDPを倍にする。言うは易し。元々、ご本人達がそこまで望んでいないかも。
ポは未だ増し。ルーマニア、ブルガリアなどはおんぶにだっこ状態。両国併せて2700万人ほど。そこに、おんぶにだっこに肩車に羽交い締めのウだけで4000万。さすがの皇帝もため息。いっそ、ロシアも入れようか。

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