ロシアの雇い兵組織「ワグネル」にベラルーシ政府が提供したという軍事キャンプを、BBCのスティーヴ・ローゼンバーグ・ロシア編集長が取材した。現時点では、ベラルーシ兵しかいない様子だった。この基地の目的はまだ明らかではないが、5000人を収容できるという。ワグネルはどこにいるのか? この基地にやってくる可能性はあるのか? 基地内を取材しながら答えを探した。映像記事 参照記事
この基地は、ベラルーシの首都ミンスクMinsk, the capital of Belarus.から約90キロ南東にあるツェル村Tsel village近くにある。7月6日、ベラルーシのアレクサンドル・ルカシェンコ大統領は、傭兵長官エフゲニー・プリゴジンがロシアにおり、彼の軍隊はこれまでのところ本拠地(ロシア内)に留まっていると述べた。英文記事
反乱が失敗に終わった5日後の6月29日に、プリゴジン氏とワグネル司令官ら35人が、モスクワの大統領府に招かれ、その場でプーチン氏は、ウクライナでの戦争におけるワグネルの行動と反乱について「評価」を述べたという。プーチンは、ワグネル兵士とロシア軍が新たな契約をすることに同意し、プリゴジン氏はプーチン氏に対し、ワグネルが無条件でプーチン氏を支持していると伝えたという。
ワグナー部隊は、モスクワへ進撃中ほとんど抵抗を受けず、少なくとも6機の軍用ヘリコプターと1機の指揮所航空機を撃墜し、少なくとも10人のロシア空軍士を殺害した。プーチンは、それらの行為すべてを不問にしたようだ。参照記事 過去ブログ:2023年7月衛星でベラルーシにワグネルの宿営地確認?とポーランド、日本:
ワグネルのアフリカでの展開先には不安定な政治・経済・社会情勢に加えて天然資源が豊富という共通項がある。過去にもアンゴラやシエラレオネでダイヤモンドなどの採掘権が民間軍事会社への支払いに利用されたことがあるが、左右の図を比較しても明らかな通りワグネル派遣とロシアの天然資源外交は一つのパッケージである。すでにレアアースを含む天然資源やインフラに関する利権がワグネルや関連会社に渡っている事で、プーチンも、魅力的な鉱物資源の入手経路としてワグネルを切り捨てる事は出来ず、ワグネルも、ロシア国防省に依存しなくても、組織を運営できる可能性を持っているとされる。参照記事 、、、図には無いが、イエメンでは反政府組織フーシ派鎮圧に参加したとして、ハディ政権を支援するサウジアラビア、南部暫定評議会支援のアラブ首長国連邦UAEからワグネルは30億ドル(約3900億円)の財政支援と軍事物資を受けたとされている。過去ブログ:2023年3月中国仲介でサウジ・イラン外交関係正常化?とイエメン: