

「雨のように銃弾を浴びせられた」と題されたHRWの報告書は、内戦で揺れるイエメンを経由してサウジアラビアを目指した数百人の移民が、射殺されたとしている。その多くはエチオピア人だという。BBCの取材に対して複数の移民は、銃で腕や脚を撃たれたと話した。移民ルートのあちこちで複数の遺体を見たという。
サウジアラビア政府はこれまで、定まった方針のもとに国境沿いで移民を殺害していると非難されても、これを否定してきた。
証言によると、サウジアラビアとイエメンの間の国境地帯でサウジアラビアの警察や兵士が、銃や爆発物で移民を攻撃しているという。複数の移民は、夜間に国境を越えようとする際、多くの女性や子供を含むエチオピア人の集団が、一斉射撃を受けたと話した。エチオピア人たちは職を求めて、原油収入でうるおうサウジアラビアを目指している。
モハメドさんは昨年7月、45人のグループで国境を越えようとした最中に銃撃されたという。彼は、イエメンとエチオピアの密入国業者たちから暴力を受け、危険と飢えに苦しみながら、3カ月かけてサウジアラビアを目指したが、新天地への旅はそこでいきなり残酷な形で中断された。膝下から左脚を切断する羽目になったモハメドさんは、今ではエチオピアの両親のもとで暮らしている。よく合わない義肢をつけ、松葉づえをついて歩く。
国連の国際移住機関(IOM)によると、年間20万人以上が「アフリカの角」から海を渡ってイエメンに入り、そこからサウジアラビアを目指すという危険な旅に挑む。複数の人権団体によると、途中で大勢が監禁されたり暴力を受けたりする。海を渡る、そのことだけでも危険だ。先週にはジブチ沖で移民船が難破し、24人が行方不明となっている。イエメン国内に入っても、最もよく使われる移民ルートの随所に途中で死亡した人たちの墓が点在している。
報告書は2022年3月から今年6月までの期間を対象にしたもので、爆弾など爆発物が含まれる武器が関係する事案28件と、至近距離からの発砲14件を取り上げている。
国境地帯は奥地にあり、生存者を見つけるのは非常に難しい。そのため、国境沿いでどれだけの移民が殺害されたか推計するのは不可能だと、報告書の筆者たちは言う。「少なくとも655人だと考えているが、おそらく数千人規模だろう」と、ハードマン氏は言う。「加害行動は随所で組織的に行われており、人道に対する罪に相当するかもしれないと、私たちは事実にもとづき示している」。ニュース映像
サウジアラビア政府は、指摘された内容を深刻に受け止めているとしつつ、国境地帯での殺害が組織的で大規模なものだという国連側の主張は強く否定した。「提示された限られた情報をもとに、王国の当局が調べたものの、指摘内容を確認あるいは裏付ける情報や証拠は見つからなかった」と、サウジアラビア政府は反論した。
両国の人口を合わせると2億人に迫る。ドンドン受け入れれば飲み込まれる。
エチオピアはキリスト教徒が多いだろうし・・・