
ベーアボック(Annalena Baerbock)独外相は発表に当たって、「ドイツは変わった。中国政策も変わった」と述べ、中国との経済関係を重視したメルケル前政権との違いを強調した。戦略では、多くのドイツ企業が中国市場に進出している現状に触れ、「中国がルール重視の国際秩序からさらに離脱していけば、中国市場への重度の依存は問題をもたらす。企業や団体にとっても同様だ」と明記した。「過剰なリスクを回避」するため、企業や産業団体との話し合いを進める方針を示した。政府はドイツ企業への信用供与にあたって、「技術移転の危険性」を考慮するとした。ドイツ経済省はすでに2022年12月、中国との取引が多い国内企業に対し、政府との情報共有や定期的な健全性審査の実施を義務付けることを提案している 参照記事。
中国はドイツにとって、最大の貿易相手国。特に、自動車産業は対中依存が強い。フォルクス・ワーゲン(VW)やBMWなど大手企業が、中国の電気自動車(EV)市場に期待して、中国への投資を発表していた。参照記事
これより先、急激な中国への依存度の高まりから、台頭する中国へ危機感を持ったドイツは、2023年3月18日、新しい定期協議の枠組み「日独政府間協議」を立ち上げた。そして現在ドイツは、中国偏重だったメルケル政権時代のアジア政策を転換し、日本重視にシフトした。欧州の盟主ドイツと日本の連携は、主要7カ国(G7)の結束を示すことにつながる。「あらゆる分野における連携を深めるチャンス」と、ショルツ独首相は訪日前、日本経済新聞のインタビューで語った。
ベーアボック外相は2023年4月14日、北京で中国の秦剛(Qin Gang)外相と会談し「中国はなぜこれまで侵略国であるロシアに停戦を求めなかったのか?」と指摘し、会談後、「ロシアの侵略者」に戦争の停止を求めるよう中国に要請した事を公表した。また、台湾への統一圧力を強める中国の動きには懸念を表明、「争いは平和的に解決されるべきだ。一方的かつ暴力的な現状変更は、われわれ欧州人には受け入れられない」と述べている。前回のG7外相会合では、ドイツから(G7議長国の)バトンを引き継いだ日本を「100%頼れる」と評価する発言をしている。参照記事 参照記事 参照記事
、、、3月の日独首相と複数閣僚による初の「日独政府間協議」を目にした時、ドイツが中国との今後の関係をどうするのか気になっていたが、今回7月13日の独外相の表明で、きっぱりと中国へ三行半を突き付けた格好だ。
中国が、膨大な投資と時間を掛けた欧州まで伸びた一帯一路に陰りが見え始めたと言うのは時期尚早か?この流れに、中国は日本に何かと八つ当たりしてくるだろう。そういう国だ。
すでにG7は、中露への警戒感を公式に表明しており、中国と自由主義陣営との溝は、政治的、経済的に深まるばかりだ。全ては、ウクライナ戦争への対応を読み違えた中国の失策で在り、この事だけ見ても、ウクライナ戦争の行方は、日本にとっても大きな問題で、この戦争で中露が後退し、新たな経済枠組みと国際的地位で日本が浮上する可能性がある。ウクライナのは戦局に目が行きがちだが、筆者のブログから、この戦争が起因の国際経済の変化も読取ってくれれば幸いだ。 過去ブログ:2023年7月ロシア・ウクライナ戦争は消耗戦に=NATO事務総長:7月TPPが英加盟で12カ国に、ウクライナも加盟希望表明:7月プーチン氏、SCO首脳会議で制裁への抵抗を宣言とインド: 参考映像記事:中国経済に大打撃!欧州連合が中国通信機器を全面禁止!: