

以前のブログ 2023年6月
領土放棄をウクライナに迫る国に、自国領をロシアに渡せ:でポーランドの熱いウクライナ支援を記録したが、ロシアの侵略前から、NATO加盟国の中でもひときわ強い調子で対露強硬姿勢を見せ、ウクライナへ、米国に次ぐ武器支援をしているのがポーランドだ。過去に、ナチスとソ連に国土を分割されたポーランドとしては、2度とその悪夢を見たくないと思って当然だろう。
ポーランドのモラヴィエツキ首

相(
PM Morawiecki of Poland:2023年3月訪日):左 に至っては、筋金入りの反共主義者で、学生時代当時、社会主義体制に反発し幾度か逮捕もされている。過去ブログ:2023年6月
ウクライナが東部で攻勢開始か?と勝つべき理由:
ポーランドは、ロシア飛び領地のカリーニングラード、ウクライナ、ベラルーシ、ドイツに隣接し、地政学的な要因からも、これまでの歴史で幾度となく辛酸を経験してきた。其の事を、出来るだけ簡潔にまとめておこうと、いつも思っていた。そこには、ポーランドのウクライナ支援の必然性や、ウクライナ戦争の今後が見える内容もあるからだ。

ナチス・ドイツは1939(昭和14)年8月23日、ソ連との間に独ソ不可侵条約を締結。その裏で両国は、ポーランドを分割し、バルト諸国やフィンランドをソ連の「取り分」とすることなどについて密約を交わしていた。1939年9月1日のナチス・ドイツのポーランド侵入は、近代史で第2次世界大戦の始まりと定義されている。

用意周到なドイツ軍に、ポーランドは2週間で全滅し、ほぼ同時に東からはドイツとの密約でソ連軍が同年9月17日に侵攻し、ポーランドは西側をナチスに、

東側をソ連に2分割された。
これを予想していたポーランドは、これ以前に英仏と相互援助条約を結び、ドイツがポーランドを攻撃すれば英仏が「すぐにあらゆる手段の援助をする」事になっていたが、英仏はドイツに宣戦はしたが何もせず、ポーランドは見捨てられた。ポーランドの軍事同盟国だった英仏がドイツに宣戦布告する9月3日まで、英仏にとって「ポーランド侵攻」はドイツとポーランドの二国間紛争にすぎなかった。
2022年2月にロシアがウクライナ侵略を開始しても、2国間の紛争だとして、ウクライナは負けて犠牲を出す前に、露の停戦条件を飲めと言う暴論が在ったのと似ている。、、

その後ナチスドイツは、独ソ不可侵条約さえも無視して1941年6月22日、モスクワを目指してへソ連領へ侵入するが、冬将軍に敗退する事になる。右はドイツ軍捕虜。

侵略されたポーランドで、ドイツの敵とされたのは,教員,聖職者,官僚だけではなく,パルチザンとなりうる男女,それを助ける女性・子供もである。ユダヤ人は,全てパルチザンとそのシンパとされたために,拘束あるいは処刑された。歴史から、独ソをよく思わないフィンランドと同様に、ポーランドは独ソ(露)英仏には良い感情を持っていない。兵器の購入先が米国なのが、それを暗示している。 過去ブログ:2023年6月
プリゴジン氏の武装蜂起呼びかけとロシアへの制裁:
参照記事 参照記事
2023年6月29日:ポーランドは、米国へ発注した数百台のエイブラムス戦車Abrams tanksの最初の14両を受け取り、欧州またはNATO諸国としては米国以外でこの車両を運用する初の国となった。同型戦車はウクライナへも秋までには供給されると米国が報じていた。また今週、ポーランドがエイブラムス戦車の新しいサービスセンターの拠点なることも発表された。ポーランドは、2021年7月に、米国から250両のエイブラム戦車
M1A2 Abrams tanksを購入すると公表していた。このポーランドの軍備増強が、2014年のロシアのクリミア併合によるポーランドのロシアへの警戒心からではと筆者は思っている。その心配は、2022年2月のウクライナ侵略で現実になった。

またポーランドは、米国から高性能ロケット砲ハイマースHIMARS multiple rocket launchers も購入し、国境へ配備するとしている。ワルシャワ当局者らは、ポーランドはウクライナへの軍事援助に関して(米国に次ぐ)世界で2番目に大きな援助国であると主張している。ウクライナに戦車、大砲、無人機、その他の武器や弾薬を供給している。
英文記事 英文記事 過去ブログ:2023年5月
プーチンの馬鹿な妄想はロシアの未来を消し去った:3月
米主力戦車エイブラムス、旧式改修し今秋納入めざす :1月
2023年1月20日にウクライナへの軍事支援で11カ国会合開催: