900x506_cmsv2_2c86c48dロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は2023年7月28日、アフリカ諸国の一部の首脳が提示したウクライナ紛争終結案について、政府として「慎重に検討している」と述べ、プーチン氏は、サンクトペテルブルク(St. Petersburg)で開催されている第2回「ロシア・アフリカ首脳会議」the 2nd Russia-Africa Summit の2日目の協議に臨み、同案について「イニシアチブを尊重する。われわれは慎重に検討している」と話した。(筆者:イニシアティブには主導権の意味があるが、この場合「政治的提言」の意味と理解していいだろう)
screenshot(3)プーチン氏は演説で欧米の制裁がアフリカへの食料供給を「妨害している」と主張した上で「必要とする国や地域に無償を含め穀物や食料の供給を続ける」と述べた。27日にはジンバブエやソマリアなどアフリカ6カ国に最大5万トンの露産穀物を今後4カ月以内に無償供与すると表明した。 一方、28日の会合ではコンゴ共和国が「紛争の終結を改めて求める」と表明。エジプトからは穀物輸出合意の復活を求める声も上がり、アフリカ諸国の取り込みを図る露側の思惑通りにいくかは見通せない。
765aadf0ロシア政府は、アフリカ54か国のうち49か国の政府関係者や企業の代表などが現地を訪問し、経済協力や人道支援などについて意見を交わすとしたが、首脳が参加する国の数は17か国と、前回の43か国の半分以下にとどまった。これについてロシア大統領府のペスコフ報道官Dmitry Peskov, Putin’s spokesmanは26日「首脳会議への参加を阻止するため、欧米がアフリカ各国の指導部に圧力をかけている」と不満を示していた。(実際、エジプト、中国の対ロ外交はかなり複雑だ。 過去ブログ:2023年4月機密文書から見る今後の展開とロシアの内情 ウクライナ:)

317d2256 ロシアは先に、ウクライナ産穀物の黒海(Black Sea)経由の輸出合意から離脱。これを受けて、アフリカ諸国に懸念が広がっている。6月には、アフリカ代表団がウクライナとロシアを相次いで訪れ、仲介を申し出た。この仲介案には、戦闘の縮小、ロシア・ウクライナ両国への安全の保証、主権の相互承認などが盛り込まれていた。  ウクライナ側は、同案ではロシア軍がウクライナ領内から完全撤退しないまま休戦になるとして拒否。またロシア側も、アフリカ諸国の提案は「実行が極めて難しい」との見解を示していた。参照記事 参照記事 参照記事 過去ブログ:2023年7月ロシアがウクライナ南部ドナウ川の穀物倉庫破壊;7月ロシアが合意済み穀物輸出を停止.「食料を武器化」の非難も; 



nappi11 at 00:01│Comments(1) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

コメント

1. Posted by 甲東   2023年07月30日 06:28
ワグネルがグイッと手を突っ込んできた感じ。存亡の危機ということだろうか。
サヘル地域は国の体裁を採っているだけで、実態は御山の大将の集まり。直ぐグジュグジュになりそう。一番バタバタする先進国は旧宗主国のフランスか。ウどころちゃうわ・・・

コメントする

名前
メール
URL
絵文字